ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ビジネスWi-Fiにはインターネットへの自由な接続環境を提供する以外に、集客や販促などマーケティングにも活用できる機能が搭載されている。どんな機能があり、どのような用途に活用できるのか。いくつかの事例を紹介しながら、各機能と活用方法を紹介する。
A医院では医療現場にビジネスWi-Fiを導入する際、相談した通信会社からPRにも利用してはどうかという提案を受けた。ちょうど新たにもうひとつクリニックをオープンする予定があったので、開業PRにビジネスWi-Fiを利用することにした。
具体的には、来院した患者さんにWi-Fi環境を提供するとともに、接続時に新設医院のWebページを最初に表示して広告効果の最大化を狙った。充実した開業Webページを作成し、効果的に新規医院の開設をアピールできた。
同様の手法でマーケティング活動にビジネスWi-Fiを役立てているのが、Bガソリンスタンドだ。給油中に店内で快適に過ごしてもらえるようにWi-Fi環境を提供するだけでなく、接続時に自社のWebサイトを表示して、広告効果も狙った。
通信速度が速いビジネスWi-Fiを導入すれば、動画などもスムーズに閲覧できるようになるので、来客の満足度も向上する。さらにWebサイトで新製品や新サービスのPRをして、顧客の購買促進を図っている。
この二つの事例で利用しているのが「指定Webサイト表示機能」だ。来訪者がWi-Fiでインターネットを利用しようとした際に、最初に指定したページを表示するように設定する機能である。Webサイトは閲覧者の訪問を待つPull型のメディアだが、この機能を利用すればPush型としても利用できるようになり、PR効果が増す。
自社のWebサイトに誘導するだけではなく、ビジネスWi-Fiと他のサービスを連携させれば集客力の強化も図れる。Cカプセルホテルでは新ホテルの完成と同時にビジネスWi-Fiを導入。宿泊客にインターネット環境を提供するとともに、無料アプリで簡単認証できる機能とFacebook連携機能も取り入れた。
無料アプリで簡単認証できる機能として利用したのが、「Japan Connecte−free Wi-Fi(JCFW)」だ。一度登録しておけば日本各地にあるフリーWi-Fiにワンタッチで接続できるアプリケーションで、訪日外国人観光客の多くが利用している。このアプリケーションに対応すれば集客向上も見込める。
もうひとつのFacebook連携機能は、来訪者がホテルのFacebookページにチェックインするとWi-Fiが利用できるようになるというもの。来訪者に自社のFacebookページを閲覧してもらえると同時に、来訪者の友人たちのタイムラインにも店舗などの名前を表示でき、広告効果も期待できる。
これら以外にも多くのビジネスWi-Fiには、業務改善につながる便利な機能が搭載されている。例えば、来訪者のWi-Fiの利用状況を表示する「ダッシュボード機能」。これはWi-Fi機能をオンにしている端末がアクセスポイントの環境に入ってくると検知する仕組みなので、店舗にいつ、どれだけ来訪者があったのかを把握できる。
さらに、来訪者が接続した端末に対してキャンペーンのチラシをタイムリーに配信したり、店舗の周辺にも電波が届くようにしたりしておくと、通行する人に向けてもクーポンを発行できるという、高等テクニックの利用も可能になる。
ビジネスWi-Fiを導入すれば、顧客とのつながりを従来よりも増やせる。それをマーケティングにどう生かすかはアイデア次第だ。ビジネスWi-Fiの導入をきっかけに、これまでにないマーケティング活動にトライしてみてはいかがでしょうか。
執筆=高橋 秀典
【TP】
ビジネスWi-Fiで会社改造