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ビジネスWi-Fiで会社改造(第50回) 5GとビジネスWi-Fiの使い分け ~速度・コスト・利便性で比較

Wi-Fi 働き方改革

公開日:2026.02.12

 オフィスなどで使われているWi-Fi以外のデータ通信の手段として、通信事業者が提供しているモバイル回線がある。近年では、第5世代移動通信システム(通称「5G」)対応のモバイルデバイスが普及し、大容量のモバイル通信が身近なものになった。では、5Gによって大量のデータを高速で送信できるため、ビジネスWi-Fiが不要になるのだろうか――。この点について、今回はすでにオフィスに普及しているビジネスWi-Fiとの違いやその使い分けの必要性について解説していきたい。

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サービス拡大が急速に進む高速・大容量の5G

 スマホや携帯電話などのモバイル回線の最新の無線通信規格である5Gが日本で登場・普及し始めたのは、2020年頃のことだ。東京オリンピックを視野に通信事業者各社が5Gを実装した商用サービスの提供を開始し、Wi-Fiの第6世代であるWi-Fi6にやや遅れて始まった。

 無線LANの通信規格であるWi-Fiと違い、携帯電話の基地局から発信される電波を利用する5Gの最大の特徴は、3.7GHz、4.5GHz、28GHzの3つの周波数帯が利用できて、大容量データの高速通信が可能になる点だ。

 GHzによって1秒間に送信できるデータ通信量が変わる。28GHzの5Gの理論値は最大20Gbpsとなり、3.7GHzが最大だった前世代の4G(最大理論値1Gbps程度)の20倍もの圧倒的な速さを実現し、大容量のコンテンツである映画もストレスなく鑑賞できる。

 また、無線で通信している区間では高信頼で低遅延な通信が可能になり、同時に接続できる端末の数が飛躍的に増えた点も5Gの大きな特徴だ。こうした特徴を生かし、自動運転への活用も期待されている。さらに、工場など特定のエリア内に基地局を設置するローカル5Gという活用方法も生まれた。

 周波数が大きいと1秒間に送信できるデータ通信量は多くなるが、電波の届く範囲が限定されるため多くの基地局が必要となり、サービスエリアが狭い点がネックとなっていた。しかし、総務省の発表によると、整備計画が前倒しで進められ、2024年3月末時点で全国の人口カバー率は98.1%に達しており、急速にサービス拡大が進んでいる。


ビジネスWi-Fiと5Gの比較、主な違いは?

 モバイル通信としての5Gは、オフィスに導入されているビジネスWi-Fiとはどんな違いがあるのだろうか。まずデータ通信速度で見ると、ビジネスWi-Fiとして普及している通信規格であるWi-Fi6では、利用する周波数帯は2.4GHzと5GHzであり、理論上は28GHzの5Gの方が圧倒的に速い。

 しかし、一般的に、実際のオフィス内で測定するとモバイル回線の5Gより光回線を利用しているビジネスWi-Fiの方が速いとされる。光回線は有線の固定回線であり、無線と異なりドアや壁などの障害物の影響を受けないため、安定した通信速度を確保できるからだ。ビジネスWi-Fiでは周波数を選択すれば電波干渉の回避もできる。

 導入のしやすさという面では5Gの方が有利だと言える。ビジネスWi-Fiではアクセスポイントやルーターを設置する必要があるが、5Gは無線通信なので工事は不要だ。5Gに対応した端末を用意し、通信事業者と契約すればすぐに使うことができる。ホームルーターを使えばコンセントを挿すだけでビジネスWi-Fiのように利用できる。

 また同時接続の台数では5Gの方がキャパシティは大きい。4Gでは一平方キロメートルあたり、同時接続数は約10万台だったが、5Gでは「グラントフリー(Grant-Free)」という通信方式が導入され約100万台の同時接続が可能になった。ただ、通常の事業所ではそこまで必要となるケースは少ないだろう。

 一方で5Gはモバイル通信ならではのデメリットもある。5G対応の機器はバッテリーの消費量が多い傾向にあり、頻繁に充電する必要がある。また高速通信を行うとデータ通信量を多く消費しがちで、契約形態によっては通信量の上限をすぐに超えてしまうケースがある。もちろん対応していないエリアや機種もあるので、事前の確認が必要だ。

 5GとビジネスWi-Fiを比較すると、それぞれ一長一短がある。光回線や固定の通信機器が利用できるオフィスではビジネスWi-Fiを活用し、工場のように敷地が広く移動距離が大きかったり、多くのセンサーなどを同時接続する必要があったりする場合には5Gを検討する手もある。それぞれの特性を生かし、最適な選択によって最大限のメリットを享受できるだろう。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=高橋 秀典

【TP】

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