ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ビジネスWi-Fiを導入すると不要になるのはパソコンのLANケーブルだけではない。プリンターやファクシミリの送受信に使用している複合機も有線で接続する必要がなくなる。今回は、複合機を無線でつなぐとどんなメリットが得られるのか、気をつけておかなければならないポイントはどこにあるのかなど、ビジネスWi-Fiと複合機の組み合わせ方法について考える。
ビジネスWi-Fiを導入してパソコンのLAN接続を無線化するのであれば、複合機との接続の無線化も考慮しておきたい。面倒なUSBケーブルやLANケーブルでつなぐ必要がなくなるのはもちろん、Wi-Fiでつなげばパソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンなど複数のデバイスから同じ複合機を利用できるようになる。
複合機の無線化は難しそうと思うかもしれないが、接続方法は至って簡単だ。最近の複合機の多くは無線対応しており、無線化のやり方もシンプルだ。複合機の操作パネルで「Wi-Fi(無線)接続」を選択し、接続したいアクセスポイントのSSIDを選んでパスワードを入力するだけというものが多い。
Wi-Fi機能を搭載していない複合機の場合でも、LANケーブルを使ってWi-Fiルーターにつなげば無線化できる。同じWi-Fiルーターに接続しているデバイスも無線で利用可能だ。
Wi-Fiルーターを介さないWi-Fiダイレクトという接続方法もある。Wi-FiダイレクトはWi-Fi Alliance(ワイファイアライアンス)という業界団体が決めた無線LANの規格で、Wi-Fi機能が搭載されているデバイスであれば、Wi-Fiルーターを使わずに直接つなげられる。ただし、オフィスにビジネスWi-Fiを導入する場合は、あえて使う必要はないだろう。
デバイスと直接接続するという意味では、Bluetoothで接続するという方法もある。タブレットやスマートフォンなどではおなじみの接続方法だろう。Bluetoothに対応している複合機も多い。しかし、通信速度が遅いので、ビジネスユースで大量に印刷をする場合にはあまりお勧めできない。
複合機を無線で接続するメリットとして最初に挙げられるのが、接続ケーブルがオフィスからなくなる点だ。配線がなくなるとオフィスがすっきりするし、何より場所を選ばずにプリンターを利用できる。レイアウト変更も容易で、フリーアドレスなどにも対応できる。これは柔軟な働き方を実現するためにも欠かせない要素だろう。
また、業務の効率化という面でもメリットがある。USBメモリーにデータをコピーしてプリンターに接続するといった手間は不要、場所を選ばず複合機にデータを送信するだけで印刷が可能だ。例えば、インターネットを介して社外からオフィスのプリンターを利用できるので、出先からデータを送信しておいて、会社に立ち寄ってピックアップし、すぐに次の顧客のところに向かえる。
ただし、気をつけなければならない点もある。一つはセキュリティだ。例えば、SSIDやパスワードが分かれば誰でも利用できてしまうため、悪意のある第三者によって不正にアクセスされれば、情報漏えいやデータ改ざんなどの被害に遭う場合がある。
そのため、パスワードをしっかり管理した上で、セキュリティレベルを高めるために最新のWi-Fi規格であるWi-Fi6の利用をお勧めする。なぜなら通信速度が圧倒的に速く、高度な暗号化技術によって高いセキュリティレベルが確保されているからだ。
通信の安定性という面にも配慮しておきたい。無線接続は有線接続に比べて接続状態が不安定になる可能性が高い。電波が届かない場所で使えないのは当然として、電波干渉などで通信が不安定になると印刷がうまくいかないケース場合も考えられる。
Wi-Fiルーターなどの機器の不具合も含めて、ビジネスユースとしては万が一の事態に備え、有線接続でも使えるようにしておくことが必要だろう。加えて、迅速に対応してもらうためにもサポートが手厚い業者の選定は大事なポイントだ。セキュリティ面と合わせて安心できるサポートパートナーを選んでおけば、転ばぬ先のつえとなるはずだ。
執筆=高橋 秀典
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