ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
エクセルで種類の違う表を縦に並べたい場合、セル幅が違ったりして見栄えが悪くなる場合がある。そんなときは、表を図として貼り付ける方法がある。今回はその方法を2種類紹介する。この方法を使えば、元表の数値を変更すると貼り付けた表の数値も連動して自動的に変更される。
一般的に表をコピーするには、範囲指定して「Ctrl」+「C」キーなどでコピーし、目的の場所で「Ctrl」+「V」キーなどで貼り付ける。しかし、表の種類が違ってセルの横幅が違う表を縦に並べようとすると、レイアウトが崩れて見栄えが良くない。
上段の画像の表(「8月第1週店舗別売上」の表)の下に中段の画像の表(「店舗別評価」の表)を貼り付けると、下段の画像のように表が間延びしたり、セルに文字列が収まらなかったりする
こういったレウアウトの崩れを防ぐためには、表を「図として貼り付ける」方法がある。まず1つめは、貼り付け時に形式を選択する方法だ。
表を範囲指定してコピーした後、貼り付けたい場所のセルを選択した状態で、貼り付けの「その他の貼り付けオプション」欄にある「リンクされた図」を選択する
選択した範囲の表が図として貼り付く
そのシートのセルの幅を無視して図として貼り付くため、表のレイアウトが崩れない。さらに、元の表の数値を変更すると、貼り付けた表も自動的に数値が更新される。
貼り付け元の表の数値を2から5に変更すると、貼り付け先の表も更新される
エクセルには「カメラ機能」というものがある。リボンには配置されていない機能なので、まずはカメラ機能を使いやすい位置に配置する。
「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」ボタンをクリックし、「その他のコマンド」を選択する
「リボンにないコマンド」を選択し、「カメラ」を選択した状態で「追加」をクリックして「OK」を押すと、クイックアクセスツールバーに追加される
前準備ができたら、カメラ機能を使ってみよう。コピーしたい表を範囲指定してカメラボタンを押し、貼り付け位置を指定する。
コピーしたい表を範囲指定し、カメラボタンを押す
カーソルが十字に変わるので、貼り付けたい位置でクリックすると、図として貼り付く
カメラ機能を利用した場合も、リンクされた図として貼り付けた場合と同様、元表の数値を変更すると連動して自動的に数値が更新される。カメラボタンのクリックは、「コピー」操作の代わりと言える。貼り付けの種類を選択することなく、ワンクリックで貼り付くので効率がいい。よく使う場合は、ぜひクイックアクセスツールバーに登録しておこう。
今回は2種類の方法を紹介したが、この2つには微妙な違いがある。以下、図とキャプションで解説したので参考にしてほしい。
・外枠が付くか付かないか
図として貼り付けたのが上段の表で、カメラ機能を使ったのが下段の表。図として貼り付けた場合は外枠が付かないが、カメラ機能を使うと外枠が付く。これは印刷時も同じだ
・図の空白部分が塗りつぶしなしか、白の塗りつぶしか
分かりやすくするために、セルの目盛線を赤色に変更してみた(ファイル-オプション-詳細設定-次のシートで作業するときの表示設定-枠線の色)。図として貼り付けた場合は塗りつぶしなしのため、下の赤色の目盛線が見えている。カメラ機能を使った場合は白の塗りつぶしなので赤色の目盛線は見えない
・不要な目盛線を印刷しない(共通)
どちらの貼り付け方にしても目盛線が表示され、印刷時にもこれが反映される(上記は印刷イメージの表示)
目盛線を印刷しないためには、元の表があるシートの目盛線を非表示にする。「表示」タブの「目盛線」のチェックを外す。すると目盛線の表示が消える
目盛線を非表示にした状態で表を貼り付けると、印刷時も目盛線は表示されない
・カメラ機能で貼り付けたときの枠線を描画しない
表を選択した状態で右クリックし、「図の書式設定」を選択する
「塗りつぶしと線」アイコンをクリックし、「線」で「線なし」を選ぶ
こうすると外枠が消える
【ダウンロード】
「時短エクセル」 数値の変更が連動する表の作り方 のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)
※解説用画面はWindows 11上でMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある
執筆=内藤 由美
大手ソフト会社で14年勤務。その後、IT関連のライター・編集者として活動。ソフトウエアの解説本、パソコンやスマートフォンの活用記事などを執筆、編集している。
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時短エクセル