ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
売り上げデータを管理するとき、同じフォーマットを使ってファイルに分けて管理している場合がある。それを手作業で1つのブックにまとめようとすると、一つひとつコピー&ペーストしていく必要があり、非常に手間がかかる。また手作業の場合は1行ずれて上書きしてしまう、といった人為的なミスが発生する可能性もある。
こんなときは「PowerQuery(パワークエリ)」という機能を使おう。以前の連載では、この機能を使って複数のシートに分かれているデータを1つのシートにまとめる方法を紹介した。パワークエリは外部データの取得、結合、集計など、データ分析のために必要な前段階の作業を自動化できる便利な機能だ。今回は複数のファイルに分かれている同じフォーマットのデータを結合する方法を紹介する。
まず、複数ファイルに分かれている週ごとの売り上げデータをPowerQueryエディターに取り込む。新規のブックを開いて、「データ」タブの「データの取得」から操作する。以前の連載ではシートを結合するときは「Excelブックから」を選んだが、今回はここで「フォルダーから」を選ぶのがポイントだ。
週ごとに分かれたファイルを「8月の売上」というフォルダーで管理している状態からスタート
新規ブックを開き、「データ」タブの「データの取得」-「ファイルから」-「フォルダーから」を選ぶ
ダイアログボックスが開くので、フォルダーを指定する
指定したフォルダー内のファイルの情報が表示されるので、「結合」-「データの結合と変換」をクリックする
どのファイルを基準にするかを指定するが、ここではすべて同じフォーマットのファイルを前提にしているので、「サンプルファイル」はそのまま「最初のファイル」で構わない。そして「Sheet1」をクリックする。右側にプレビューが表示されるので、確認して「OK」をクリックする
「PowerQueryエディター」にすべてのファイルのデータが取り込まれた
次に、PowerQueryエディター上で不要なデータを削除するなどの加工を施す。各ファイルの最後の行には合計が記載されているので、結合したらそれぞれの合計は不要だ。これを削除しよう。エクセルでの行削除は、行を選択して右クリック→削除という操作が一般的だが、PowerQueryエディターは操作方法が異なる。
ここでは、「心斎橋店」の列に「合計」と記載された行が不要になる。これを削除するために「フィルター」機能を使う
「心斎橋店」の右端にある▼をクリックし、「合計」のチェックを外して「OK」をクリックする
これで「合計」行が削除され、すべて日付別の売り上げデータとなった
最初の列にファイル名が表示されているが、こちらも不要だ。列ごと選択し、メニューから「列の削除」の上部をクリックする
これで、不要な行や列が削除されて必要なデータだけになった
ここまでできれば、あとはPowerQueryエディターを閉じてエクセルにデータを取り込めばよい。
メニューから「閉じて読み込む」の上部をクリックする
テーブルとなってエクセルに取り込まれた
このようにPowerQueryを使えば、簡単な操作で複数のファイルを結合することができる。なお、結合前に施していたボールドなどの文字装飾、円マークやカンマなどの数値の書式は解除されるので新たに設定が必要だ。
【ダウンロード】
「時短エクセル」 「パワークエリ」で複数のブックの表を1つに結合する のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル5つ)
2024年8月第1週.xlsx
2024年8月第2週.xlsx
2024年8月第3週.xlsx
2024年8月第4週.xlsx
2024年8月第5週.xlsx
※エクスプローラー上に「8月の売上」というフォルダーを作成し、5つのExcelファイルをそのフォルダーに保存する
※解説用画面はWindows 11上でMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある
執筆=内藤 由美
大手ソフト会社で14年勤務。その後、IT関連のライター・編集者として活動。ソフトウエアの解説本、パソコンやスマートフォンの活用記事などを執筆、編集している。
【T】
時短エクセル