時短エクセル(第10回) Excelの複数シートを自在に操って時短

パソコン スキルアップ

公開日:2018.10.01

 Excelでは、複数のシートを1つのファイル(ブック)で管理できる。例えば、月ごとにシートで分けて1年1ファイルとして売上表や勤怠表などを管理することも多いだろう。今回は、シートの行き来が素早くできる方法と、シートを別ファイルにコピーしたり移動したりする方法を紹介しよう。

右隣、左隣のシートを素早く開く

 まずは、隣のシートを素早く開くショートカット。もちろん、マウスでクリックしても移動できるが、キー操作のほうが速い。右隣のシートに移動するには、「Ctrl」キーと「PageDown」キーを押す。左隣のシートに移動するには「Ctrl」キーと「PageUp」キーを押せばよい。「Ctrl」キーを押したまま、「PageDown」キーを2回押すと、2つ右隣のシートを表示できる。「PageDown」キーと「PageUp」キーを使えば、シート間を自由に行ったり来たりできる。

「Ctrl」+「PageDown」キーで右隣のシートに切り替わる

 

「Ctrl」+「PageUp」キーで左隣のシートに切り替わる

数多くのシートから目的のシートを素早く開く

 1ファイルに12カ月分のシートがある場合、離れた位置のシートは隠れてしまっていて、目的のシートにたどり着くのに時間がかかる。そんなときは、シート見出しの左にある三角ボタンを右クリックする。すると、シート名の一覧が表示されるので、そこから目的のシートを選べばよい。

三角ボタンを右クリックする

 

シート名一覧が表示されるので、目的のシートをクリック

 

目的のシートが表示される

 また、最初のシートが表示されている状態で、右向き三角を「Ctrl」+クリックすると、最後のシート見出しが表示される。ただし、そのシートが表示されるわけではない。隠れているシート見出しが表示されるので、該当のシート見出しをクリックすればそのシートを表示できる。逆に、左向き三角を「Ctrl」+クリックすると、最初のシート見出しが表示される。

右向き三角を「Ctrl」キーを押しながらクリック

 

最後のシート見出しまで表示される。ただし、そのシートが表示されるわけではない

一部のシートだけを別ファイルにコピーしたい

 「一部のシートだけを新規ファイルとして取り出したい」「一部のシートだけをすでにある別のファイルに組み込みたい」といったこともよくあることだ。

 一部のシートだけを新規ファイルとして取り出したい場合は、コピーしたいシートを右クリックして「移動またはコピー」をクリックする。そして「移動先ブック名」で「(新しいブック)」を選択し、「コピーを作成する」にチェックを入れて「OK」をクリックする。すると、コピー元のシートはそのまま残り、新しいファイルに1シートだけがコピーされるので、そのファイルを別名で保存すればよい。コピー元からシートを消してもよい場合は、「コピーを作成する」にチェックを入れなければ、元のシートからの移動となる。

シートを右クリックし、「移動またはコピー」を選ぶ

 

「移動先ブック名」で「(新しいブック)」を選択し、「コピーを作成する」にチェックを入れる

 

新しいファイルに目的のシートがコピーされる

 複数のシートをコピーしたい場合は、「Ctrl」キーを押しながら別のシートをクリックしていくと、それらがグループ化される。グループ化されたシートは、すべてがコピーの対象となる。範囲が続いている場合は、最初のシートをクリックし、「Shift」キーを押しながら最後のシートをクリックすれば、その範囲がグループ化される。グループ化を解除したい場合は、シートを右クリックして「シートのグループ解除」を選ぶ。

 一部のシートだけをすでにある別のファイルに組み込みたい場合は、組み込み先のファイルも開いておく。前述の要領で「シートの移動またはコピー」のダイアログボックスを開き、「移動先ブック名」で組み込み先のファイル名を指定する。そして挿入位置を指定すると、指定したシートの前に挿入される。「末尾に移動」を選ぶとシートの最後に挿入される。

「移動先ブック名」で組み込み先のファイル名を指定し、挿入位置を指定する

 

指定したシートの前に挿入される

 シートのコピーで注意したいのは「コピーを作成する」のチェックをオンにすること。初期値ではオフになっているので、そのままだと移動になってしまう。コピーしたい場合は、必ずこのチェックをオンにすることを忘れないようにしよう。

シートコピーはウィンドウを並べて「Ctrl」+ドラッグが確実

 シートをコピーする際、「シートの移動またはコピー」ダイアログで「コピーを作成する」にチェックを入れ忘れ、移動になってしまった経験はないだろうか。もちろんその後、移動したシートを元にコピーすればよいわけだが、手間がかかる。

 ダイアログ中の文言も「移動先ブック名」などとなっており、「移動」を前提にした作りになっているため、「コピーを作成する」が初期値でオフになっていることが原因だ。

 「コピーを作成する」のチェックを入れ忘れることが多い人のために、別の方法を紹介しよう。

 コピー元とコピー先の2つのファイルを開き、コピー元のファイルの「表示」タブにある「整列」をクリックする。そして「ウィンドウの整列」画面で「上下に並べて表示」を選ぶ。すると、コピー元のファイルが上になり、2つのファイルが上下に並ぶ。

コピー元のファイルで「表示」タブにある「整列」をクリック

 

開く画面で「上下に並べて表示」を選ぶ

 

2つのファイルが上下に並ぶ

 そして、コピーしたいシートをドラッグしながら「Ctrl」キーを押す。挿入したい場所でドロップすると、シートがコピーされる。この方法なら2つのファイルを同時に確認できるので、もし「Ctrl」キーを押し忘れて移動になってしまっても、下のファイルに移動したシートを、「Ctrl」キーを押しながら上のファイルにドラッグすると元のファイルにコピーできる。

「Ctrl」キーを押しながらシートを下のファイルの挿入したい位置にドラッグ

 

2つのファイルに同じシート名があることが確認でき、コピーできたことを目視できる

 シートで右クリックするよりも、ウィンドウを並べて「Ctrl」+ドラッグするほうが、目で確認できるのでミスを防げるだけでなく、操作の手数も少ないので時短にもなる。

第11回は11月5日(月)公開

執筆=内藤 由美

大手ソフト会社で14年勤務。その後、IT関連のライター・編集者として活動。ソフトウエアの解説本、パソコンやスマートフォンの活用記事などを執筆、編集している。

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