時短エクセル(第41回) 表の作成を通してExcelの必須機能を習得する(前編)

パソコン スキルアップ

公開日:2021.05.10

 今回は「Excelの表をいかに効率的に作るか」を、テンプレートありきで説明しよう。とにかく自動化できる作業を自動化すれば時短になる。関数の利用に多少苦労したとしても、そのテンプレートを次回以降も使い回すなら、次回以降は手入力も関数設定もせず使えるため、圧倒的に効率が上がる。

 今回は、チームのリーグ戦対戦表を作成しながら、いろいろな機能を紹介していこう。内容はスポーツチームの対戦表だが、ここで使う機能は仕事に直結するため、すべて覚えていただきたい。関数も「SUM」「SUMIF」「IF」「COUNTIF」など、仕事でも使用頻度の高いベーシックなものに絞り、「前編」「後編」として2週にわたって紹介する。

※当記事では練習用のサンプルファイルがダウンロードできます(ページ下部)

完成した表。これをどれだけ効率的に作れるかを紹介する

 

手入力部分を入力し、書式設定する

 サンプルは手入力部分を最低限にしたつもりだが、どうしても手入力は発生する。また、日付の書式設定が希望の書式と違っているので、これも修正しておく。「SL」はスキルレベルの略で、各人の技能レベルに応じて事務局が数字を設定する。いい成績だとこれがアップしていく。

手入力部分。タイトルは文字サイズを大きくして太字にする。名前など強調したい部分も太字にしておこう

 

日付の書式を変更

 

 C3~J3までをドラッグして範囲指定し、「Ctrl」+「1」キーで書式設定画面を開き、「日付」の種類から「3/27」を選ぶ。

連続データを最大限利用する

 連続データは非常に便利な機能で、これを利用しない手はない。「試合週」は第1週、第2週…という意味なので単純な連続データ、日付は「毎週土曜日」なので、少し工夫が必要だ。

「Ctrl」キーを押した状態でC2の右下をJ2までドラッグする

 

 数字のみの場合はドラッグしてもコピーになってしまうので、「Ctrl」キーを押しながらドラッグする必要がある。ここが「第1週」などとなっていた場合は「Ctrl」キーを押さなくても連続データになる。この違いをしっかり把握しておこう。

2週目の日付を入力し、2週分をドラッグして選択。その状態でJ3までドラッグ

 

 次に、規則性のある連続データを入力する場合は、規則が分かる範囲のセルをドラッグして指定し、その複数セルをそのままドラッグする。今回は毎週土曜日開催ということで7日置きの連続データを入力した。例えば奇数を入力したければ「1」と「3」を範囲指定してドラッグすればよい。

 対戦相手は4週で1回転し、2回転目も同じなので、Aチーム~Dチーム(C4~F4)を選択し、J4までドラッグする。単純にコピーしてもよい。

Aチーム~Dチームも連続データとしてコピーできる

 

セル結合や罫線で表の形を整える

 ここまでできたら、ひとまず表の形状を整えて分かりやすくしておこう。右のほうにスクロールしても見やすいように右側にも見出し列を作っておく。そして「試合週」「日付」「対戦相手」「場所」「合計SL」「得点」「合計得点」は、セル結合を利用して体裁を整える。まずは「試合週」をB2までドラッグし、「Ctrl」キーを押した状態で「日付」をB3までドラッグ。同様に「Ctrl」キーを押したまま、すべて横方向にドラッグしてから「ホーム」タブの「セルを結合して中央揃え」アイコンをクリックする。

横方向にセルを結合して中央揃えにする

 

 右側の見出し列も左側同様にセル結合しておく。右側は、出場回数を書く欄がある分、3セルを結合する必要がある。そして表に罫線を引き、センタリングするべき所はセンタリングする。また列幅も調整しておこう。

格子罫線を引き、センタリングやセル幅を調整して表の体裁を整える

 

IF関数を使って「Home」か「Away」かを自動表示する

 自分のチームのホーム店舗(ここでは「セリー」)で試合をする場合は「Home」、それ以外なら「Away」となる。開催地によってHomeかAwayかが自動的に表示されるようにしよう。

 この場合は、IF関数を使う。「もしC5にセリーと記載があればC6にHomeと表示する、そうでなければAwayと表示する」という内容を記述すればよい。

C6に「=IF(C5=”セリー”,”Home”,”Away”)」と記載する

 

 「理論式」は「C5=”セリー”」で、「C5がセリーである」という意味。そしてそれが真の場合は「Home」、偽の場合は「Away」と表示する、という意味である。セリー、Home、Awayなど、文字列を指定する場合は「”」(ダブルクォーテーション)で囲む必要がある。

J6までドラッグすれば瞬時に表示される

 

 前編はここまでとした。後編では、右側の見出しを自動転記する方法や出場選手をリストから選択する方法、出場回数やSL合計を計算する方法などを紹介する。

※解説用画面はMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある
後編は2021年5月17日(月)公開

【ダウンロード】
「時短エクセル」 表の作成を通してExcelの必須機能を習得する(前編) のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)

執筆=内藤 由美

大手ソフト会社で14年勤務。その後、IT関連のライター・編集者として活動。ソフトウエアの解説本、パソコンやスマートフォンの活用記事などを執筆、編集している。

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