時短エクセル(第7回) 年齢や勤続年数を自動更新にするExcel技

パソコン スキルアップ

公開日:2018.07.02

 社員名簿には生年月日や入社日などの欄があるだろう。しかし、年齢や勤続年数を手入力してしまうと、毎年更新しなければならず非常に手間がかかる。

 今回は、関数を使って生年月日から現在の年齢を自動的に計算する方法を紹介しよう。入社日から勤続年数を計算するのも同じ要領でできる。

※当記事では練習用のサンプルファイルがダウンロードできます(ページ下部)

まずはTODAY関数で現在の日付を表示しておく

 生年月日から年齢を自動計算する際、いつ現在の年齢を表示させるか、その基となる日付が必要だ。TODAY関数を使って、自動的に本日の日付が表示されるようにしておこう。

ここではG1セルに「=TODAY()」と入力する

 「=TODAY()」は、本日の日付を表示する関数だ。引数は不要なので、( )内には何も書かなくてよい。

これで、ファイルを開くたびに本日の日付が自動的に表示される

 ちなみに、関数を使わずに簡単に本日の日付を入力する方法もある。「Ctrl」キーを押しながら「;」(セミコロン)キーを押すと、本日の日付を即座に入力できる。「Ctrl」+「:」(コロン)は現在の時刻を入力するショートカットキーだ。セットで覚えておくと時短になる。

 もちろん、今日の日付でなく、来年の4月1日現在の年齢を知りたければ、その日付を手入力しても構わない。

基準となる日付から自動的に計算するDATEDIF関数を使う

 F3セルに、関数を入力する。年齢を計算する際には、期間の長さを調べる「DATEDIF(デイトディフ)」関数を使う。

 DATEDIF関数は、「=DATEDIF(開始日,終了日,単位)」という引数で成り立っている。「開始日」は生年月日、「終了日」は今日の日付、「単位」は年とする。年は”Y”(Year)、月は”M”(Month)、日は”D”(Day)で表す。

まずは、F3セルに「=DATEDIF(」と入力

 

次にE3セルをクリックすると、自動的に「E3」と入力される

 

「E3」の後ろに「,」(カンマ)を入力し、G1セルをクリックして「F4」キーを1回押す

 

そして「,”Y”)」と入力する

 F4キーを押すのは、セルをコピーしたときに参照先のG1セルがずれないようにするため。生年月日はそれぞれの行で自動的にずれてくれてOKだが、G1セルはどのセルでも変更されないよう、絶対参照にしておく必要があるからだ。

 これで、生年月日から本日までの年数を自動的に計算し、表示してくれる。もし、表示が1900/2/14などとなってしまったら、「ホーム」タブの「表示形式」で「標準」を選択しよう。すると、適切な年齢が表示される。

「Enter」キーを押すと数式が確定し、年齢が表示される

数式をコピーして表を完成させる

 

 F3セルを選択した状態で、右下の■(フィルハンドル)を下方向にドラッグすると、それぞれの社員の年齢が表示される。

これで社員名簿にある全社員の年齢が表示された

 次回、このファイルを開いた場合は、現在の日付が自動的に更新される。そして誕生日が過ぎた人は年齢が1歳増えることになる。

さまざまな用途に応用できる

 期間を調べるDATEDIF関数はさまざまな用途に応用できる。

例えば、
(1)入社日から勤続年数を確認する
(2)プロジェクトの公開まであと何カ月と何日かを表示し、作業の進捗を管理する
(3)会員の入会日から現在までの期間を確認し、半年たつと記念品を贈る
など、人事担当者による社員名簿管理だけでなく、企画部門の作業進捗管理、顧客サービスなどにも幅広く使える。

(1)については、生年月日から年齢を計算するのと同じ要領だ(サンプルファイルSheet2)。
(2)については、月数の欄と日数の欄を作り、締め切りまであと何カ月と何日かを確認できるようにした(サンプルファイルSheet3)。月数を求めるには引数を”M”とする。1カ月未満の日数を求めるには”MD”を使用する。すると、締め切りまでにあと何カ月と何日残っているかが一目で分かる。

●単位は以下のようなものがある
 ”Y” ……満年数
 ”M” ……満月数
 ”D” ……満日数
 ”MD” ……1カ月未満の日数
 ”YM” ……1年未満の月数
 ”YD” ……1年未満の日数

 ここで注意すべきなのは、開始日が本日の日付で、締め切りが終了日である点。生年月日から年齢を計算するのとは並びが逆になるわけだ。

本日の日付と締め切り日から、作業できる残り期間を自動計算

 また、分かりやすいように数字に「カ月」や「日」という文字列を追加した。これは「セルの書式設定」の「ユーザー定義」で「G/標準”カ月”」や「G/標準”日”」と設定すればよい。

セルの書式設定で数字に文字列を追加する

 

するとさらに分かりやすくなる

 プライベートでは、家族の生年月日から年齢を自動計算する表を作っておけば、忘れがちな両親の年齢などもバッチリ管理できる。当然、奥方の年齢を間違えると大変なことになる。コッソリ表を確認して、誕生日には「○○歳の誕生日おめでとう!」と胸を張って花束を贈ろう。

第8回は8月6日(月)公開

【ダウンロード】
「時短エクセル」年齢や勤続年数を自動更新にするExcel技 のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)

執筆=内藤 由美

大手ソフト会社で14年勤務。その後、IT関連のライター・編集者として活動。ソフトウエアの解説本、パソコンやスマートフォンの活用記事などを執筆、編集している。

【T】

あわせて読みたい記事

  • 目的別ショートカットまとめ(第44回)

    【ファイル操作編】右クリックメニューやプロパティを表示するショートカットキー

    パソコン スキルアップ

    2025.01.24

  • 時短エクセル(第86回)

    都道府県別データを3Dマップで表現する

    パソコン スキルアップ

    2025.01.21

  • 目的別ショートカットまとめ(第43回)

    【Windows編】画面のスクリーンショットや切り抜きに便利なショートカットキー

    パソコン スキルアップ

    2025.01.10

連載バックナンバー

時短エクセル