時短エクセル(第38回) Excelで文字以外の書式や装飾も一気に置換

パソコン スキルアップ

公開日:2021.02.01

 Excelの置換機能といえば、担当者が変更になったときなどに、表のあちこちに点在する「伊藤」を「浜本」に置き換える、といった使い方が一般的だろう。実は、置換できるのは文字だけではない。書式や装飾なども置換が可能なのだ。今回はその方法と利用シチュエーションを紹介しよう。

※当記事では練習用のサンプルファイルがダウンロードできます(ページ下部)

どんなときに利用する?

 例えばスケジュール表を作っているとき、取り急ぎ部内会議を「部mtg」、直帰を「NR」などと記入してしまうことがあるだろう。ところがそれを上司に提出しなければならなくなった。こんなときは文字の置換と同時に塗りつぶしなどで装飾して分かりやすくしよう。これが置換機能だけで簡単にできるのだ。

 1つ注意すべきなのは、略す場合は同じ文言で略しておくこと。「部mtg」「部内mtg」など揺れていると一発で置換できない。

書式も含めて置換する

 それでは、置換してみよう。まず、第37回で紹介したショートカットキー「Ctrl」+「F」キーで検索ダイアログボックスを開き、「置換」タブをクリックして置換ダイアログボックスを開く(「Ctrl」+「H」で直接置換ダイアログボックスを開くことも可能)。

 次に、「検索する文字列」に「部mtg」と入力して「オプション」をクリックする。

検索する文字列に書式は設定されていないので、文字列に単純に入力する

 

置換後の文字列を入力して、「書式」をクリック

 

 置換後の文字列には書式を設定したいので、「書式」をクリックして塗りつぶしなど装飾を設定しよう。

「塗りつぶし」タブで背景色を設定する

 

「フォント」タブで「太字」と文字色を「白」に設定して「OK」をクリック

 

書式のプレビューが表示されるので確認して「すべて置換」をクリックする

 

書式も含めて一気に置換される

 

 同様に、出張にも分かりやすく色を付けた。手動で1つひとつ時間をかけて書式設定せずとも文字の置換と同時に装飾も施され、見やすくてきちんとした、上司に提出できるスケジュール表になった。

効率的に分かりやすい表が完成

 

覚えておきたいこと

 置換する前に確認したいのが、「大文字と小文字を区別する」だ。上のシートには「部mtg」と「部MTG」という表記があった。どちらも同様に置換したいので、今回はここにチェックは入れないが、区別したい場合にはチェックを入れると「部MTG」は置換の対象にはならない。また、「置換」をクリックすると1つずつ確認しながら置換できる。置換したくないセルは、手動で次のセルをアクティブにすれば、そのセルの置換をスキップしてくれる。

 また、書式設定して置換した後に文字だけの置換をしたいときには少し戸惑ってしまうかもしれない。書式を一旦クリアにしないと同じ書式が施されてしまうからだ。そんなときは一発で書式をクリアできる機能を使おう。

書式を一旦クリアする

 

置換前後の文字を入力して「すべて置換」をクリック

 

 置換が終了したら「閉じる」をクリックして置換ダイアログボックスを閉じればよい。

※解説用画面はMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある
第39回は2021年3月1日(月)公開

【ダウンロード】
「時短エクセル」 Excelで文字以外の書式や装飾も一気に置換 のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル)

執筆=内藤 由美

大手ソフト会社で14年勤務。その後、IT関連のライター・編集者として活動。ソフトウエアの解説本、パソコンやスマートフォンの活用記事などを執筆、編集している。

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