ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
月別の売り上げデータを管理するとき、同じフォーマットを使ってシートごとに分けているパターンは多いだろう。それを手作業で1つのシートにまとめようとすると、一つひとつコピー&ペーストしていく必要があり、時間がかかる。また手作業の場合は1行ずれて上のデータを上書きしてしまう、といった人的ミスが発生する可能性もある。
こんなときは「PowerQuery(パワークエリ)」という機能を使って結合しよう。前回はこの機能を使ってPDFファイルなどの表をエクセルに取り込む方法を紹介した。パワークエリは外部データの取得、結合、集計など、データ分析のために必要な前段階の作業を自動化できる便利な機能だ。使いこなせばかなりの時短を実現できるだろう。
まず、複数シートに分かれているブックを、新しいブックの1つのシートに取り込むためにPowerQueryエディターに取り込む手順を紹介する。新規のブックを開いて、「データ」タブの「データの取得」からファイルを指定する。
これが元データ。1月~6月までの売り上げデータがシートに分かれている
「データ」タブの「データの取得」-「ファイルから」-「Excelブックから」を選ぶ
「データの取り込み」ダイアログボックスが開くので、取り込みたいExcelファイルを指定する
「売上データ2023.xlsx」を選んで「データの変換」をクリックする
PowerQueryエディターが開く
PowerQueryエディターにデータが取り込まれたら、必要なデータだけを取り込む作業に進む。
次に、PowerQueryエディター上で不要なデータを削除したり表の形を整えたりなど、加工を施す。
ウインドウ右にあるクエリの設定から名前を変更する。最終的にはシート名になるので、拡張子は不要
ここで必要なのは「Data」という列だけなので、「Data」部分をクリックして列を指定し、メニューから「列の削除」-「他の列の削除」をクリック
「Data」列だけが残った
もちろん1列ずつ選択して「列の削除」をしてもよいが、残すのが1列ならこの方法でそれ以外の列を一気に削除した方が効率的だ。
「Data」列の右端にあるボタンをクリックし、「OK」をクリックする
各シートのデータが統合された
上記画面は、ウインドウ右にあった「クエリの設定」は「×」で閉じた状態。「クエリの設定」を再度開きたい場合は「表示」-「クエリの設定」をクリックすればよい。
この表で項目にしたいのは、1行目の「店舗名」「梅田店」「心斎橋店」…という部
分。ここを項目にするための便利なメニューがある。
メニューから「1行目をヘッダーとして使用」をクリック
これで項目名が指定できた
ただし、各シートにも同じように項目行がある。この項目行は不要だが、シート分だけ行を指定して削除するのは手間がかかる。ここでも時短できるテクニックを使おう。
「店舗名」の右端のフィルターボタンをクリックし、「店舗名」のチェックを外す
これで2列目以降も項目行が非表示となった
ここまでできれば、あとはPowerQueryエディターを閉じてエクセルにデータを取り込めばよい。
メニューから「閉じて読み込む」をクリックする
テーブルとなってエクセルに取り込まれた。PowerQueryエディターで付けた名前がシート名となる
このようにパワークエリを使えば、別シートになっているデータを簡単に結合できる。さらに、複数のブックにある表を1つの表に集約したり、月次で更新する表を追加、更新したりするのも容易だ。
【ダウンロード】
「時短エクセル」 「パワークエリ」で複数シートを1つにまとめる のお試しファイルのダウンロードはこちらから(Excelファイル2つ)
売上データ2023.xlsx
売上データ2023_結合後.xlsx
※解説用画面はWindows 11上でMicrosoft 365のExcelを使用。一部メニュー名などが異なる場合がある
執筆=内藤 由美
大手ソフト会社で14年勤務。その後、IT関連のライター・編集者として活動。ソフトウエアの解説本、パソコンやスマートフォンの活用記事などを執筆、編集している。
【T】
時短エクセル