ビジネスWi-Fiで会社改造(第34回) 商店街もビジネスWi-Fiで集客強化

Wi-Fi スキルアップ

公開日:2024.05.16

 全国的に有名な商店街から地方の小さな商店街まで、さまざまな地域の商店街で集客力向上のためにフリーWi-Fiが導入されている。ただ、導入時は主流だった規格のWi-Fiでは、能力が不足するケースも目立つ。解決策の1つとして、Wi-Fi6の普及に伴い商店街でもWi-Fi6対応のビジネスWi-Fiの導入が広がりつつある。商店街の通信環境をビジネスWi-Fiで強化するメリットは何だろうか。

店舗単位とは違う、商店街単位のメリット

 これまでも、Wi-Fiの導入は地域への観光客の集客につながると紹介してきた。外国人観光客にとって無料Wi-Fiは訪問先を選ぶ上で重要な要素であり、Wi-Fiを利用できれば旅行者の滞在時間の伸びも期待できる。ソーシャルメディアへの投稿が増えるにつれ、注目度もアップするだろう。

 日本有数の観光地の近くにある商店街が積極的にWi-Fi環境を整備するのは、観光地を訪れても商店街を素通りしてしまう旅行者をWi-Fiによって呼び込みたいという狙いがある。

 多種多様な飲食店や小売店で構成される商店街では、商店街単位でフリーWi-Fiを導入した場合、通信環境を整備する以上の効果が想定される。商店街が一体となり工夫を凝らしてさまざまな施策を打てば、各店舗がそれぞれWi-Fi環境を提供するケースとは一味違う強力な武器になり得るからだ。

 例えば、旅行者がフリーWi-Fiに接続した際に、商店街で開催されているイベントを案内するようにしておくと、店舗単位のPRでは呼び込めない旅行者を集客できる可能性がある。また、商店街のフリーWi-Fiに電子クーポン発行機能をつけて各店舗に誘導することもできる。さらに仮想現実(VR)アプリなど、店舗単位のフリーWi-Fiより高度なシステムも導入しやすい。

 商店街単位で働きかけができるのが商店街としてWi-Fi環境を整備するメリットだが、その効果を引き出すためにはより強力なビジネスWi-Fiの活用をお勧めする。

施策の効果を引き出すビジネスWi-Fiならではの強み

 Wi-Fi6に対応しているビジネスWi-Fiの最大の特徴は高速通信だ。自宅で光ファイバーなどを利用して高速通信に慣れ親しんでいる人もストレスなくフリーWi-Fiを利用できる。また、VRのように映像を使ったプロモーション展開も可能だ。

 複数のデバイスの同時接続に効率よく対応できるのもビジネスWi-Fiの強みだ。Wi-Fi6には「OFDMA」という周波を分割して通信できる技術が使われており、従来のように順番待ちで接続するのではなく、同時に複数のデバイスを接続できる。多くの人が同時にWi-Fiを利用する商店街のフリーWi-Fiには必要な機能といえるだろう。

 商店街単位でWi-Fiを導入する際には、商店街の店舗にアクセスポイントを設置してもらう必要がある。この点でもWi-Fi6に対応したビジネスWi-Fiは有利だ。以前のWi-Fi5は5GHz帯という障害物に弱い周波数だけに対応していたが、Wi-Fi6は障害物に強い2.4GHzにも対応している。電波の届く範囲が広いので、アクセスポイントを設置する店舗数を減らせば工事費用も抑えられる。

 セキュリティの強化もビジネスWi-Fiの大きなメリットの1つだ。Wi-Fi6は最新のセキュリティ規格「WPA3」に対応している。脆弱性が解消され安全性も高められているので、利用者は安心してフリーWi-Fiを利用できる。

 ビジネスWi-Fiの設置は、政府や地方自治体などの補助金制度の対象になる点も大きな魅力だろう。外国人観光客の消費需要を取り込むため、地域活性化のために商店街の取り組みに対する補助金制度は数多くある。こうした制度を最大限に利用して、商店街の魅力を高めていこう。

執筆=高橋 秀典

【TP】

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