ビジネスWi-Fiで会社改造(第7回) Wi-Fiでお客さまを増やそう-顧客獲得作戦

Wi-Fi スキルアップ

公開日:2022.04.18

 ビジネスWi-Fiの導入効果は業務の効率化やワークスタイル変革だけではない。集客力を高めたり、顧客満足度を上げたりするという面でも効果的だ。ビジネスWi-Fiを適切に活用することで集客アップを実現したり、顧客満足度の向上を図ったりできる。ここではビジネスWi-Fiを顧客に開放し、こうした効果を生み出すための具体的な方法や注意点を解説していく。

顧客が利用しやすい環境を整備する

 誰もがスマホを持つようになった現在、Wi-Fi環境の有無は快適性を左右する重要な要素だ。そのため、飲食店であればWi-Fi環境があることが集客につながるだけでなく、滞在時間が延びることで追加注文による客単価アップも期待できる。

 オフィスの場合、来社した取引先がプレゼンテーションや商品説明を行いやすくする効果もある。応接室や会議室でWi-Fiが使えれば、重い紙の資料を持ち込まなくて済むようになったり、突然必要になった資料を取り寄せたりすることも容易になるからだ。近年は、外回りをする営業担当者はノートPCやタブレットを持ち歩いていることも多い。Wi-Fiがあればわざわざスマホのテザリングなどを利用せず、インターネットを通じてクラウドなどに保存した資料を活用できる。

 ビジネスWi-Fiを外部の人に提供するとこうした多くのメリットがあるが、多くの場合は機器を別に購入するといった新たな投資は必要ない。ただし、自社の従業員用とは別にSSIDを用意し、そちらを利用してもらうようにすることがポイントになる。従業員用とは別のSSIDで接続してもらい、自社のシステムなどに接続できないようにしておけば、自社のデータが盗まれたりするリスクが減り、セキュリティ面で安心できるからだ。

 ビジネスWi-Fiを開放する際に注意しなければならないことが2つある。取引先や来店者に限って利用可能とすることと、利用料金を発生させないことだ。本来、アクセスポイントなどを設置してWi-Fiを提供する場合、通信事業者としての登録または届け出が必要になる。ただし、自社の業務に付随してWi-Fiを提供する場合には、その必要はない。喫茶店のオーナーが来店者向けに店内にアクセスポイントを設置したり、商店街で利便性向上のためにWi-Fi環境を提供したりした場合などが、これに該当する。不特定多数に提供したり、利用料金が発生したりすると「登録または届け出が必要な電気事業者」になってしまう可能性がある。

 こうした点に気を付けて、来客者や来店者に対してWi-Fiが無料で利用できることとSSID・パスワードを知らせれば、集客力と満足度の向上が期待できるビジネスWi-Fiの活用がスタートできる。その際に利用者が利用しやすくなるアプリも導入すれば、さらに効果的だ。例えば、日本全国のフリーWi-Fiに接続できるようにする無料アプリ「Japan Wi-Fi auto-connect」。一度登録すればIDやパスワードを入力しなくてもアクセスポイントに接続できるようになるので使い勝手が格段に良くなる。

セキュリティの不安を払拭すべき

 実際にビジネスWi-Fiを導入して集客力向上に結びつけている事例は多い。ある宿泊施設では、宿泊客用と社内用のSSIDを分けて利用することで、システムの安全を確保しつつ、フリーWi-Fiがあることをツアー予約サイトにも明示して、集客力強化を図っている。予約サイトでは宿泊料金に加えて設備なども比較検討されるため、Wi-Fi環境を整備していると明示すれば差別化要因になる。

 観光地にある店舗兼飲食店では、店を訪れる観光客向けにビジネスWi-Fiを提供しているケースが増えている。そこでは前述のフリーWi-Fi接続アプリのJapan Wi-Fi auto-connectも活用して接続の利便性向上を図るケースも目立つ。これにより混雑時に行列ができても、Wi-Fiが使えるため不満の解消にもつながっているという。 

 このように来社客や来店者に利便性を提供するためには、当然快適に利用できることが求められる。前述のように、多くの場合ビジネスWi-Fiを顧客に開放する際に追加投資は必要ないと考えられるが、あくまでも快適性を損なわないというのが大前提になる。あまりにも利用者が多くなり、アクセスが増えればアクセスポイントを増やすなど、追加の設備投資を考えたい。

 こうしたビジネスWi-Fiの活用で非常に重要なポイントが、利用者に対するセキュリティの確保だ。2020年に総務省が実施した「無線LAN利用者に対するアンケート調査」では、約半数の人がフリーWi-Fiを利用している一方で、「知っているが、利用していない」と回答した人の約6割が「セキュリティ上の不安があるから」を理由に挙げている。

 利用者の不安を払拭するためには、自社が提供しているWi-Fiサービスのセキュリティについても適切な情報を提供することが有効だろう。例えば、SSIDとパスワードを告知すると共に、セキュリティサービス導入の有無やセキュリティレベルについて触れておくことで利用者を増やせるはずだ。

 さらに、店舗などでビジネスWi-Fi環境を整備するメリットとしては、キャッシュレス決済が導入しやすくなることも挙げられる。店内でWi-Fiが利用できるようにすれば、来店者はキャッシュレス決済を利用しやすくなる。飲食店や美容室では、可動式のキャッシュレス決済端末を用意しておき、レジ以外の場所で支払いができるようにすれば、顧客満足度が向上するはずだ。

※Japan Wi-Fi auto-connectは、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社が提供するサービスです
※一部のフリーWi-Fiは、Japan Wi-Fi auto-connectアプリに対応しておりません

執筆=高橋 秀典

【TP】

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