ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
シーズンが変わるたびに新しい機能を持ったモデルが出るといっても過言ではない登山用品。その中で、大切な機能を持っているにもかかわらず、ウエアやザック、登山靴などと比較すると重要度があまり認知されていないのが「サングラス」です。
山にもよりますが、無積雪期の山でサングラスを掛けている人は、平均2割といったところ。掛けたほうがいいことは、漠然と分かっていても、後回しにしがちな装備といえます。しかし、サングラスにはまぶしさを防ぐだけでない、重要な機能があるのです。そこで、今回は登山をする上で知っておきたいサングラスの機能を3つに絞って紹介します。
もともと目は光を受け入れる器官なので、紫外線などに対する防壁が強くありません。みなさんが日焼けを気にする肌以上に、目は紫外線の刺激に弱いのです。しかも、紫外線量は標高が1000m上がると10%程度増えるといわれており、標高3776mの富士山山頂なら地上の約140%、奥多摩を代表する山、御岳山でも標高は929m、地上の約110%近い紫外線を浴びる計算になります。さらに、日常より長時間野外にいる登山は、受けるダメージも大。従って、雪山や夏のアルプス稜線(りょうせん)歩きではサングラスは必須です。もちろん、低山であってもしっかりと紫外線対策を心掛けたいものです。
そこで知っておきたいのが、サングラスの「色の濃さ」と「紫外線を防ぐ機能の高さ」の関係です。実は色の濃さと紫外線防止機能は、関係ありません。紫外線対策を考えるなら、「色の濃さ」で判断するのではなく、レンズが「UVカット機能」を持っているかどうかをチェックしましょう。最近のスポーツ用サングラスは、UVカットレンズ仕様になっていますが、色がついただけの製品もあります。購入時に意識してチェックしましょう。
自然光は直接降り注ぐだけでなく、いろいろなものに乱反射し、さまざまな角度から目に入ってきます。それが目の疲れにつながります。こうした目の疲労軽減対策として役立つのが、「偏光レンズ」のサングラスです。偏光レンズというのはカメラのPLレンズと同じで、反射光をカットする機能を持ったレンズのことです。反射光のカットは登山時にとても重要な機能で、登山道が見やすくなる効果もあります。下の写真は裸眼と偏光レンズでの見え方の違いを写したものです。偏光レンズのほうは石の表面のテカリが消え、凹凸が見やすくなっているのが分かるでしょう。
足もとがよく見えるということは、足を置く場所の判断がより正確になり、スリップや転倒を防ぐことにつながります。「偏光レンズ」のサングラス着用は、まぶしさや目の保護目的だけでなく、安全登山の観点からもお勧めです。ちなみに、偏光レンズのサングラスを掛けると酔ってしまうという人がいます。その原因としては、レンズが粗悪でゆがみがあることが考えられます。
こうしたトラブルを防ぐには、購入前に実際に掛けてみましょう。掛けたり外したりして、距離感のズレを感じるものはゆがみがあります。また、偏光レンズのサングラスを掛けると、デジタル時計、GPS、スマートフォンなど液晶画面を見た場合、画面が見づらくなることもあります。そうした見え方も購入時にチェックしておくといいと思います。いずれにせよ、サングラスを掛けた際の見え方は、山へ行く前に確認しておくことが大切です。
サングラスを選ぶとき、レンズの色を「デザイン」として見ていませんか。この色がカッコいいからとか、自分に似合いそうといって選んでいる人は視点を変えてみましょう。もちろん、街のオシャレアイテムとして使うならそれでもよいかもしれませんが、登山で快適に使いたいなら、レンズカラーによる見え方の違いを知って、選択したほうがよいでしょう。
サングラスにもいろいろな機能があるということが分かっていただけたでしょうか。スキーヤーが必ずゴーグルやサングラスで目を保護し、視界を明瞭にするように、登山者にとってもサングラスがマストアイテムになる日が近いかもしれません。
執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
【T】
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