ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
9月中旬、北海道の山から始まった紅葉は、山頂から麓へ、同時に北から南へと、あっという間に本州を移動。四国の石鎚山、中国地方の大山、九州・くじゅうの大船山など、西日本の山でもこれから次々に見ごろを迎えます。秋は山が一年で最も華やぐとき。今年はどこも例年より1週間から10日ほど色づきが早いようで、この時期にしか見られない絶景を見逃さないようにしたいですね。
紅葉のピークはいつごろなのか、タイミングを計るのは簡単ではありません。それは、山と、私たちが住む町では気候が違い、季節の進み具合がずれているから。紅葉を楽しみにせっかく苦労して登っても、早くて色が浅かった、逆にもう散ってしまっていた、など残念な思いをすることもしばしば。
そんな失敗をしないために、計画段階からチェックしたいのが、観光協会や麓のビジターセンター、山小屋などがWebで公開している紅葉情報。人気の山であれば、山名と“紅葉”などのキーワードでWeb検索すれば、紅葉の進み具合も一目瞭然。更新が頻繁でアクセス数が多い記事なら、最近の登山情報が確認できます。そこに掲載された写真と、直前情報を参考にしてタイミングを逃さないようにしましょう。
私がよく利用しているのが、山中または山頂などに設置されたライブカメラの映像です。山は麓と山頂で天気が違うことが多いので、ライブカメラを見れば目的地が晴れているのか、曇っているのか、まさにリアルタイムで知ることができます。紅葉の進み具合や天気だけでなく、これからの時期、標高の高い山は積雪が心配です。登山道に雪があるかどうかをチェックするのにも役立ちます。
今やスマホなしでの生活が考えられないように、登山においてもまた、スマホは欠かせないアイテムになっています。以前から緊急時の連絡手段に携帯電話の活用は重要視されていましたが、最近は、現地で最新情報を得るためのツールとしてもスマホアプリが使われています。例えば天気予報を見るなら「ピンポイント天気」や「アメフリ」。雨雲のレーダーの予測を見れば、数時間後の天気もある程度知ることができ、行動の判断に役立ちます。
また、地図アプリ「山と高原地図」「FieldAccess2」などはスマホで地図が見られるだけでなく、GPSによって現在地を知ったり歩いたルートを記録できたりして便利。目の前に見えている山や施設の名前を教えてくれる「山カメラ。」「AR山1000」というアプリもあります。
そのほか、日の出日の入りの時刻を教えてくれるもの、星座が見られるものなども。ここまで便利になると登山で重要な「自分で考えること」を忘れてしまいそうですが、判断材料として活用するには良さそうです。
山中でも稜線であれば携帯電話がつながる山が多く、北アルプスを中心とした山小屋では、近年、登山者がフリーで使えるWi-Fi設備を導入するところが増えてきました。家族と連絡を取り合ったり、気象情報を確認したりと、山中でネットが使えることはとても助かります。
また、現地から「今、〇〇岳にいます」とブログやFacebook、Twitterなどに写真付きでアップするのが人気です。それに対してすぐに山仲間からコメントをもらうことができます。SNSによるコミュニケーションも広がり、出会うことの難しい、離れた地域の登山者とも交流しやすくなりました。Facebookなどでつながっている人同士が山でバッタリ出会い、それがきっかけで親しい山仲間になったという話も聞きます。紅葉情報は、ホームページを検索するよりも、そうしたSNSを通じて得るほうが早い場合も。山の様子を積極的に発信している現地の公式SNSも数多くあります。
私のブログ「山でわくわく」では、コメント欄を読者同士の交流の場として開放しているのですが、記事について(時には記事には関係ないことも)読者同士が自由に意見交換をしています。登山経験や世代、立場を超えて登山についてのさまざまな話題を気軽にやりとりできるようになったのは、山岳会の集会など旧来の交流とは違った、登山者の新しい文化なのかもしれません。
執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
【T】
人生を輝かせる山登りのススメ