ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
近年スポーツに親しむ人が増えるにつれて、世界の山々を訪ねるトレッキングが海外旅行の目的の1つに数えられるようになりました。今、世界中のトレッカー(トレッキングを楽しむ人)から注目を集めているのが、ネパールのヒマラヤトレッキングです。かつての秘境も着々と道路整備が進んでいて、まとまった休みがあればアクセスしやすくなっているのも人気の理由。今回はネパールに出掛けて、本記事初、海外から山登り体験記をお届けします。
中国と国境を接するネパールは、8000m峰14座のうち8座が集中する山岳国。世界のトレッカーが憧れる人気エリアの1つです。かつては、麓から何日も歩いて山の奥地へ向かわなければならず、高峰の登山だと1~2カ月、トレッキングでも2~3週間が必要でした。長期休暇を取るのが難しいサラリーマンにとっては、ヒマラヤの山へ行くことは夢のまた夢の話。定年退職した後に、いよいよと、トレッキングに出掛けていくぐらいが現実的でした。
しかし、近年は山間部への道路整備が進み、バスやジープが通れる車道が目を見張る勢いで山奥まで伸びています。人も荷物も今まで数日をかけて移動していた区間を、車を使って日程の短縮が図れるようになってきました。
山によっては、日本から10日前後でもトレッキングや高峰への登山が可能になってきています。ゴールデンウイークやシルバーウイークなどの大型連休を使えば、現役世代でもネパールトレッキングにチャレンジできる身近さになっているのです。
そんな話を聞いて、私もヒマラヤのトレッキングコースに行ってきました。向かったのは4月上旬、首都カトマンズから200kmほど北西に位置するマナスル山(8163m)の山麓です。今回はマナスル山の西側コースを歩きました。
トレッキングスタート地点であるダラパニという街まではカトマンズからローカルバスとジープを乗り継いで1日半。同行ガイドによると、10年ほど前にはジープ路がなく、バスを降りてから歩かなければならなかったので、ここに来るまでに3~4日は必要だったといいます。
重機が活躍する道路整備の風景。開通が待たれます
さて、到着したダラパニからマナスル西側へ向かうトレッキングコースを歩き始めてすぐ、車道が造られている最中の工事現場を通過しました。4㎞ほど先の集落まで道が延びていて(工事中)、近々、そのさらに4㎞ほど先の集落まで車道が整備されるそうです。
こんな急な山の斜面に道が造れるのか?と思うほど不安定な山の斜面を切り開く工事が着々と進んでいます。しかし、この8㎞の区間が開通すれば、徒歩で3時間の行程をさらに短縮できることになります。
今までは人の足、またはロバでしか入れなかったところに車が入れるようになれば、現状の牧歌的な集落の雰囲気が失われる恐れはあります。しかし、農業だけでは生活が苦しい山間部に住む人たちの間では、外国からのトレッカーを相手にロッジや売店を営むことが大きな収入源として期待されているようです。
標高約3600mのビムタンを囲むようにそびえる、マナスル山と周辺の山々
さて、ダラパニから歩いて3日で(通常は2日。私は途中で体調を崩すアクシデントがあったので3日かかりました)、マナスル山を見上げる位置にある最奥の地、ビムタンに着きました。そこはまさに山上の別天地。周りはぐるりと7000~8000mの高峰に囲まれていて、どこを見ても神々しい山が見られます。美しいヒマラヤひだ(高く険しい山にできる規則正しい間隔の雪ひだ)をまとった山々が迫るのはネパールトレッキングの醍醐味です。
ビムタンから少し歩いたところにあるポンカールタルという氷河湖(氷河によってつくられた湖)では、青い湖の向こうにヒマラヤの山という、他では見たことのない絶景に出合うことができました。現実離れした絶景を眺めれば、人生の価値観をも変えてしまうといいますが、まさにその通り。ネパールでしか味わえない、貴重な体験となりました。
空と湖の青が交わるポンカールタル。最奧部での感動が忘れられません
取材では予備日を3日設けていたので、日本出国から帰国まで通算12日間という日程でした。それを割愛すれば9日間でも行ける計算になります(実際に9日間のツアーもある)。私が行ったのは、数あるトレッキングコースの1つ。風の旅行社、アルパインツアーなど、登山・トレッキング専門の旅行会社でも短い日程で楽しめるネパールツアーが脚光を浴びているようです。
今後、さらなる日程の短縮化も期待できるネパールトレッキング。今秋・来春の休暇を利用して、出掛けてみてはいかがでしょうか?
※掲載している情報は、記事執筆時点(2017年4月30日)のものです。
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9日間のツアー
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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