ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
多くのビジネスマンが登山にハマっています。単なる運動や景色を愛でる旅としての楽しみ以上に、もっと大きな魅力があるからではないでしょうか。普段の自分をちょっと変えたり、人生を見つめ直したりする機会になるからかもしれません。
春は低山ハイクで新緑を楽しむ。夏は標高のある山に本格登山。そして秋には静かにもみじ狩り、場合によっては、厳しい冬山登山に挑む……。しばらく前には“山ガール”のブームもありましたが、四季を通じて楽しめる登山は、若者から年配の方々まで、幅広い年代で人気です。
これは一時的なブームではありません。最近は、30~50歳代の男性、あるいはその世代の夫婦が、新しく登山を始めるケースが増えています。家でゆっくり休むこともできるのに、なぜ休日にわざわざキツい思いをして登山に挑むのでしょうか。山には、単なる「趣味」とは割り切れない、大きな魅力があるからです。
ここで一般的な山登りの魅力を挙げてみましょう。
・景色がきれい(雲海から昇るご来光、どこまでも続く山並み、高山植物のお花畑、満天の星など、山でしか見られない景色が楽しめる)
・達成感がある(目標の山に登れたときに大きな感動が得られる、困難を乗り越えたあとの開放感が心地よい)
・非日常を味わえる(都会とは全く違う環境に身を置くと、気持ちが日常から切り離されて心からリフレッシュできる。普通の旅より冒険的で刺激がある)
・仲間と過ごす時間の濃さ(苦労をともにしたり、困難を一緒に乗り越えたりすると絆が深まる)
こうした魅力が山登りの大きな動機になることは確かです。しかし、山にはもっともっと深い魅力、心の深いところに影響を与えるような力があるのではないかと思われます。
好きな人に会いたくなるように、山へ行きたくなる。そして会えばもっと近づきたいと思う気持ちのように、山に登りたくなる。山好きな人は、そんな山に対する憧れの気持ちを持っています。私自身も子どもの頃から山に登っていますが、気づけば、「仕事も趣味も山。私から山をとったら何も残らないのでは?」と思うほど、どっぷりと山の魅力にはまっています。
「どうして山に登るのか」という問いに対するイギリスの登山家、ジョージ・マロリーの「Because it is there」という言葉はあまりに有名です。「そこに山があるから」という訳を多くの方が聞いたことがあるでしょう。山と溪谷社のTシャツプロジェクトでもメッセージとして採用されました。同じ質問に往年の日本人名クライマー・長谷川恒男は「生きてきた証ができる」、冒険家の植村直己が「ただ好きだから登るだけさ」と言っています。
どうしてそこまで山に惹かれるのか、という問いに対する説明は十人十色。私もその答えを探しながら山に登っているところです。でも、もしかしたら、便利でラクな暮らしのなかで忘れてしまった人間の野性的な本能のようなものが、山へ行くと磨かれ、よみがえるのかもしれません。
私のある友達は「山へ行くと元気がチャージされる」と言っていました。会社や家庭のことで悩み、気分が落ち込んだとき、山へ行くと気持ちが明るくなるのだそうです。また、仕事で体が疲れているはずなのに、山へ行くとなぜか力がみなぎってくるというビジネスマンの話もよく聞きます。そして下山するころには、また明日から頑張れるという気持ちになるそうです。
普段の自分を少し変えたい、何か刺激がほしい、そう思って山に来る人が多いように思います。そして、自分を見つめ直したり、山から生きる上でのヒントをもらったり……。山と出会えば、あなたの人生もより輝いたものになるかもしれません。ココロも体も元気になる登山。これから毎月、さまざまな角度から山登りの魅力、楽しみ方を紹介していきます。
執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
【T】
人生を輝かせる山登りのススメ