ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
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ここ数年、一部の登山者やスキーヤー、ボーダーの間で人気なのが“バックカントリー”といわれるジャンルの登山です。今年は東北の日本海側や北海道を除いて、全国的に雪の少ない冬でした。3月に入り、スキーシーズンは終わりに近づいていると感じる人も多いと思いますが、バックカントリーのシーズンはまだまだこれからです。今回は今注目の山遊びについて紹介しましょう。
バックカントリーとは、スキー場のゲレンデ内ではなく、そのほかの雪山フィールドを滑る遊びです。軽くて浮力の高いスキーが開発されたことや、インバウンドで日本の良質な雪山フィールドが人気となったこともあって、バックカントリーという言葉がメディアで注目されています。そもそも日本では各地にスキー場ができる以前から「山スキー」として親しまれてきました。山スキーは雪山登山技術の1つとして親しまれてきた長い歴史があります。新しいようであり、クラシックでもある山のジャンルなのです。
その魅力はなんといっても開放感。そして人の手の入っていない自然の中を滑ることができるワイルドさです。大きな山岳展望を眺めながら、誰も滑っていない大斜面を滑降するのは、これ以上ないほど気持ちがいいですし、樹林帯で木立を縫うようにして滑るのは冒険心をかき立てられます。
さらに意外なことに、スキーは「登るための道具」としても優れています。クライミングスキン(シール)という道具をスキーの滑走面に装着することで、滑るだけでなく、雪面を登っていくこともできます。雪山を自由に、そして早く移動できるのも大きな利点です。
スキーにクライミングスキンを装着することで斜面を登ることもできる
独特の浮遊感を楽しむパウダースノーの季節は終わってしまいましたが、バックカントリーは春こそハイシーズンです。これからの時期は、1〜2月の厳冬期より天候が安定し、気候も穏やか。日が長くなり、雪が締まってきて滑りやすくもなります。冬は好条件に恵まれることの少ない日本海側の山も春スキーのシーズンに突入です。
また、4月から5月は残雪期といって、北アルプスの立山や白馬岳、乗鞍岳などの高山や、鳥海山、八甲田山など豪雪地帯の山が適期を迎えます。バックカントリーは初夏まで楽しめ、意外にシーズンの長い遊びなのです。
天然の大斜面を滑降する気持ち良さは他に比べられない(北アルプス白馬岳中腹)
とはいっても、フィールドが雪山である以上、楽しむには相応の経験と滑走技術が必要です。山の斜面を数百メートルも一気に滑り下りるバックカントリーは、一歩一歩進む一般的な登山とは違って、ルートミスをした場合、気付いたときには正しいルートから大きく外れていて、登り返すのが非常に困難な状況になってしまいます。また、地形をよく知らないと、滝や大きな堤防の上に出てしまって、進退が窮まるということにも陥ります。
さらに雪山を滑るには、雪崩に対する深い知識も必要です。春は斜面や沢にたまった重い雪が大きな塊となって落ちるブロック雪崩、大規模に崩れる全層雪崩が起きるリスクが高まります。
雪山での経験が少なかったり、雪崩の知識に不安があったりする場合は、日本山岳ガイド協会などが認定するバックカントリー専門ガイド主催のツアーに参加しましょう。ガイドは安全を図ってくれるだけでなく、雪の状態、お客さまの技術度、好みなどによって、その日に一番コンディションの良い場所へ案内してくれます。
世界的に見ても積雪量の多い日本は、バックカントリーに適したエリアがたくさんあります。ぜひ、山の新しい分野に飛び出してみてください。
ガイドツアーに参加して安全に楽しもう
執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
【T】
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