Biz Clip調査レポート(第10回) 複合機利用実態調査2018

ビジネス機器

公開日:2018.03.14

 企業の複合機の導入実態および機能への満足度などはどうなっているか。その実態について、日経BPコンサルティングのアンケートシステムAIDAにて、同社保有の調査モニター2859人を対象に調査を実施した。

8割の企業が複合機を導入済み

 複合機の導入率は83.7%と高い結果となった。業種別で見ると、多くの業種が8割を超える導入率となっているものの、「医療機関・介護施設」と「自営業」は7割を切った(図1-1)。従業員規模別で見ると1万人以上の企業の導入率が最も高く、94.8%の企業が導入している。一方、99人以下の企業の導入率が71.6%と、他の従業員規模に比べて低い(図1-2)。従業員規模が大きくなく、また「医療機関・介護施設」と「自営業」は、複合機が持つほどの機能を必要としておらず、低価格のプリンター、ファクスで済んでいると想定される。

【図1-1 複合機の導入状況(業種別)】

 

【図1-2 複合機の導入状況(従業員数別)】

 

利用している複合機に9割が満足

 満足度については、複合機を導入している企業の87.7%が、利用している複合機に対して満足傾向(非常に満足~どちらかというと満足)の回答をした(図2)。「非常に満足」と回答している企業は8.6%と約1割で、「満足している」と合わせると過半数を占める。「非常に不満である」と回答している企業は0.6%と1%にも満たなく、導入している複合機に対する企業の満足度は高いといえる。

【図2 利用している複合機の満足度】

満足度の高い機能は「速度効率」

 利用している複合機の機能の中で満足度が高いものは、「印刷やスキャンの速度効率」で65.1%が選択。他の項目と比較し、突出した選択率となった。通常利用する際に気になる機能が選ばれた。次いで「セキュリティ管理」の22.8%、差がなく「故障しにくさ・不具合時のサポート」の22.5%となっている(図3-1)。

 「セキュリティ管理」に関しては、従業員規模の大きい企業の方が、選択率が高い。1万人以上の企業では39.6%と約4割の企業が選択している。一方、「故障しにくさ・不具合時のサポート」については、従業員規模の小さい企業の選択率が高く、99人以下の企業では31.7%と3割の企業が選択している。

 「設定のしやすさ」に関しても99人以下の企業の選択率が、24.6%と高く、4社に1社が選択した。「購入・リースなどの契約形態、ランニングコスト」に関しては、従業員規模が小さい企業ほど選択率が高い傾向にあった(図3-2)。

【図3-1 利用している複合機の満足度の高い機能】

【図3-2 利用している複合機の満足度の高い機能(従業員数別)】

不満なのも「印刷やスキャンの速度効率」

 利用している複合機の機能の中で不満度が高いものは、満足度と同じく「印刷やスキャンの速度効率」で、42.0%の企業が選択。満足度で高い一方で、不満度も高い項目となっており、複合機において、満足度を左右する最も大きな要素といえる。次いで「故障しにくさ・不具合時のサポート」の27.5%、「設定のしやすさ」の19.5%となっている。

【図4 利用している複合機の不満度の高い機能】

複合機を導入しないのは「必要性を感じないから」

 複合機を導入していない企業の理由として、最も選択率が高かった項目は「必要性を感じないから」で42.0%が選択。他項目と比較し、突出した選択率となった。次いで、「導入・運用コストがかかる」の22.0%。3番目に「用紙・トナーなどのコストが高いから」が選択された。導入しない理由としては、不必要以外にはコスト面が要因として高いといえる。

【図5 複合機を導入していない理由】

<本調査について>
日経BPコンサルティングのアンケートシステムAIDAにて、同社モニター2859人を対象に2018年2月に調査

執筆=調査・執筆 = 日経BPコンサルティング

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