ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
業務におけるスマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどのモバイル活用が拡大。オフィス内で、ワイヤレス環境の構築が進んでいる。企業内における無線LAN環境整備の実態について、日経BPコンサルティングのアンケートシステムAIDAにて、同社保有の調査モニター1810人を対象に調査を実施した。
アンケートの結果によると、今回、回答企業の68.7%と約7割の企業が無線LANを導入している。無線LANの導入率は従業員規模で特徴があり、従業員規模が大きい企業ほど導入率が高い(図1)。99人以下の企業が60.4%なのに対し、1万人以上の企業では79.1%と約8割の企業が導入している結果となった。一方で導入の必要性を感じないのは、99人以下の企業が26.6%と高い。
【図1 従業員規模別無線LAN導入状況(従業員数別)】
無線LANの導入理由として多くの企業が選択した理由が、「業務プロセスの効率化」だ。36.0%の企業が選択した(図2)。次いで高い理由の「ワークスタイル変革」で32.8%の企業が選択。いずれも、従業員規模が大きい企業ほど選択率が高く、「ワークスタイル変革」に関しては、「1万人以上」の企業が52.3%と過半数の企業が選択した。その他、「オフィスのレイアウト変更やオフィスの移転が容易になる」「ペーパーレス会議を行う」「フリーアドレススタイルの構築」なども従業員規模が大きい企業ほど選択率が高い結果となった。
【図2 社内無線LAN導入理由・導入意向理由(従業員数別)】※上位5項目
無線LANの導入後に困っている点については、「特にない・分からない」を選択している人が53.5%と最も高く、過半数は困っていないといえる(図3)。困ったことがある回答者の中で、最も選択率が高いのは「通信状況・品質」で、23.5%が選択した。次いで、「セキュリティーに不安がある」が15.8%の選択率となっており、従業員規模が小さい企業ほど選択率が高く、99人以下の企業では20.7%が選択しており、一番の課題となっている。
【図3 社内無線LAN導入後に困っていること(従業員数別)】※上位5項目
無線LANの導入を未検討、または必要性を感じない理由としては「有線の回線で事足りている」が49.9%。次いで「セキュリティーが不安」が47.3%と約5割が選択。この2項目が大きな理由となっている(図4)。
【図4 無線LANの導入を未検討または必要性を感じない理由】※上位5項目
無線LANサービスにあればよいサポートとして最もニーズが高いサービスは、「トラブル発生時のサポートセンター対応」で30.2%が選択(図5)。ちなみにこのサポートサービスに対しては、従業員規模が高い企業ほどニーズが高く、1000~9999人の企業では34.2%。1万人以上の企業では36.2%となっている。続いてニーズの高いサポートサービスは、「無線LANのセキュリティー設定」で、24.9%が選択した。
【図5 あればよいサポートサービス(従業員数別)】※上位5項目
2015年12月に行った同調査と比較すると、オフィスへの無線LAN導入は5割から7割と、この1年半で急速に拡大したといえる。さらに大きな変化として、この1年半で大きく回答数を増やしたのが、導入理由においての「働き方改革」である。前回調査では導入理由のトップ5にすら入らなかったのに、今回は2位にランクイン。従業員1万人以上の大企業に至っては、ダントツとなった。企業の人数が多いほど、無線LAN導入による働き方改革効果が見込めると考えられている。また、各問に共通して出てくる不安要素がセキュリティーに関する項目だ。これは導入しない理由の答えとしても上位に来ている。導入する際には、セキュリティーをきちんと担保してくれる製品やサービスを選定すべきといえるだろう。
<本調査について>
日経BPコンサルティングのアンケートシステムAIDAにて、同社モニター1810人を対象に2017年6月に調査
執筆=調査・執筆 = 日経BPコンサルティング
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Biz Clip調査レポート