覚えておきたいクラウド&データのキホン(第15回) クラウドとレンタルサーバーの違いは?それぞれの特徴を比較

クラウド・共有 データ保護・バックアップ

公開日:2022.03.31

 総務省の公開資料「令和2年 通信利用動向調査報告書(企業編)」によると、クラウドサービス(以下、クラウド)を「全社的に利用している」「一部の事業所または部門で利用している」と回答した企業は約68.5%。さらに10.1%の企業が今後の利用を検討しています。利用しているクラウドサービスの内容も「ファイル保管・データ共有」「電子メール」「社内情報共有・ポータル」「スケジュール共有」などが上位を占めています。

 一方で、ファイル保管・データ共有や電子メールがインターネット経由で行えるサービスとして、レンタルサーバーも挙げられます。本記事では、クラウドとレンタルサーバーの特徴・違いについて紹介します。

クラウドの特徴

 総務省の公開資料「教育クラウド調達ガイドブック」によると、クラウドは「インターネットを通じてソフトウエアやデータなどを利用するコンピューターの利用形態」と示されています。つまり、GoogleのGmailやMicrosoftのOneDriveのような、インターネット経由で提供されている電子メールサービスやストレージなどもクラウドに含まれます。

 クラウドには複数のサービス形態があります。具体的には、アプリケーションの機能を提供するSaaS(Software as a Service)、アプリケーションを開発・実行するためのプラットフォームを提供するPaaS(Platform as a Service)、コンピューターやストレージ、ネットワークなどのハードウエア機能を提供するIaaS(Infrastructure as a Service)があります。

 クラウドは、利用方法にも特徴があります。クラウドサービスを不特定多数が利用できるパブリッククラウド、契約者専用のクラウド環境となるプライベートクラウド、両者を併用するハイブリッドクラウドです。

レンタルサーバーの特徴

 レンタルサーバーは、ホスティングサーバーとも呼ばれます。先ほどの「教育クラウド調達ガイドブック」によると、レンタルサーバーは「専用の施設内に設置されたサーバーコンピューターを、インターネットを通じて顧客に貸与するサービス。顧客は借り受けたコンピューターに必要なソフトウエアやデータを導入して運用する」と記されています。

 レンタルサーバーにも、複数の利用方法があります。1台のサーバーを不特定多数が利用する「共用タイプ」、1台のサーバーを独占して利用できる「専用タイプ」、仮想サーバーを独占して利用できる「VPS」です。

クラウドとレンタルサーバーの違い

 ここでは、クラウド(IaaS型のパブリッククラウド)とレンタルサーバー(共用タイプ)の違いについて説明します。

サーバー環境
 まず挙げられるのが、サーバー環境です。レンタルサーバーは、1台の物理的なサーバーを複数人で共用します。ストレージはもちろん、CPUやメモリーなども共用するため、あるユーザーがサーバーに負荷がかかる作業を行った場合、他のユーザーの通信が遅くなることがあります。解消したい場合は、専用タイプのレンタルサーバーを検討する必要があります。

 クラウドも、1台の物理的なサーバーを複数人が利用します。しかし、クラウドの場合はサーバーのリソースを仮想化技術で分割し、ユーザーに提供します。そのため、レンタルサーバーと比べて他のユーザーの影響を受けにくいという違いがあります。

柔軟性
 Webサイトを運用する際は、サイトの内容によってクラウドとレンタルサーバーのどちらが適しているかが変わります。

 レンタルサーバーの場合、サーバーのスペックを変えるためにはサービスプランを変更する必要があります。プラン変更には手続きに時間がかかることもあるため、余裕をもった対応が必要です。

 クラウドの場合、CPUやメモリー、ストレージ容量を柔軟かつスピーディーに変更できます。クラウドはECサイトのような急激なアクセスの増減が想定される場合に、レンタルサーバーは企業サイトのような緩やかなアクセスの増減が想定される場合に適しています。

運用の手間
 クラウドによっては、サーバースペックの選定やOS・利用アプリケーションのインストールを自社で行う必要があります。自社にあったカスタマイズができる一方、運用や管理の手間が生じるともいえます。パッケージ化されたプランで提供されるレンタルサーバーであれば、自由度は低くなりますが運用の手間を軽減できます。

まとめ

 クラウドとレンタルサーバーには、それぞれに特徴があります。サービスを選定するに当たっては「どんな業務に活用したいか」を整理するところから始めると、自社に最適な選択肢が見つかりやすくなるでしょう。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆= NTT西日本

【MT】

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