ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
企業が自社サーバーを保守管理する方法として「自社内にサーバーを設置する」方法と、「社外のサーバーを利用する」方法の2つがあります。
社外にあるサーバーは、多くの場合データセンターという施設に設置されています。本記事ではデータセンターとはどういうものか、クラウドとの違い、それぞれを利用した場合のメリット・デメリットについて解説します。
データセンターとは、企業のサーバーやネットワーク機器を収容し、管理する施設のことです。自社内にサーバーを置くスペースが取れず、安定的にシステムを運用させるために必要な回線や電力、空調設備を準備することが難しいケースで利用されます。そのためデータセンターには、安定して電力を供給し、空調を管理する設備が備わっています。
データセンターを利用するメリットをまとめると以下の5つとなります。
メリット1:場所の提供
データセンターの基本的なサービスは、サーバーやネットワーク機器を設置するスペースの提供です。オフィス内にサーバーやネットワーク機器を設置する必要がなくなるため、スペースが有効活用できます。
メリット2:電力の提供
サーバーやネットワーク機器を安定稼働させ続けるためには、電力の安定供給が必要不可欠です。データセンターでは停電や瞬断が発生しても電力を安定供給するために、自家発電装置や無停電電源装置(UPS)などを用意しています。
メリット3:インターネット接続
データセンターでは、複数のサーバーやネットワーク機器をインターネット環境に接続するため、通信事業者の光ファイバーなど多くの通信回線を備えています。複数の通信事業者の通信回線が使えるデータセンターも数多く存在します。
メリット4:空調管理
データセンターには多数のサーバーやネットワーク機器が設置されているため、大量の熱が発生します。またサーバーやネットワーク機器に影響が出ないよう、湿度にも気を使わなければなりません。データセンターでは適切な温度・湿度を保つように、空調設備が整えられています。
メリット5:災害対策
データセンターは、地震や火災などの災害が発生してもサーバーに影響が出ないよう、さまざまな対策を施しています。一例として自然災害の発生頻度が低い地域への立地、免震・耐震構造を採用した建物、火災警報機や消火システム設備などが挙げられます。
以上のようなメリットから、企業はデータセンターを利用すれば、サーバーの保守や管理、災害時への備えまでの負担を総合的に軽減することができます。そのため、サーバーを自社からデータセンターに移行する企業が増えています。
データセンターでサーバーを利用する場合は、大きく「ハウジング」と「ホスティング」という方法が考えられます。
ハウジング
ハウジングは、データセンター内にサーバーやネットワーク機器を置くスペースを借り、自社サーバーを設置する方法です。コロケーションと呼ばれることもあります。サーバーの所有者が自社であるため保守管理のコストがかかりますが、用途に合わせたカスタマイズをできるメリットがあります。社内にサーバー運用の知見・技術がある場合に適した方法といえます。
ホスティング
ホスティングは、データセンターやホスティング事業者からサーバーやネットワーク機器を借りて使う方法です。サーバーをレンタルして利用するので「レンタルサーバー」とも呼ばれています。ハードウエアはデータセンターやホスティング事業者が所有しているため、設備の保守管理は委託することができます。
クラウドにはSaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)といった複数の形態がありますが、ここではIaaSで提供されるクラウドを前提に話を進めます。
データセンターは、社外にサーバーを置くという点において、クラウドと似ています。データセンターは物理的にサーバーを保守管理するのに対して、クラウドはインターネット経由で仮想的にサーバーを利用する点が異なります。
ハウジングでデータセンターを利用する場合、サーバーやネットワーク機器の保守管理を基本的に自社で行う必要がありますが、機器の選定やサーバー構成を自由に選択することができます。クラウドの場合、保守管理はクラウド事業者側で行います。CPUやメモリー、ストレージ容量などは、ある程度カスタマイズが可能です。
データセンターサービスを提供する企業は国内に多く存在します。今回はNTTグループの中から4社を紹介します。
NTT西日本(データセンター)
NTT西日本は、法人向けにデータセンターサービスを提供しています。西日本エリアに複数のデータセンターを用意しているので、自社近くのデータセンターを利用することも、災害時のバックアップ目的で遠方のデータセンターを利用することもできます。自家発電装置や無停電電源装置、免震構造の建物、生体認証を使った入室管理システムなど、激甚災害やサイバーテロに対応する安全性の高いファシリティ環境が用意されています。
NTTPCコミュニケーションズ(WebARENA)
WebARENAはNTTPCコミュニケーションズが提供しているサービスで、東京と大阪に計3カ所のデータセンターが用意されています。いずれもアクセスしやすい場所にあり、免震設備や強固なビルセキュリティなど、災害対策も充実しています。
NTTスマートコネクト(mediaCONNECT)
mediaCONNECTはNTTスマートコネクトが提供しているデータセンターです。データセンターは大阪府にあり、JPNAP大阪とダイレクトにギガビットクラスで接続。大手ISPへの直接接続も可能です。
NTTデータ(データセンター)
NTTデータは、全国17拠点にてデータセンターを運用しています。全国のデータセンター間を専用線でつなぐ「ビル間NW」により、複数のデータセンターを一元管理できるのが特長です。
データセンターを利用することで、サーバーの安定稼働が期待できるほか、社内スペースの節約、保守や管理、災害時への備えまでの負担の総合的な軽減が期待できます。クラウドの活用も含め、外部にサーバーを設置する際は、機能やコスト、運用の柔軟性、信頼性といった要素も総合的に考慮して判断するとよいでしょう。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆= NTT西日本
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