ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
公開日:2022.03.31
企業のシステムを構築するプラットフォームには、大きく分けると「クラウド」と「オンプレミス」の2つがあります。本記事では「クラウド」と「オンプレミス」の違いを紹介します。
クラウドは、インターネット上の仮想空間でサーバーなどを保有する仕組みのことです。一方オンプレミスは、自社内にサーバーを設置して運用する仕組みです。
クラウドには、基本的に誰でも利用できる「パブリッククラウド」と、単独の企業や団体が独自のクラウド環境を用意する「プライベートクラウド」に大別できます。ここでは、パブリッククラウドとオンプレミスの特徴を比較します。
クラウドはインターネット上の仮想サーバーを、必要な容量だけ利用できる仕組みです。自社でサーバーを保有する必要がなく、インターネット環境さえあれば、誰でも、どこからでもサーバーにアクセスできます。
クラウド事業者が用意したサーバーを利用するため、サーバーの購入や設置するための初期導入コストが抑えられ、申し込み当日から利用できるサービスもあります。自社の保有データが増えた場合でも、ハードウエアを拡張する必要がなく、サービスプランを変更するだけで対応できます。
一方で、クラウド事業者への依存度が高いことも特徴です。何かしらの問題が発生してサーバーが停止した場合、基本的に自社で復旧させることはできません。クラウド事業者の対応を待つことになりますが、自社を優先して復旧してくれるとは限りません。
「オンプレミス(on-premises)」という言葉のプレミス(premises)には、「構内」や「店内」という意味があります。その名の通り、オンプレミスとは自社内にサーバーやネットワーク環境などを保有し、ユーザー自身が保守・運用する形態です。
クラウドが登場する前までは、多くの企業がオンプレミスでシステムを構築していました。オンプレミスでは自社のポリシーに沿った情報セキュリティを構築でき、自社内に閉じたネットワーク環境にすることも可能です。
一方で、オンプレミスは自社でサーバーやネットワーク環境を構築する必要があるため、機器の購入費用や、運用保守するための人員確保が必要となります。自社の保有データが増えた場合は、そのたびにハードウエアを拡張する必要があります。
クラウドとオンプレミスの特徴の違いを見てきましたが、それぞれのメリットを享受できる「ハイブリッドクラウド」という形態もあります。
ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとオンプレミス、パブリッククラウドとプライベートクラウド、あるいは異なるクラウド事業者のパブリッククラウド同士といったように、複数のシステムを組み合わせて利用するクラウドのことです。それぞれのメリットを生かしたシステムが構築できる点が特徴です。
例えば、個人情報や顧客情報を扱うサーバーはオンプレミス、汎用的なシステムを動かすサーバーはクラウドで構築すれば、情報セキュリティを担保しつつ、コストパフォーマンスに優れたシステム運用が期待できます。
ここでは、オンプレミスからクラウドに変更したことで、業務の効率化につなげた企業の事例を紹介します。
株式会社エフスタイル
広告制作を行っている同社は、柔軟な働き方を取り入れるためにテレワークを導入することになりました。しかし同社はチーム作業が主体となっており、データ共有とコミュニケーションが必須のため、テレワークでも出社時と同様に業務が行える環境づくりが課題であることが判明。そこでクラウドに共有データを置き、案件ごとに閲覧権限設定を行うことで、情報セキュリティ対策を行いました。
また、バーチャルオフィスツールを導入することでWeb会議やチャットを使い、社内コミュニケーションが出社時と同様に行える環境を用意しました。結果、クラウド上で原稿作成、校正、納品などの通常業務が行えるようになり業務効率が向上したほか、社内にいるときと同程度のコミュニケーションも実現できたといいます。
メイクカンパニー合同会社
人財育成事業を営む同社は、自宅やモバイル、拠点など場所を選ばずに会社の業務システムに安全にアクセスできないという課題を抱えていました。
そこで、クラウド上の仮想デスクトップから業務システムへ安全にアクセスできる環境を整備。さらにクラウドにデータを置き、閲覧権限を設け、仮想デスクトップからアクセスできるようにしました。その結果、情報セキュリティ対策が施されたクラウド上の作業環境で、一定の通常業務が行えるようになりました。
このように、クラウドは初期費用が抑えられ、申し込みから比較的スピーディーに利用できます。一方、オンプレミスは自社のポリシーに沿った情報セキュリティを実現できます。それぞれメリットとデメリットを吟味し、自社の状況に合わせて使い分けを検討するとよいでしょう。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆= NTT西日本
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