ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
サーバーを導入する際、購入せずにインターネット上でサーバーをレンタルする「クラウド」「ホスティング」というやり方があります。本記事では、自社での利用に適したサーバーを選ぶためのクラウドとホスティングの違いと、そのメリット・デメリットを解説します。
前述した通り、クラウドとホスティングはどちらも「インターネット上でサーバーをレンタルする」ものです。違いとしては、クラウドは必要に応じて料金やスペックを柔軟に変更できるのに対して、ホスティングはあらかじめ決まっていることです(クラウドはデータ保管に用途が限定される場合「クラウドホスティング」、ホスティングは「レンタルサーバー」と呼ばれることもあります)。
クラウドにはSaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)といった複数の形態がありますが、ここではIaaSで提供されるクラウドを前提に説明します。IaaSで提供されるクラウドは、CPUやメモリー、ストレージ容量といったスペックで選定・契約します。必要に応じてリソースを追加することも可能で、従量課金制を採用しているクラウドがあるのも特徴です。
クラウドには大きく「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の2種類があります。
パブリッククラウドはサーバーや回線を複数人で利用、プライベートクラウドは1社のみで利用する形態です。自社専用のシステムを構築したい場合はプライベートクラウドを、安価にクラウドを利用したい場合はパブリッククラウドといった使い方が考えられます。最近では異なるクラウド事業者やパブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスを組み合わせたハイブリッドクラウドなども注目を集めています。
ホスティングは、事業者が用意したプランの中から自社に適したサービスを選定・契約します。クラウドと異なり、スペックを細かく選定することはできず、月額料金や契約期間などがあらかじめ設定されていることも少なくありません。
1台のサーバーを1ユーザーが利用する「専用ホスティング」、複数ユーザーが利用する「共用ホスティング」、仮想的に専用ホスティングと同様の環境が利用できる「VPSホスティング」といった種類があるのも特徴です。
共用ホスティングは他のユーザーと同一のサーバーを利用するため、あるユーザーのホスティング領域に負荷がかかると、他のユーザーに影響が生じることもあります。他のユーザーへの影響が気になる場合は専用ホスティングを選ぶべきですが、多くの場合で費用が高くなりがちです。共用ホスティングはOSのセキュリティアップデートなどをサービス事業者側が行うといった運用面でのメリットもありますので、用途や金額に応じて最適なものを選択しましょう。
レンタルでサーバーを利用するに当たり、クラウドとホスティングのどちらを選べばよいのでしょうか。メリット・デメリットを見ていきます。
クラウドのメリット
クラウドを利用するメリットとして、拡張しやすい点が挙げられます。ホスティングは前述の通り契約内容をパッケージ化しているケースが多いため、カスタマイズが行えない、あるいはカスタマイズ範囲が限られているケースが少なくありません。クラウドの場合、サーバーの負荷に合わせてCPUやメモリー、ストレージ容量などのスペックを柔軟に変更できます。
急激なトラフィック増加が発生しやすいECサイトやソーシャルサイト、短期間の利用を想定したキャンペーンサイトの運用に加え、人員増加など将来的にスケールアップする可能性がある社内システムの運用などに適しています。
クラウドのデメリット
デメリットとしては、利用料金が予測しにくいことが挙げられます。従量課金を採用しているクラウドの場合、使った分だけ利用料を支払います。自由度が高い分、実際に必要と思われるスペック以上のCPU、メモリー、ストレージ容量を設定すると、余計な費用がかかることもあります。
そのため、自社のシステムの稼働状況が一定の場合、月額制や年額制を採用しているホスティングのほうが割安となるケースもあります。クラウドでは利用状況を細かくチェックし、最適なスペックを設定するなど運用には注意を払う必要があります。
ホスティングのメリット
ホスティングを利用するメリットとして、予算化しやすい点が挙げられます。従量課金制を採用しているクラウドの場合、シミュレーションである程度は把握できるものの、イレギュラーな利用状況が生じると金額の誤差が大きくなるケースがあります。一方で、月額制や年額制を採用しているホスティングであれば、料金が明確なため予算化が容易です。
ホスティングのデメリット
デメリットとしては、拡張しにくい点が挙げられます。クラウドは管理画面からCPU、メモリー、ストレージ容量の設定を変更することで、簡単にスケールアップ・ダウンできます。ホスティングは契約変更やオプション追加などを行う必要があるなど、クラウドより手間がかかります。
クラウドとホスティングは、サーバーをレンタルする部分に違いはありませんが、提供方式や柔軟性が異なります。それぞれメリットとデメリットが存在するため、自社が実現したい内容により適したサービスを選択するとよいでしょう。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆= NTT西日本
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