覚えておきたいクラウド&データのキホン(第12回) クラウドの種類とは?SaaS、PaaS、IaaSの特徴を紹介

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公開日:2022.03.31

 クラウドの登場とともに、さまざまなWebサービスが生まれました。ビジネスを進めるうえで、いまやクラウドは欠かせないものとなりつつあります。

 身近な存在となったクラウドですが、「クラウドとはそもそも何か」「クラウドにも種類があるが、どう違うのか」「SaaSとPaaSとIaaSは何が異なるのか」「AWSとAzureは何が違うのか」などの疑問を持つ人は多いかもしれません。この記事では、クラウドの基礎や種類、主要サービスを紹介します。

クラウドの特徴

 まずクラウドの定義をおさらいしましょう。内閣官房IT総合戦略室が公開している「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」によると、「事業者などによって定義されたインターフェースを用いた、拡張性、柔軟性を持つ共用可能な物理的または仮想的なリソースにネットワーク経由でアクセスするモデルを通じて提供され、利用者によって自由にリソースの設定・管理が可能なサービスであって、情報セキュリティに関する十分な条件設定の余地があるものをいう」と定義されています。つまり、クラウド事業者が提供している各種サービスを、インターネット経由で利用する仕組みを示します。

 イメージしやすいものとしては、GmailなどのWebメールサービスが挙げられます。Webメールは、インターネット上のアプリケーションを活用したクラウドサービスの例です。

 従来はPC内にあったメールデータやアドレス帳などがクラウド上に保存できるため、職場のPCや手持ちのスマートフォンなど、インターネット環境さえあればメールを確認することができます。

クラウドのメリット

 クラウドとオンプレミスを比較した場合のクラウドのメリットとしてまず挙げられるのが、事前準備や必要機材が少なくて済む点です。オンプレミスであればサーバーの設置場所やネットワーク設定、アプリケーションのインストールなど、さまざまな作業が必要となります。クラウドであれば、利用するための環境は、プライベートクラウドなど特別な環境を除けば、基本的にクラウド事業者が用意しているので、申し込みをすればすぐに使えるようになります。

 また、アクセシビリティが高いのもクラウドのメリットです。インターネットに接続できれば、いつでも、どこからでも必要な情報にアクセスできます。オフィスでも自宅でも、同じデータやアプリケーションを利用できるので、さまざまなワークスタイルを実現でき、従業員の生産性向上も期待できます。

主なクラウドの種類と特徴

SaaS(Software as a Service)
 SaaSは、クラウド上にあるアプリケーションを提供するサービスです。クラウド登場以前のアプリケーションはパッケージやダウンロードなどで配布され、ユーザーは購入してPCにインストールしなければなりませんでした。しかしSaaSであれば、インターネット経由でアプリケーションを利用できるため、ユーザーの利便性は大きく向上しました。

 SaaSのメリットは他にもあります。利用するアプリケーションの管理は、クラウド事業者が行います。新機能追加のためのアップデートや、情報セキュリティ対策などはクラウド事業者側で適宜実施するため、ユーザーは常に最新状態のアプリケーションが利用できます。

 ただし、ユーザーによるカスタマイズは限定されます。ユーザーが望む機能追加や、UIの調整などへの対応は難しく、ユーザー側がアプリケーションに順応していく必要があります。

PaaS(Platform as a Service)
 PaaSは、アプリケーション開発に必要な実行環境を提供するサービスです。

 PaaSでは、アプリケーション開発に必要な環境がすでに用意されています。クラウド事業者がランタイムやデータベースなどを提供するため、ユーザーは開発業務に専念できます。最近ではAI(人工知能)やIoTに対応したPaaSを提供するクラウド事業者もあります。開発環境を構築する負担を減らし、迅速に構築・開発したい場合に利用するのが効果的でしょう。

 ただし、クラウド事業者が用意したプラットフォームのため、利用可能なランタイムやデータベースなどが制限される場合があります。希望する開発環境が整わない場合、後述のIaaSやオンプレミスを検討しましょう。

 IaaS(Infrastructure  as a Service)
 IaaSは、インターネットを経由してインフラを提供するサービスです。インフラとはサーバー、ストレージ、ネットワークなどを示します。

 IaaSを用いることで、ユーザーはサーバースペックやネットワーク構成などを自ら選定・設定できるので、カスタマイズの自由度が高い点が特徴となります。

 既存のオンプレミス環境をIaaSへ移行することも可能です。オンプレミス環境をクラウド上に移行することで、もし自社の近くで災害が起きた場合も、事業を継続・再開しやすくなります。

 IaaSは自由度が高いぶん、OSやミドルウエアのインストールなどは自ら行う必要があります。情報セキュリティ対策も自ら行う必要があるため、一定の専門知識が求められます。

主要なクラウドサービスの紹介

Amazon Web Services
 Amazon Web Services (AWS)は、Amazonが提供するクラウドサービスです。米国の調査会社Synergy Researchの調査によると、2021年第3四半期でAWSは33%のシェアを獲得しており、最も多く利用されているクラウドサービスといえます。2006年7月のサービス開始以降、非常に速いスピードでサービス提供規模を拡大しており、現在は日本を含む25のリージョン(データセンターを配置する地域)を運営しています。

Microsoft Azure
 Microsoft Azureは、Microsoft社が提供するクラウドサービスです。2021年第3四半期のシェアは20%と、AWSに続きシェアNo.2となっています。200以上の製品およびクラウドサービスを用意しています。

Google Cloud Platform
 Google Cloud Platform(GCP)は、Googleが提供するクラウドサービスです。2021年第3四半期のシェアは10%で第3位となっています。日本を含む29のリージョンを運営しています。

まとめ

 クラウドの代表的な3つの形態であるSaaS、PaaS、IaaSについて解説しました。生産性と売り上げを高めつつ、コスト削減に取り組む企業にとって、クラウドの活用は即効性のある投資の1つとして期待できるでしょう。今後もクラウド利用はさらに増えていくと予想されます。自社の課題、ニーズに合った最適なクラウドの導入を検討してはいかがでしょうか。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆= NTT西日本

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