ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
自然の動植物たちとの距離が近い八ヶ岳山麓での生活も3年目、今年も草や木々が一斉に枝葉を伸ばして花を咲かせる季節がやってきた。初夏は緑が目にやさしく、植物たちのエネルギーにあふれる心地いい季節だけれど、私の家の庭の雑草たちもパワーアップがすさまじい。刈っても、刈っても、抜いても、抜いてもたくましく伸びてくる草たち。秋が来るまでは、そんな草との格闘のシーズンでもある。
だけど、自然や近くの人にいろいろなことを教わりながら日々を暮らす中で、雑草に対する私の思い方もちょっとずつ変化をしてきているようで……。
気づけば一面のタンポポ畑に……。さあ、これをどうしよう
除草しても自然の繁殖力には追いつかず、いろいろな雑草が元気に生えている私の家の庭。中でも特に厄介なのは、雑草の代表格・タンポポとスギナだ。
タンポポは驚くほどの繁殖力で、何も手入れをしないと庭一面に広がってしまう。花の時季は黄色の花がきれいだが、それが終わると無数の種がついた綿毛が「パラシュート部隊」となって周辺に飛び散っていく。私の家だけでなく、近所にも拡散することを考えると、放置はできない。
タンポポは、大きい株では根が地中に深さ30㎝以上も伸びていて、根こそぎ引き抜くのがとっても大変。さらに参ってしまうのは、地上に出ている葉や花を取っても弱らず、付け根からたくましく再生することだ。
スギナは早春に胞子茎であるツクシを出すことで知られるトクサの仲間の植物で、ツクシが出たあとに緑色のスギナが伸びてくる。引っ張れば、地上部は簡単に取れるけれど、地下茎が地中深くに埋まっていて、それが少しでも残っているとよみがえってしまう。両方とも根絶させるのが難しい植物だ。
芝生のようにはびこるスギナ。これも除草がかなり厄介
雑草に困っている話を同じく山梨で移住生活をしている友人のわこちゃん(第23回の養蜂の回にも登場)にすると、「雑草をうまく利用しちゃえば?」と言われた。ヨモギが繁茂するわこちゃんの家ではヨモギ餅やヨモギ茶を作って、活用しているそうだ。
調べてみると、タンポポもスギナも古くから生薬として使われているらしい。家にあったハーブの本にも活用法が載っていた。それを参考に、タンポポの花を使って美容クリームを手作りしたり、スギナを干してお茶にしたりしてみた。タンポポのクリームはきれいな黄色で使い心地もなかなか。スギナは紅茶に近い香りで渋みや苦みは少なく、とても飲みやすいお茶に変身した。
雑草が役立つと知ると敵視していた感情が薄らぎ、代わりにいとおしい気持ちが芽生えてきた。さらに、ひたすら根絶させようとしたことを申し訳なく思うようにすらなった。
わが家の庭は雑草がいっぱいだけれど、それは自然の恵みだとも考えられる。「厄介もの」を排除しようとせず、受け入れて共生すれば気持ちが楽になる。この考え方は雑草に対してだけでなく、案外いろいろなことに役立つかもしれないと気づいた。時間ができたら、タンポポの根を掘ってありがたくいただき、コーヒーづくりにも挑戦したいと思う。
ちなみに、わこちゃんの影響で昨年から庭に置いているニホンミツバチの巣には、まだ1匹もハチがやってこない。ミツバチが好む環境ではないのだろうか。こちらはウエルカムでも、ハチに選ばれなければ共生は難しいようだ。
息子のガクがタンポポの花の「収穫」を手伝ってくれた
山野を彩る季節の植物たち 〜ミツバツツジ〜
初夏の山にはいろいろな木々の花が咲くが、その中でも私のイチオシはミツバツツジ。葉が出るよりも先に透明感のあるピンクの花が咲き、周囲の雰囲気を明るくするほどあでやか。花がしぼむ頃に広がる若葉は、淡い緑色が美しい。成長した葉は真っ赤に紅葉して秋の山々を見事に彩るなど、四季折々に目を楽しませてくれる。
名前の通り葉は枝先に3枚セットでつき、成長するとひし形に広がる
執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
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ココロ踊る!山麓生活のススメ