強い会社の着眼点(第1回) 視線が集まるプレゼンテーション

スキルアップ

公開日:2016.09.07

 「プレゼンテーション(プレゼン)がうまくなりたい」。これはビジネスパーソンにとって共通の願いだろう。社外でのプレゼンだけでなく、社内で承認を得るためのプレゼンも仕事を進めるためには重要となる。自分の考えを相手に的確に伝えることは、あらゆるビジネスの成否を決める大きな要素だ。では、具体的にどうすればスキルアップにつながるのだろうか。

押さえておきたい優れたプレゼンのポイント

 改善点を明確にするため、プレゼンを行うに当たって注意すべきポイントを挙げてみよう。

(1)テーマがはっきりしているか
 プレゼンでは中心となるテーマを目立たせることが重要。いくら提案したい事柄が多くても、要素を詰め込み過ぎると、どうしてもメーンテーマが埋もれてしまい、相手の心に届かない。

(2)共感を与える内容か
 聴き手に少しでも「つまらない」「退屈」といった印象を与えたら、そのプレゼンは失敗だ。相手が興味を持っている分野や考え方の傾向を事前にリサーチし、より共感を与える構成を心掛ける。

(3)テンポよく進めているか
 プレゼンには時間制限が設けられているケースが多い。要点を整理してプレゼンを組み立て、テンポよく話す。かといって、時間切れを恐れて早口になってしまうのはNGだ。

(4)資料は分かりやすいか
 配布資料は重要なツールだ。文字が多過ぎたり、グラフや表が細か過ぎたりする資料は聴き手の印象を悪くする。提案内容が十分に理解されないといった結果にもつながりかねない。

(5)オリジナリティーが前面に出せているか
 プレゼン終了後、聴き手の心に残った印象が成否を左右する。魅力ある提案とは、その人ならではのオリジナリティーを持っているものだ。プレゼンに思いを込めて、個性が出るようにするのがコツ。事前に作成した原稿を、棒読みするだけでは相手に響かない。

聴き手の視線を「下」ではなく「前」にする

 プレゼンで何より大切なのは、聴き手に関心を持ってもらう点に尽きる。ここで思い出してほしいのが学校で受けた授業だ。「面白い授業」と「つまらない授業」があったはずだ。

 面白い授業では、生徒の顔は前方、つまり先生を見ているものだ。半面、つまらないといわれる授業の場合、生徒は顔を上げずに下を向いていることが多い。居眠りしている生徒もいるかもしれない。これはプレゼンや会議の場でも同様だ。前を向く聴き手が多いほど、その内容への関心の高さを示している。成功に向けた第一歩は、聴き手の視線を前に集めることにある。

画面へのタッチ、書き込み操作で理解を促進

 プレゼンは通常、ディスプレーにキーワードや図表を表示して行われる。この形式は教室で黒板を使って行う授業と共通点が多い。近年、この黒板にIT技術を活用した大型ディスプレー(電子黒板)の普及が進み、大きな効果を上げている。

 文部科学省委託で内田洋行 教育総合研究所が行った実証実験では、対象校の教員ほぼ100%が、電子黒板に子どもの意欲を高める効果、理解を深める効果があるとの肯定的な回答を寄せた(平成22年3月「電子黒板の活用により得られる学習効果等に関する調査研究」報告書)。これをプレゼンにも応用し、聴き手が思わず前を向いてしまうような仕組みを持たせる試みが進められている。

 具体的には従来の「表示させる」機能に加えて、提案者が文字や数字を「書き込む」機能や、スマートフォンのように画面に触れて拡大・縮小する機能、参加者の端末とオンライン接続して意思疎通を図る機能など、最新のIT技術を生かした製品が発表されている。

 自分の思いをストレートに伝え、聴き手の心を揺さぶるようなプレゼンができれば、成功はおのずと近づいてくる。新時代のプレゼンは、ICTを活用して、聴き手の視線を「下」ではなく「前」にする“動きのある提案”を考慮するとよいだろう。

執筆=林 達哉

【MT】

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