強い会社の着眼点(第16回) 業界別に考える!ビジネスチャットうまい活用

脅威・サイバー攻撃 IT・テクノロジー

公開日:2022.12.21

 現在、ビジネスにおけるコミュニケーションツールの主役となっているEメール。しかし、テレワーク・リモートワークの浸透などを始めとした仕事環境の変化に伴い受信数が多くなることで、見逃しやレスポンスが遅くなるケースも増えている。そこで注目されているのがビジネスチャット。特定の相手やグループとやりとりが可能で、Eメールよりも気軽にメッセージを送ることができる。そのメリットやポイントについて実際にどんな使われ方をしているのか、医療、建設、教育という3つの業界を例に見てみよう。

素早く確実に情報を伝達し"ヒヤリハット"を回避

 ビジネスチャットのメリットの1つが素早く確実に情報が伝達できる点だ。ちょっとした連絡漏れが大きなミスにつながる医療や介護の業界では、心強いコミュニケーションツールとしてビジネスチャットが利用されている。

 医療現場にいる医療従事者は何人もの患者を担当していて情報が混乱するケースもある。しかし、ビジネスチャットであればいつでもメッセージを読み直すことができるだけでなく、重要なメッセージを一覧で表示できる機能がある場合、これらを利用して伝達ミスや見落としを防ぐことができる。またチャットのトークルームなどを作成する時に既読表示をオンに設定しておくことで、グループに入っている職員がメッセージを読んだかどうかが確認でき、電話や口頭での伝達にありがちな「言った」「聞いていない」といったトラブルを回避することができる。

 さらに、医療現場でやりとりされる患者の情報はプライバシーへの配慮が不可欠だが、特定の管理者がユーザー登録を管理するセキュアなビジネスチャットであれば部外者への情報漏えいを未然に防ぐことも可能だ。医療現場にとっては安心して利用できる大きなポイントだろう。

異なる場所で情報を共有して現場業務の見える化を

 ビジネスチャットは、時間や空間を超えてスムーズに情報が共有できることも大きなメリットだ。例えば、建設業界のように現場と内勤という異なる従業員が働いている場合でも、スムーズな情報共有が可能になる。

 ビジネスチャットのトーク機能によって、現場従事者はスマホで現場の状況を報告できて、内勤スタッフからの連絡もスマホで受けられる。電話で話ができない建設現場でもタイムリーに連絡が取り合えるようになる。またビジネスチャットを使うことで、現場の業務の見える化も実現する。口頭で指示していた業務内容をチャットで伝えることで伝達ミスを減らせると同時に、個人単位で業務を振り分けることで、業務内容が見える化できるようになる。タスク管理機能があれば進捗管理も可能だ。

 メンション機能があるビジネスチャットでは相手を特定して情報を届けることができる。誰に宛てたメッセージかわからないことによるコミュニケーションエラーの発生を回避することができる。それぞれが役割分担をしている建設現場では効果的だ。

スムーズな日程調整やつながりの強化に

 ビジネスチャットのメリットをここまで紹介してきたが、そのさらなる利点はグループごとに情報を共有できることだ。アンケート機能を搭載したビジネスチャットであれば、日程調整などにも利用できる。例えば、授業やホームルーム、放課後のクラブ活動などの日々の業務に追われて、会議や打ち合わせの日程調整が難しい教育現場では便利な機能として使われている。

 資料管理の面でもビジネスチャットは威力を発揮する。教育現場では生徒や保護者に配布する資料が多く業務上必要な資料もある。ビジネスチャット上で資料や写真を配信しておけば、後から探し出して見返すことができ、ファイル管理ツールとしても活用することができるのである。また、チャットルームは教師と生徒とのつながりの場としての可能性も秘めている。生徒はいつでもチャットルームで教師に質問や相談を投げかけることができ、必要があれば1対1でのトークもできる。メッセージを読んだかどうかの確認もできて、ファイルの添付や閲覧も可能なので、密なコミュニケーションが実現できる。

執筆=高橋 秀典

【MT】

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