出張で楽しみたいおひとり様グルメ(第61回) 丸の内でテークアウト!東京會舘「ビストロワゴン」

雑学

公開日:2021.05.25

 ライブやイベントなどで活躍するキッチンカーを、近頃はオフィス街でもよく見かけるようになりました。温かいご飯が食べたいという欲求と、貴重な昼休憩を移動時間に取られたくないというオフィスワーカーの気持ちにうまくフィットするのか、企業の側からキッチンカーの出店を要望されるケースも少なくないようです。

 さて、東京・丸の内にはどんなキッチンカーが出店しているのだろうと興味本位で検索したところ、あの「東京會舘」が運営しているキッチンカーがあると知りました。東京會舘といえば、皇居前にあって最大2000名も収容可能なバンケットホールを有し、国内外問わず各界の名士を開業から今日まで多く迎えている、名実とも東京を代表する社交場です。

 もちろん、レストランの味は折り紙つきです。それがキッチンカーでいただけるというのですから行かない理由がありません。早速、丸の内へと出かけてみました。

 丸の内は3度目の緊急事態宣言中、しかも、あいにくの雨です。普段は丸の内仲通りを中心に日替わりで移動しているそうですが、事前に確認すると、東京會舘本舘1Fの車寄せで営業しているとのこと。そこで、地下通路を使って向かうことにしました。東京會舘や東京商工会議所が入る「丸の内二重橋ビル」は地下出入り口に直結していて、周辺の日比谷駅、二重橋前<丸の内>駅、有楽町駅、そして東京駅からも雨に濡れることなく移動ができます。

この日は、東京會舘の正面入口にある生け垣の脇で営業中でした

 

気軽に楽しめる東京會舘の「ビストロワゴン」

 キッチンカー“ビストロワゴン”は、東京會舘のテーマカラー(紫色)を帯びた深みのある色の車体をしています。この日は広い車寄せで営業しているため、車での来客があればドライブスルーのように対応できますよ、とスタッフ。

週替わりのメニューは、ビストロワゴン近くの立て看板で確認を

 

 メニューは、「フレンチ」をベースとして、週替わりの具材を入れた「東京會舘カレー」(1100円)とビストロ煮込みごはん(1000円)の2種類です。加えて、カレーのトッピングやスープ(200円)が追加できます。営業時間は11時からで、カレーも煮込みソースも無くなり次第終了。営業場所やその日のメニューはインスタグラムでチェックするのが確実です。

都内を走るキッチンカーの中でも結構オシャレなデザイン

 

期待以上で、胸踊るランチボックス

 メニューの1つ「東京會舘カレー」は欧風カレーで、毎日30食限定です。本舘の味をお値打ち価格でいただけるとあって、好評です。バンケットやレストランの手配で東京會舘をよく利用するものの、実際に料理を口にする機会がなかったと秘書室の方が買い求めに来ることもあるそうです。

 それでは、早速いただいてみましょう。この日の具材は「ホウレンソウ」。スプーンでソースをすくうと、ホウレンソウがどっさりと現れました。

底の深いランチボックスにカレーソースがたっぷり

 

 日々の具材は変わりますが、基本は欧風カレー。玉ねぎを細かく刻んでいためて甘みを引き出し、スパイスと特製ブイヨンを加えて煮込み、完成までに3日もかけた逸品です。一口食べてみると、濃厚なコクとまろやかで優しい甘さを感じます。ビストロワゴンのカレーは量も十分。とろみのあるソースはライスとの相性もよく、食べ進めるとお腹いっぱいの満足感が味わえます。

コクがあるソースが具材と絡まりおいしさのハーモニーが広がる

 

 ランチボックスを開けた際に華やかな心地がするのは、カレーに添えられた副菜の彩りの良さからでしょう。5種類の副菜は色合いだけでなく、1つひとつ異なる味わいや食感が楽しめる工夫があり、さすが東京會舘のキッチンカーと言いたくなります。品のある牛スジのアスピックを見つけた時には、おぉっと、少し驚かされました。アスピックとは、肉や魚を煮たブイヨンをゼリー状に固めた煮こごりです。

テークアウトのランチボックスで驚いた、ゼリー状のアスピック

 

 副菜の1つ「人参のラペ」は、粒マスタードをアクセントにマリネされたニンジンがサクサクとし、とてもよい歯ごたえです。「白身魚のエスカベッシュ」のほうは、ほどよい酸味の白身魚が爽やかに感じます。

梅雨時には、この軽やかな食感とサッパリとした酸味がうれしい

 

 シャキシャキで量もたっぷりの「インゲンのマリネ」は箸休めに最適ですし、野菜が入ったフランスのデリ「ケークサレ」は、甘くないのでソースにつけて食べてもよさそうです。いずれも食べやすく、おいしくいただけました。

 追加のスープも紹介しましょう。この日は、チキンブイヨンベースの野菜スープ。かき混ぜると卵とベーコン、粒のしっかりしたとうもろこしが、想像を超える量で入っていて、これぞ具だくさん!といった貫禄です。

200円プラスした甲斐のある、具だくさんスープ

 

カレーと煮込みごはん、どちらもおすすめ

 もう1つのランチメニュー「ビストロ煮込みごはん」は、フランスのおふくろの味、「チキンフリカッセ」(1000円)でした。

週によって煮込みの内容が変わるため、知らない味に出会う楽しみがある

 

 鶏肉を生クリームと白ワイン、チキンブイヨンで煮込んだこの料理は、立食パーティでも人気のメニューだといいます。たっぷりのホワイトソースと大きくカットされたチキンがライスに乗っています。ビストロワゴンの煮込みごはんは、バターライスに濃厚なソースをかけたオン・ザ・ライススタイル。テークアウトですから、ここは人の目を気にせずライスといっしょに具材を頬張りましょう。レストランでは味わえないうまさが口いっぱいに楽しめます。

万人を楽しませる社交の殿堂

 “世界に誇る施設ながら、誰でも気軽に利用できる民衆のための社交場”として誕生した東京會舘は、来年でちょうど100周年を迎えます。「NEWCLASSICS./新しくて伝統的」を事業コンセプトに掲げて新たなレストランの形を提供したいと、コロナ禍前から100周年に向けて準備を進めていた企画の1つが、ビストロワゴンでした。「敷居の高さを感じてレストランに来舘できないという声があり、そうした方にも、東京會舘の味にぜひ触れてほしい、知ってほしいという気持ちが始まりでした」とスタッフ。

雨の日もあれば晴れの日もある。丸の内で新しい風を感じて

 

 さらにコロナ禍で、レストランに出向けなくて残念だというお客さまの声が次第に寄せられるようになりました。「お客さまが来られないなら、私たちが出向こう」と2020年12月、沈みがちな街に明かりをともすべく企画を前倒しして、ビストロワゴンはスタートしたそうです。

 テークアウト後はホテルに戻って食事をするもよし、丸の内仲通りや東京国際フォーラムなどのオープンスペースで食事をするもよし、ランチボックスを開きながら今の東京を感じてみてください。きっと、丸の内の新しい風を感じられるのではないでしょうか。

※文中にある金額はすべて税込み価格です
※掲載している情報は、記事執筆時点(2021年5月)のものです

[BISTRO WAGON by TOKYO KAIKAN(キッチンカー)] 
東京都千代田区丸の内3-2-1 東京會舘 本舘
03-3215-2111(代表)
営業場所は、丸ビル前、新国際ビル前など丸の内仲通り周辺。
インスタグラムで状況確認をして訪れてください。

◆東京會舘 本舘:JR京葉線「東京駅」6番出口より徒歩3分
◆営業時間 ランチ11:00-14:00 *ただし売り切れ次第終了
◆定休日/土日祝日
(※イベント時には出店。都の条例に合わせ変更となる可能性があります) 

◆webサイト
https://www.kaikan.co.jp/restaurant/bistro-wagon/
◆instagram
https://www.instagram.com/bistrowagon_by_tokyokaikan/

【T】

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