覚えておきたいクラウド&データのキホン(第27回) 法人向けクラウドストレージを選ぶ際のポイントを解説

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公開日:2022.09.30

 クラウドストレージとは、クラウドサーバー上にデータを保存することができるサービスのことで、オンラインストレージとも呼ばれます。個人向けと法人向けに多くのクラウドストレージが提供されています。近年は法人向けのクラウドストレージが、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策や保守管理の負担軽減、テレワークとの親和性など、さまざまなメリットが得られるとして注目を集めるようになりました。そこで本記事では、法人向けのクラウドストレージの特徴や活用メリット、選び方などについて紹介します。

<目次>
・法人向けクラウドストレージと個人向けクラウドストレージの違い
・企業が法人向けクラウドストレージを利用するメリット
・法人向けクラウドストレージの選び方
・法人向けクラウドストレージ選びに困ったら
・まとめ

法人向けクラウドストレージと個人向けクラウドストレージの違い

 クラウドストレージはさまざまな事業者から提供されていますが、法人向けと個人向けの2つに大別できます。共通の特徴としては「インターネットに接続できる環境さえあれば、場所を問わずデータにアクセスして閲覧や編集ができる」「データはクラウドサーバー上に保存されるため、パソコンなどの端末が故障してもデータが守られる」などが挙げられます。では、個人向けと法人向け、それぞれの特徴はどういったものになるのでしょうか。

個人向けクラウドストレージの特徴
 個人向けクラウドストレージは、初期費用や月額費用が安価に設定されているケースが多いです。GoogleドライブやiCloudなどが代表的で、プライベートな写真や動画の保存場所として利用している人も多いのではないでしょうか。しかし、個人向けクラウドストレージは安価なぶん、保存可能なデータ容量が法人向けと比べると少なく設定されている場合があります。例えばGoogleドライブの場合、15GBまでは無料で、15GBを超えると有料になります(2022年8月31日時点)。また、個人向けクラウドストレージは複数人での利用を想定しておらず、ファイル共有機能などが用意されていない場合もあります。

法人向けクラウドストレージの特徴
 法人向けクラウドストレージは、ファイル共有機能や複数人での同時アクセス機能など、ビジネスシーンで活用できるさまざまな機能が用意されています。また、保存可能なデータ容量が個人向けより多く、機能も豊富に用意される傾向のため、高価になる可能性があります。

企業が法人向けクラウドストレージを利用するメリット

メリット1:BCP対策に効果的
 企業がクラウドストレージを利用するメリットとしてまず挙げられるのは、災害時に備えたデータのバックアップができる点です。クラウドストレージはBCPを策定・実践する上で有効な選択肢として注目されています。

 企業にとって重要な情報資産を守る方法の1つとして、データのバックアップが挙げられます。そのために、外付けストレージやNAS(Network Attached Storage:ネットワーク上に接続できるストレージ)にデータをバックアップしている企業もあるでしょう。しかし、それらの機器を自社内に設置している場合、自社が災害に遭った際にデータも消失する可能性があり、十分なBCP対策とは言えません。

 クラウドストレージであれば、自社内ではなくクラウド上にデータを保存するため、BCP対策に効果的です。バックアップデータはもちろん、事業継続に不可欠な災害対策フローやマニュアル、従業員連絡先などもクラウドストレージに保存しておけば、災害時にデータが失われる可能性が抑えられ、かつインターネットに接続できる環境であれば場所を問わずデータにアクセスできるため、早期復旧が期待できます。

メリット2:保守管理の負担軽減が期待できる
 クラウドストレージを利用するメリットには、データの保守管理の負担軽減という側面もあります。自社内にファイルサーバーを設置して運用する場合、設置場所を確保しなければなりませんし、保守管理を行う管理者も必要です。自社の人材を兼務させると、本来業務が滞る可能性があります。また、メンテナンスや緊急時の対応などでは管理者の負担が大きくなりがちです。しかし、法人向けクラウドストレージであれば、クラウドサーバーの保守管理は事業者側が行うため、人材を割く必要がなくなります。

メリット3:テレワークとの親和性が高い
 働き方改革やコロナ禍の影響によって、オフィス以外の場所で働くテレワークが普及しています。外出先や自宅から自社内のファイルサーバーへアクセスする場合は、情報漏えいやハッキングなどのリスクを考慮し、さまざまな情報セキュリティを確保するためにツールを導入したり、端末ごとの個別設定が必要になったりします。しかし、クラウドストレージを利用すれば情報セキュリティに配慮しながら、オフィス以外の場所からリモートでアクセスできます。

 クラウドストレージはインターネットに接続していればアクセス可能で、オンライン上にあるストレージに書類や画像などのファイルをアップロードすることで、任意の相手と簡単に共有することができます。メールを利用せずファイル共有できるので、最近課題となることの多い「どのようにセキュリティを確保してファイルを共有するか」という点をクリアできます。他の従業員と手軽にデータを共有した上で、編集することも可能です。このようにクラウドストレージは、テレワークとの親和性が高いサービスと言えます。

法人向けクラウドストレージの選び方

ポイント1:自社に必要な機能が搭載されているか
 クラウドストレージは事業者によって機能が異なるため、選ぶときにまず確認しておきたいのは、自社に必要な機能が搭載されているかどうかという点です。例えばパソコン、スマートフォンやタブレットなど複数のデバイスに対応しているか、何人までアクセスすることが可能かはチェックしておきたいところです。また、Microsoft Officeを利用している企業であれば、Microsoft 365とリンクしているかなど、利用している業務アプリと連携できるかも確認しましょう。さらに、どこまで自社向けにカスタマイズ可能かを確かめることも大切です。

ポイント2:データ容量は十分か
 あらかじめ使用するデータ容量を見積もっておかないと、業務状況や利用者数の増加により、使用できるデータ容量が枯渇する可能性があります。データ容量が足りなくなるたびにクラウドストレージのプラン変更を行うのは、時間も手間もかかります。逆に、必要以上にデータ容量の多いプランを契約すると、費用の無駄になります。現状のデータ利用量をもとに、必要なデータ容量を見積もることは欠かせません。それでも突発的なデータ量の増減が発生する可能性もあるため、なるべく手間をかけずにデータ容量を増減できるかもチェックしておきましょう。

ポイント3:初期費用・月額費用は適切か
 クラウドストレージを導入するにあたって初期費用がどの程度発生するのか、月額費用はいくらかかるのかを確認しましょう。無料プラン、ビジネスプラン、プレミアムプランなど複数のプランが用意されていることがあり、機能の充実度によって価格は異なります。データ容量の増加オプションなど、将来的に使う可能性のあるオプション費用についてもチェックが必要です。

ポイント4:情報セキュリティ体制は十分か
 クラウドストレージはインターネットを利用することから、ローカルストレージと比較してより一層、情報セキュリティ体制に配慮する必要があります。サイバー攻撃による情報漏えい対策やバックアップ体制など、どのような情報セキュリティ体制を用意しているのかについて確認しましょう。

ポイント5:サポート体制は万全か
 予期せぬトラブルが発生したときのことを考えて、事業者のサポート体制もチェックすべきポイントです。メールやチャットなどオンラインのみの対応なのか、電話サポートも受け付けているのかは必ず確認しましょう。さらに24時間365日対応など、迅速なサポート体制があればより安心です。

法人向けクラウドストレージ選びに困ったら

 法人向けクラウドストレージを検討している場合は、NTT西日本の「おまかせクラウドストレージ」を使うという手があります。

 主に2つの特長があり、1つ目は、使いやすい操作性です。社内のファイルサーバーやローカルのデスクトップ環境と同様のフォルダ構成を操作する感覚で利用できます。

 2つ目は、スムーズなデータ共有です。社内の従業員同士で共有できるフォルダ、個人用のフォルダに加えて、外部と共有できるプロジェクトフォルダが用意されています。フォルダへのリンクを発行するか、プロジェクトのメンバーとして招待することで、社外の取引先や協力会社とも簡単にデータが共有できます。また、プロジェクトフォルダ内のデータはプレビューのみ、ダウンロード/アップロード可否の選択や有効期限など、柔軟な設定が行えます。

※おまかせクラウドストレージのご契約には、NTT 西日本が提供する「フレッツ光」等の契約が、最低1契約必要です

まとめ

 法人向けクラウドストレージには、BCP対策、保守管理の軽減、テレワークとの親和性など、さまざまなメリットがあります。導入する際は、自社の業務内容や必要となるデータ容量などをきちんと把握することが重要です。さまざまなクラウドストレージが提供されているので、費用や情報セキュリティ体制、サポート体制などをチェックしながら、自社に合ったものを選びましょう。

※「Microsoft Teams」はMicrosoft Corporationの商標または登録商標です
※「Microsoft 365」はMicrosoft Corporationの商標または登録商標です

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆= NTT西日本

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