ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
企業の膨大なデータを保管するために、クラウド上のデータ格納スペース「クラウドストレージ」(オンラインストレージ)の利用が進みつつあります。
とはいえ、ITに詳しくない人は、「クラウドストレージはどのように使用すればよいのか」「クラウドにデータを保存しても、情報セキュリティ的に問題ないのか」「どのようなクラウドストレージを選べばよいのか」と、導入に二の足を踏んでいるかもしれません。
本記事では、クラウドストレージの意味や活用方法について紹介します。
ストレージとは、データを長期間にわたり保管するための補助記憶装置です。よく知られているものにハードディスクやUSBメモリー、DVD、CDなどがあります。昨今では、PCやスマートフォンなどで、内部保存領域(内部ストレージ)と外部保存領域(SDカードなど)に分かれており、データ保存の目的や用途に応じたストレージの拡張がしやすくなっています。
クラウドストレージはストレージの一種で、インターネット上のサーバーにデータを保管するクラウドサービスのことです。オンラインストレージやファイル・ホスティングと呼ばれることもありますが、クラウドコンピューティングというワードが一般的になったことで、クラウドストレージという呼び方が定着しています。
クラウドストレージには、個人用途での無料サービスとビジネスユースで保存容量や情報セキュリティ機能などを強化した有料サービスがあります。
ビジネスユースの場合、社内のユーザーごとに個別IDとパスワードが与えられ、通常は社外の第三者とのファイル共有はできないようになっています。ただし、必要に応じてファイルごとでのアクセス権限を設定できるため、特定のユーザーに公開や共有できるのも特徴です。
クラウドストレージを導入する場合、選定に当たっては、以下3つについて検討しましょう。
サービスの費用
クラウドストレージは、利用するサービスによって料金が異なります。社内で利用するユーザー数が多いほど、また保管するデータ容量が大容量になるほど、料金も高くなる傾向にあります。
データの最大容量
クラウドストレージの中には、1ユーザー当たりのアップロード容量に上限を設けている場合があります。ファイルサイズが大きくなりがちな動画や音声データなどをクラウドストレージに保管する場合、すぐに上限に達してしまう恐れがあります。中にはデータ容量の追加が可能なサービスもありますが、その多くは有料となります。
情報セキュリティ
クラウドストレージでは、アカウントごとの権限設定やグループ管理の機能など、情報セキュリティ対策が細かく設定しやすいものを選びましょう。機密情報が記載されたファイルは、アクセスできる従業員の数を絞ることで、情報漏えいのリスクを軽減できます。
クラウドストレージが実際に企業の中でどのように活用されているのか、シーン別に紹介します。
オフィス内
「オフィスが1カ所なら、クラウドストレージではなく物理的ストレージでも問題ない」と考える人もいるかもしれません。しかしクラウドストレージは、社外の取引先とデータのやり取りをする場合にも活用できます。クラウドストレージ内にプロジェクト用のフォルダを作成することで、社外の人ともデータ共有が可能になります。相手側からファイルの追加や更新も可能になります。
本社や支社、営業所ごとにデータ管理がバラバラになっている場合は、クラウドストレージの導入により企業のデータ管理を統一することで、必要なデータを探しやすくなり、生産性の向上が期待できます。
作業現場や営業先
クラウドストレージを利用すれば、PCが使えない環境でもタブレットやスマートフォンで簡単にアクセスできます。
例えば建設業の作業現場で社内ファイルを閲覧したいとき、従来であれば事務所に戻って確認していたかもしれませんが、クラウドストレージであれば社外でもファイルにアクセスできるため、事務所に戻る手間はありません。
営業先に資料を持参するのを忘れた場合も同様に、外出先からクラウドストレージにアクセスすれば社内のファイルサーバーから必要な書類を閲覧することできます。
USBメモリーやSDカードなど、物理的な記憶媒体を持ち歩く手段もありますが、社内情報を持ち運ぶと、移動中に紛失したり盗難に遭ったりするリスクがあります。そういったリスクを回避する場合にも、クラウドストレージは有効です。
クラウドストレージを使うことで、物理的ストレージを使う必要がなくなります。それだけでなく、ファイルをクラウド上に一元管理することで、社内外を問わず、ビジネスシーンの幅広い場面での活用が期待できます。
クラウドストレージはサービスごとに料金プラン・データ容量・サービス内容が異なります。まだ使っていないという企業は、自社の用途にあわせたクラウドストレージの導入をおすすめします。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆= NTT西日本
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