ニューノーマル処方箋(第80回) 迷惑メールが大量に届く原因と対処法とは

ネットワークセキュリティ 脅威・サイバー攻撃

公開日:2025.11.11

 知らない相手からのメールや不要な広告宣伝メール、登録した覚えがないWebサイトなどからメールが届くことはありませんか?こうしたメールを迷惑メールと呼び、受け取る人の意思に関わらず、一方的に送信されます。その他にも、迷惑メールにはネットショッピングサイトや宅配サービスを装ったメールなど、さまざまな種類が存在します。メールは昼夜問わず届き、受信者に不快感を与えるなど社会問題となっています。今回は迷惑メールが大量に届く原因と受信拒否の設定、迷惑メールを受信した際の対処方法をご紹介します。

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迷惑メール、標的型攻撃メールって?

 冒頭でもお伝えしましたが、迷惑メールとは受け取る人の意思に関わらず、一方的に送り付けられるメールのことです。いくつか種類があり、大きく分類すると「ウイルスメール」「フィッシングメール」「スパムメール」「標的型攻撃メール」があります。

・ウイルスメール

 メールに添付したファイルやメール本文中に記載したURLへのアクセスを誘引し、コンピューターウイルスに感染させることを目的としたメールです。ウイルスに感染することでパソコンが乗っ取られ、気が付かないうちに受信者が連絡先に登録しているメールアドレスに、ウイルスメールを送ってしまう可能性があります。また、第三者に遠隔で操作されたり、パソコン内の情報を盗まれたりします。

・フィッシングメール

 悪意がある第三者から、正規の金融機関やクレジットカード会社等を装って送られるメールです。公式サイトを模倣した偽サイトを作成し、あたかも正規のサイトであるようにメールで誘導して、クレジット番号やユーザーID・パスワードなどの情報を盗み出し、金銭的な被害を発生させます。

・スパムメール

 同じような内容のメールが何度も繰り返し送られるメールです。大半は広告や宣伝が目的ですが、その中には添付ファイルやURLをクリックすることでコンピューターウイルスに感染させたり悪質なサイトへの誘導を促したりすることがあります。

・標的型攻撃メール

 「ウイルスメール」「フィッシングメール」「スパムメール」は無差別に送るメールですが、「標的型攻撃メール」は特定の組織や人をターゲットとしたメールです。件名や文章、アドレスなどを巧妙に作り込み、受信者に関係するメールと思わせることでクリックを誘引し、会社の機密情報の抜き取りや、口座番号やカード番号などの個人情報の抜き取り、遠隔操作、サイバー攻撃を目的としています。

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なぜ迷惑メールが届く?どんな場合に届きやすい?

 以下のような特徴にあてはまる場合は注意が必要です。

・懸賞やポイントのサイト、ならびにショッピングやサービスの申し込みなど、サイトへのアクセスやメールアドレスを登録した際にメール受信を「受け取る」に設定しており、運営会社が不明なサイトを利用している
・名前など、英単語を組み合わせただけの短くて単純なわかりやすいメールアドレスのため、第三者がランダムにメールアドレスを生成しやすくなっている
・SNSやブログなどでメールアドレスを公開している
・メールに記載されたアドレス(URL)を安易にクリックしたり、心当たりのない不審なメールや添付ファイルを開いたり、メールに返信をしている

迷惑メールを受信したときの対処方法

 メールソフトの迷惑メール対策機能やセキュリティー対策ソフト、ならびにプロバイダーや携帯事業者が提供する迷惑メール対策サービスを利用することで、受信トレイに届くメールを管理することが可能になります。

・迷惑メールの一般的な対処方法

①メールソフトの迷惑対策機能を利用する
 メールソフトの迷惑対策機能を利用することで、送信者のメールアドレスそのものやドメインなどの各種の条件ごとに受信する対象を設定することができます。ドメインとはメールアドレスが「□□□@△△△.com」とすると「△△△.com」にあたる部分です。

 例えば、「□□□@△△△.com」から送信されるメールを受信拒否したい場合は、「□□□@△△△.com」を指定して拒否設定します。また、「△△△.com」のドメインを含むメールアドレスから送信されるすべてのメールを受信拒否したい場合には、「△△△.com」のドメインを拒否設定することで受信しないような設定が可能です。

 なお、「△△△.com」のドメインを拒否設定した場合、友人や知人からのメールであってもドメインを含むすべてのメールが届かなくなってしまうので、この点は注意が必要です。

②セキュリティー対策ソフトの迷惑メール防止機能を利用する
 セキュリティー対策ソフトには、さまざまな機能が搭載されています。ご利用のセキュリティー対策ソフトに迷惑メール対策機能が搭載されている場合は、セキュリティー対策ソフトの機能を利用して迷惑メールを防止することができます。セキュリティーや設定方法はご利用のセキュリティー対策ソフトによって異なりますので、サポートサイトやマニュアルをチェックしてみてください。

③契約しているプロバイダーの迷惑メール対策サービスを利用する
 契約しているプロバイダーによっては、独自の迷惑メール対策のサービスを有料または無料で提供している場合があります。

 迷惑メール対策のサービスを利用することで、メール受信時に迷惑メールの可能性があるものを検知し、プロバイダーのサーバー上で隔離してくれるものもあります。ただ、プロバイダーによって提供されているサービスの内容は異なるため、ご契約中のプロバイダーの公式サイトなどでどのようなサービスを提供しているかを確認してみてください。

④メールアドレスを変更する
 上記の対処方法をお試しいただいても、迷惑メールの受信を拒否できない場合は、メールアドレスを変更するという方法があります。

 ただし、メールアドレスを変更すると、新しいメールアドレスを友人・知人に連絡したり、利用しているショッピングサイトや会員サイトなどの登録情報を変更したりする必要があります。メールアドレスを変更する方法や、メールアドレスを変更した後の手続きや注意点については、ご利用のメールアカウントの提供元へ相談してください。

迷惑メールの被害を防ぐには

 迷惑メールだけでなく普段インターネットを利用するうえでの注意点として、次のようなポイントがあります。

・メールに記載されたアドレス(URL)を安易にクリックしたり、返信したりしない

 迷惑メールの中には友人や知人を装って「メールアドレスを変更しました」といった内容、または「請求書送付のお知らせ」・「懸賞に当選したので確認してください」など、見覚えのある金融機関や大手フリーマーケットやショッピングサイト・懸賞サイトを装ったメールが届くことがあります。

 また、宅配業者からの不在通知を装って氏名・住所・電話番号の入力を促すSMS(ショートメッセージ)や、セキュリティー強化・本人性確認の認証目的と偽ってURLを紹介し、ログイン情報やクレジットカード・口座情報を抜き取るなど、迷惑メールの内容も日々巧妙化しています。

<参考>よくあるご質問と相談事例(一般財団法人 日本データ通信協会〔外部サイト〕)

 迷惑メールと思えない内容でも、むやみに添付ファイルを開いたり、URLのクリックや返信を行ったりしないよう注意してください。

・メールアドレスの公開・登録は信頼できるWebサイトでのみ行う

 不特定多数の人が閲覧するインターネット上の掲示板や、運営会社が不明な登録制サイトなど、個人情報収集を目的としたWebサイトに安易にメールアドレスを登録してしまうと、収集された個人情報を元に迷惑メールが送信されるきっかけになってしまうことがあります。そのため、メールアドレスを公開する場合は、利用頻度が高く、信頼できるWebサイトのみで行うようにしましょう。

 また、登録した覚えのないメールマガジンの登録を解除する際、「メールが不要な方はこちらへ」と記載されたURLやメールアドレスをクリックしたことでさらに迷惑メールが届いてしまう場合があります。その場合はメール上のURLを経由せず、信頼できる公式サイトのトップページにアクセスし、サポート窓口に確認・相談したうえで手続きを行ってください。併せて、お手持ちのパソコンやスマートフォン、タブレットには信用できるコンピューターウイルス対策・セキュリティー対策ソフトやアプリを導入し、常に最新の状態へのアップデートを心がけましょう。

まとめ

 さまざまな種類の迷惑メールや、対策方法をご紹介しましたが、迷惑メールを放置しておくことで、誤ってウイルス付きの添付ファイルや悪質なサイトに誘導するURLをクリックしてしまうリスクがあります。個人情報や、会社の機密情報の流出などの被害を受ける前に迷惑メールの受信拒否と対処を行い、大切なメールが埋もれてしまわないようにしましょう!

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=Biz Clip編集部

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