ニューノーマル処方箋(第45回) オフィスソフトは「買い切り型/クラウド型」どっちを選ぶ?

業務課題 クラウド・共有デジタル化

公開日:2024.06.28

<目次>

・オフィスソフトは買い切りにすべき?クラウドにすべき?

・クラウド型なら、常に最新のバージョンを利用できる

・一度に支払う?少額を小刻みに支払う?

・複数ユーザーでファイルを共同編集。データ紛失の恐れもナシ

・多くのメリットがあるクラウド型オフィスソフト

オフィスソフトは買い切りにすべき?クラウドにすべき?

 ビジネスシーンでは、文書作成ソフトや表計算ソフト、プレゼンテーション資料作成用ソフトやメールソフトなど、さまざまなソフトウエアを使用します。これらのソフトを1つにまとめた「オフィスソフト」も存在し、ひと昔前までは店頭でパッケージ版を購入し、従業員それぞれの端末にインストールするのが一般的でした。

 しかし最近では、オフィスソフトを買い切るのではなく、利用した期間だけ料金を支払う、クラウド型オフィスソフトも登場しています。

  "買い切り型"のオフィスソフトと、使った分だけ支払うサブスクリプションタイプの"クラウド型"オフィスソフトにはどのような違いがあり、どちらを選ぶのが良いのでしょうか? 両者のメリット・デメリットを比較します。

クラウド型なら、常に最新のバージョンを利用できる

 買い切り型、クラウド型ともに、文書作成ソフトや表計算ソフトといったソフトウエアを使用できる点は共通しています。しかしクラウド型は、常に最新のバージョンのソフトウエアを使用できるというメリットが存在します。

 一般的にソフトウエアは定期的なリニューアルを行い、その都度機能や不具合をアップデートしますが、クラウド型オフィスソフトは常に最新のバージョンを提供する仕組みになっています。

 買い切り型オフィスソフトにも、アップデートに対応したものが存在しますが、不具合の修正のみ行うものが一般的で、場合によってはサポートが数年でストップし、アップデートができなくなるケースもあります。

 オフィスソフトのアップデートは機能や不具合に限らず、セキュリティ面の更新が行われることもあります。もし買い切り型オフィスソフトのサポートが終了していた場合、セキュリティに不安を抱えたままソフトを使用し続けることになり、非常に危険です。セキュリティの穴を何者かに狙われ、ビジネスにおける重要なファイルが盗み取られる可能性もあります。

一度に支払う?少額を小刻みに支払う?

 それでは、コスト面ではどうでしょうか。買い切り型の場合、支払いは一度であり、クラウド型は月単位、もしくは年単位の支払いとなります。支払いの頻度という点では、買い切り型の方がシンプルです。

 しかし、買い切り型の場合、比較的高めの金額を一度に支払うことになります。ソフトにもよりますが、買い切り型は1本あたり4~5万円という商品もあります。さらにいえば、買い切り型はインストールできる端末が1台、多くても2台に限られるといったケースが多く、それ以上の台数にインストールすることは禁止されています。

 一方クラウド型の場合、初期費用は買い切り型よりも安価です。年間で1万円程度のものもあれば、月額数百円で利用できるものあります。加えて、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンなど複数の端末へのインストールが許可されているものも少なくありません。

複数ユーザーでファイルを共同編集。データ紛失の恐れもナシ

 ここまで、アップデートやコストの面で、クラウド型オフィスソフトの特徴を紹介してきましたが、クラウド型にはさらなるメリットも存在します。その1つが機能面です。クラウド型オフィスソフトはインターネットに接続して利用することが前提のため、ネットに特化したアプリが搭載されているという特徴があります。Web会議ツールやビジネスチャット、クラウドストレージなどの機能を有しているものも存在します。

 クラウド型オフィスソフトはファイルの共有も簡単にできます。従来はファイルをメンバーにメールなどで送信し、共同編集する場合はそれぞれが編集したファイルを返送してもらい、マージ(ひとまとめに)する必要がありました。

 しかしクラウド型オフィスソフトの共同編集機能を使えば、他のメンバーと同時に、同一ファイルの編集が可能になります。変更点もリアルタイムに反映されるため、業務スピードの向上を期待できます。クラウドストレージを使用すれば、メールでは添付しづらい大容量のファイルも他のユーザーと共有できます。

 さらに、テレワークなどオフィス外でも簡単に作業できます。先ほども触れたとおり、クラウド型オフィスソフトは複数のデバイスにインストールできるため、スマホやタブレットを利用して、外出先や移動中に作業を進めることができます。作成途中のファイルはクラウドに保存されるため、たとえ端末が破損しても、データはクラウドに残り続けます。

多くのメリットがあるクラウド型オフィスソフト

 このように、クラウド型オフィスソフトは、買い切り型にはないさまざまなメリットが存在します。特に、Web会議ツールやチャットツール、クラウドストレージなど、他のユーザーと気軽に連携できる機能を多くそろえているため、導入すれば業務効率化やコミュニケーションの活性化、従業員満足度の向上が見込めるはずです。

 買い切り型か、クラウド型か。もし選択する機会が訪れたのであれば、サブスクだからと敬遠せず、クラウド型のオフィスソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

【T】

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