ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載の第14回。「自分のことを分かってもらえないとキレる」「言われたことはことはやっていると主張する」ケースの対処法です。
自分が努力をして、先生や親に認めてもらう。ゆとり世代はこの繰り返しで成長してきました。周囲にいるのは自分を認めてくれる人、褒めてくれる人であり、その環境を会社にもそのまま期待しています。他人とのコミュニケーションを十分に取る前に、「認めてもらいたい」欲求だけが一方的に先走ってしまうのです。
まず、自分が理解してもらうだけでなく、お互いが理解するために努力しなければならないことから教えましょう。対人関係が苦手なゆとり世代ではありますが、友人関係を築いてきた経験はあります。その例を引いて、単なるクラスメートから友人関係に発展したときのことを思い出させましょう。
単なるクラスメートに対しては、何かを伝えたりすることはあっても、相談事をすることはないはずです。それがお互い、たわいのない話をしながら徐々に相手のプライベートな事柄などを知り、相談事のできる友人関係に発展していきます。
自分のことを分かってもらいたいなら、まず相手のことを理解する。少なくとも、お互いに理解しながら進んでいくことが大切で、一方的に「認めてもらいたい」という関係はありえないことを理解させましょう。
まずは上司と部下の間で相談ができる時間を持つことです。相談する内容はそれこそ、たわいのないことでも構いません。お互いを理解するために話し合う関係を築くことが大切なのです。
相談する時間を持てる関係になれば、一方的な要求はなくなる。
ゆとり世代のこうしたセリフからは、2つのことを読み取ることができます。
1つは、彼らが“指示待ち族”であり、指示されたことを実行すればOKと考えていることです。彼らは環境依存型であり、周囲が用意してくれたことをこなしていく、という育ち方をしているからです。
もう1つは、「上司が1を言ったら、2や3を考える」という上司世代の考え方が、ゆとり世代には通用しないということです。「上司が1を言ったら、1だけを考える」わけです。
この2つに共通するのは、ゆとり世代には自分で考え、行動するクセを付けなければならないということです。用意されたこと、言われたこと以外の部分を考え、能動的に行動するクセです。
自動販売機を例にすると、120円を入れて、缶コーヒーが1本出てきた。これは当たり前のことです。「上司が1を言ったら、1の答えが出てきた」わけです。当たり前ですから「仕事しろ」の声がやむことはありません。
でも、120円を入れたら、缶コーヒーが2本出てきた。あるいは、20円おつりが出てきた。こういう自販機があったら、買った人は期待を上回っていることに感動します。この自販機でまた買ってみようと思うでしょう。「1を言ったら、2や3の成果が出てきた。素晴らしい。だからまたこの社員に仕事を頼もう」となるわけです。
言われたことをやるだけでは、感動を与えることはできません。常に期待を上回る成果をめざすように仕向けましょう。
期待を上回る社員には、必ず次の仕事が来る。
執筆=柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
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ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A