ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載の第7回。ケアレスミスが続いている、ビジネスマナーがなっていない場合の対処法です。
Q 最近、部下のケアレスミスが続いています。仕事に対するやる気が見られず、それがミスにつながっているようです。
A 「うまくいかない」ことに落ち込んでいます。やる気の無さが周囲に伝わるようではプロ失格であることを教えましょう。
【対処法のポイント】
「上司に叱られた」「自分の能力が認めてもらえない」など、さまざまな理由からやる気を無くしやすいゆとり世代ですが、ここでは個別の理由に対する対処方法ではなく、「やる気の無さが見えている」という事実に含まれた問題点を指摘することを考えていきましょう。
仕事を失敗して叱られたり、仕事を失敗したそのこと自体に落ち込んだりで、次の仕事にも引きずって失敗してさらに落ち込むというのは、心が折れて「会社を辞めたい」という気持ちにつながる最悪のスパイラルです。
そこでは、「自分の気持ちが大切」であり、自分が周囲に与える影響は考えていません。場合によっては、「やる気が出ないのは上司が悪いからだ」と、責任をほかに押し付けることもあります。
では例えば、プロ野球選手が「やる気が出ないから今日はヒットを打てません」と言ったり、やる気の無さが見え見えのままで、バッターボックスに向かったりしたら、球場に足を運んだファンはどう思うでしょうか?「入場料を返せ!」となるに違いありません。「監督が悪いからやる気が出ません」などと言えるわけがありません。
社会人も同じです。給料という対価を得ている以上、その対価に見合った努力をする義務があることを、まず認識させましょう。努力した結果、仕事がうまくいくか、うまくいかないかはまた別の問題です。「やる気が無いことを周囲に見せる人は、社会人として信用されない。それは君自身にとって損だ」。こうした文句も、効き目があるかもしれません。
社会人には、給料という対価に見合った努力をする義務がある。
Q ビジネスマナーがなっていないと注意したところ、「研修で勉強した通りに、ちゃんとやっていますけど…」と不満そうです。本人はそれなりに、こなしているつもりのようですが…。
A 「できているはず」というのは自己判断に過ぎません。「他人からどう見えているか」を考えるクセを付けさせましょう。
【対処法のポイント】
1つには、ゆとり世代独特の「根拠の無い自信」が表れています。「きちんと勉強したことを実行しているから、できているはずだ」という自信です。誰も指摘しないままでいると、「できているはずなのに、そう評価されないのは周囲がおかしい」という考え方に発展していく可能性があります。
もう1つは、周囲からどう評価されているかということを受け入れる姿勢が無いのが原因です。指摘をすると「いや、でも…」と不満そうにしたり、「こう指導されたから、こうしているのですが」と研修マニュアルを盾に、反論してきたりします。
教えるべきことは、「自分はそう思っていなくても、周囲から言われたらそう思っているのと同じ」ということです。例えば「挨拶の仕方が間違っている」と思われているなら、自分はきちんとしているつもりでも、何が間違って(見えて)いるのかを素直に反省し、検証・分析し、改善していかなければなりません。
この反省、検証・分析、改善という「自責サイクル」を回すクセを付けることが、ゆとり世代にとって何よりも大切になります。
さらに、周囲が自分の間違いを指摘してくれたことに対して、単に反省・分析するだけでなく、感謝の意を示すようになれば最高です。「指摘していただき、ありがとうございます」の一言が言えるようになれば、立派な「教えられ上手」の社員になっているからです。さらに指摘が集まり、それを直していくことで実力が向上していきます。
周囲の評価を受け入れ、感謝する気持ちを持たせる。
執筆=柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
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ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A