ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A(第6回) 「休日出勤を断る」「提案がない」どうすればいい?

コミュニケーション

公開日:2016.09.21

 ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載の第6回。ボランティアを理由に休日出勤を断る、業務上の提案をしてこない場合の対処法です。

片付いていない仕事があるので「休日出勤してほしい」と頼んだところ、「週末はボランティアで忙しいので無理です」と言われました。仕事に区切りが付いてからにしてほしいのですが…。

「お金をもらっている」仕事の結果に対しては、周囲の期待値が高いということを認識させましょう。

【対処法のポイント】
 まず言っておきたいのは、ボランティアはもちろん大切だということです。仕事を一生懸命やり、ボランティアにも積極的に取り組む。これは素晴らしいことです。

 しかし、「休日はボランティアの時間だから」といって仕事を中途半端な状態で放っておいていいわけがありません。ゆとり世代は仕事とプライベートの優先順位を同等に扱うのですが、それはあくまでも「仕事がきちんと済んでいる。進んでいる」状態において認められるということを教えなければなりません。

 こうしたケースで、私はよく期待値の話をします。例えば、駅前で掃除をしていて、「ボランティアでやっています」と言えばほぼ間違いなく「偉いねぇ」と褒められるでしょう。一方、「仕事でやっています」と言えば、「あそこも汚れているから、ちゃんと掃除しておいてね」と何らかの要求をされることのほうが多いでしょう。

 お金をもらっていないことへの周囲からの期待値は低いですが、お金をもらっていると期待値はぐっと上がるのです。お金をもらう=仕事に対しての高い期待値に、まず応えなければなりません。

 自分の仕事ですでに一人前で、周囲から何の文句も付けられない人がボランティアをするのと、仕事が半人前で、上司や先輩にフォローされている立場でボランティアをするのでは大きく違います。このことをまず教えてください。

 仕事はお金をもらって、取引先などの社会の要請に応えることです。「仕事をきちんとこなすことも社会貢献」と言えば、少しはモチベーションが上がるでしょう。

●まとめ

給料をもらってする仕事こそ、「期待値の高い社会貢献」である。

業務上の提案をなかなかしてきません。話をしてみると「提案しても採用してもらえないじゃないですか」と、自分の提案がなかなか認められないことへの不満が原因のようです。

鼻を折られて傷ついています。他人の責任にしがちな気持ちを、自分の責任に向けさせましょう。

【対処法のポイント】
 ゆとり世代は自分の能力に対して、過大な自己評価をしています。これは、絶対評価を受けてきた影響が大きいです。会社に入っても「できるはずだ」という意識で仕事に取り組みますが、普通の新入社員が先輩や上司と同じように仕事ができるわけがありません。

 そのギャップをなかなか受け入れることができず、「提案を採用してもらえないのはおかしい」「上司が無能で、提案の内容を理解できないのではないか?」と、周囲や他人の責任にしてしまいがちです。それが続くと、「採用されないなら、(周囲が悪いのだから)提案しなくてもいいだろう」と考えてしまうのです。

 まずは、彼らの発想を「他人の責任」から「自分の責任」に向けさせなければなりません。「提案が求められているテーマとずれていたのではないか」「上司が忙しい時に都合を考えずに提案を持っていったからではないか」。このように、自分の側に何か問題がなかったかどうかを、考えるように指導しましょう。

 「案が採用されないことに不満を持つのではなく、採用されるまで提案力を磨くトレーニングをするほうが、君も確実に成長するよ」

 実際に、能力の足らない先輩や上司のせいで、提案が採用されないのかもしれません。その場合でも、本当に優れた提案なら、目を引きます。自分の能力をそこまで高めていくことのほうが、将来のために得策であることを教えましょう。

●まとめ

自分の悪いところを探し、鍛え直したほうが得策。

日経トップリーダー/柘植智幸(じんざい社

執筆=柘植 智幸(じんざい社)

1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。

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