ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
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ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載の第9回。上司に対してタメ口をきくなど、言葉遣いがなっていない場合の対処法です。
Q なぜか上司の私に対してタメ口をききます。何度か叱って、仕事中は敬語が使えるようになったのですが、メールやSNSでのやり取りになると、途端にタメ口に戻ってしまいます。
A 目上の人との会話経験が少ないのが原因です。先輩・後輩の関係での言葉遣いを、1つひとつ教えていきましょう。
【対処法のポイント】
ゆとり世代は悪気のないフレンドリー感覚の言葉をよく使います。その代表格は、例えば私が研修中に「君はどんな仕事をやってるの?」と聞いた時、「俺っすか?」と答える、この言葉です。
目上の人とあまり喋ったことがないのが原因の1つです。本人にはまったく悪気がなく、丁寧に話しているつもりのようです。しかし、聞いているこちらのカンに障る言葉です。ゆとり世代の緊張を何らかの方法でほぐしてやると、途端にタメ口になるという特徴もあります。例えば相手が気を緩めて話しかけてくると、彼らゆとり世代も大きく気が緩むようです。
上司世代であれば、どんな席でも、お酒が入っていても、基本、目上の人に対して敬語を崩すことはないでしょう。しかし、ゆとり世代は業務上の会話からプライベートな話のように、会話の内容が切り替わると急にタメ口になったり、妙になれなれしくなったりする傾向があります。仕事での敬語は使えるのですが、先輩に対しての敬語が使えないのです。
これは学生時代に上下関係の厳しいグループでの生活を経験していないということと、敬語を使わないことを先輩に注意されないまま、大人になっているという2つの原因があります。
学生の部活動などを見ていると、「俺っすか」「そうっすね」のような言葉を後輩から言われて、注意しないでいる先輩が増えています。ということは、先輩自身が後輩のタメ口を気にしていない、何とも思っていないということです。
いつからか、これが連鎖しています。先輩に対してタメ口をきいて何も言われなかったため、後輩からタメ口で話されても何も思いません。こういう世代が社会に出ていますから「先輩に対して『俺っすか』はないだろう?」と上司世代が叱っても、「え、ダメなんですか?何でです?」と返ってきます。悪気はないのです。
上司世代は「俺っすか?」と言ったら「お前、誰に言ってるんだ!」と叱られ、先輩に対して敬語を使うことを覚えてきました。ゆとり世代はこういう関係を経験していないため、先輩に対する言葉がなっていないのです。
若者がきちんとした敬語が使えないのは、今も昔も同じです。しかし上司世代は、先輩に対する最低限な敬語は使える人が大半でした。「先輩、お世話になっています。ありがとうございます」「あ、やります」程度の言葉です。それが最近は「いいっすね」「マジっすか」といった言葉を親しくもない目上の人に対して普通に使う若者が増えています。
対策としては、1つひとつの言葉を直していくことです。これを言うと「そこから教えないといけないのですか?」と質問を受けるのですが、「『そこから教えないといけないのですか?』ということを教えていくのが、ゆとり世代への教育です」と説明しています。
大切なところなので繰り返させていだきます。これまでの連載を通じて「そんなことまで教えないといけないのか」と思いながら読み進めている方が多いと思いますが、まさに「そんなことまで教えなければいけない」のがゆとり世代が受けた教育の根本なのです。
悪意はないから、かえって直すのは難しいかもしれません。しかし、なぜその言葉遣いがいけないのかを1つひとつ教えれば、ゆとり世代の長所である「素直さ」が働き、きちんと身に付きます。
先輩や上司に対する言葉遣いを1つひとつ教える。
執筆=柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
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ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A