ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載の第13回。働きの割に給与が安いという、目をかけるつもりで叱ったら人事に訴えられた場合の対処法です。
何ごとも自分の価値観で評価するのがゆとり世代です。この場合も、どこと比べて具体的にどのくらい給料が安いのか、客観的な数字に基づいて言っているわけではありません。「自分が思うに、安いはずだ」「もっともらっていいはずだ」という気持ちを口にしているだけです。
たいていの場合は、「自分はこれだけ会社のために頑張っているのに……」という気持ちがあっても、「会社が自分のためにこれだけのことをしてくれている」という気持ちがありません。
実際には、オフィス環境を整えることをはじめ、仮に仕事に失敗しても叱られこそすれ、クビになったりしない寛容さや、何度でもやり直しがきくなど、組織が社員を守っています。しかしゆとり世代には、こうした周囲からの恩恵は「してもらって当たり前のことで、感謝するようなことではない」という思考があります。
まずは、新入社員の頃から、会社がどれだけの経営資源をかけて一人前に育て、仕事をする環境を与えてきたかを理解させましょう。
また、「周囲からどう見られているかが大切」という意識を持たせたいところです。「周りの人が『君の給料は(働きぶりからしたら)安いね』と言ってくれたら本当に評価されていることなんだよ」と。
給料の高い安いは自分が決めることではなく、周囲が認めてくれて初めて決まるものだという価値観を持たせましょう。
周りから評価されて初めて、給料の高い安いは決まる。
自分では部下を鍛えているつもりなのに、部下からは「嫌われているに違いない」と思われてしまう。こうした気持ちのすれ違いは、ゆとり世代の部下との間ではとても起きやすいことです。
それはまず、「叱られる」ことに慣れていないからです。「褒めて伸ばす」教育の弊害かもしれません。叱られたり、自分の悪いところを指摘されたりすることに対する免疫力が低いため、「そんなことを言うのは、きっと僕が嫌いだからだ」と考えてしまうのです。本当に嫌いなら、教えたり、叱ったりすらしなくなるはずなのですが、そこまでは思い至りません。
ましてや「お前は同期の○○と比べて、××が足りんなぁ」などと相対評価をしたら、そのときの落ち込みようは尋常ではありません。「この上司は○○のことが好きで、僕のことは嫌いなんだ」と思ってしまいます。指摘された悪いところを反省するよりも、周囲に責任や原因を押し付けることのほうが得意だからです。そして、その上司の下では、あからさまにふて腐れた態度が表に出てきます。
「叱ることは期待の裏返しなんだ」「育てたいという愛情があるから叱るんだ」「叱られて腐っていたら、成長しないから自分が損だ」など。
直接伝えるには気恥ずかしいセリフばかりですが、こうしたことを教えていかなければなりません。自分以外の先輩社員をうまく利用して伝えるなど、叱ることの意味を考えるように、ゆとり世代を誘導してください。
「叱られるのは期待されているから」という気持ちを持たせる。
執筆=柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
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ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A