注目を集める地方発のベンチャー(第9回) 東京五輪で世界にアピールして石油に追い付く

地域活性化

公開日:2016.12.06

日本環境設計 岩元美智彦社長(2016年1月時点/現在は会長職)

 ベンチャー企業、日本環境設計を経営する岩元美智彦社長。連載の最終回となる5回目は、東京五輪をステップに、石油に追い付くことをめざす岩元社長の究極の目標を熱く語ってもらった(聞き手はトーマツ ベンチャーサポート事業統括本部長、斎藤祐馬氏)。

斎藤:2015年10月にデロリアンが走るという大きな目標をクリアされました。ここから先はどういう方向に向かっていくのですか。

岩元:2015年10月21日は、ようやくスタートに立ったみたいなものだと思っています。これの一番ポイントは消費者をどこまで巻き込めるかということなんです。次の目標は国内で2000万人ぐらいが参加してもらうことですね。

斎藤:国民の約6分の1!もはや社会インフラですね。

岩元:あとアメリカとかヨーロッパもそれぐらいに広げたい。実は2020年の東京オリンピックも節目です。私はオリンピック委員会にも参加させてもらっているのですが、みんなでTシャツを集めて聖火をともす、ということをやりたい。そうするとオリンピックが遠い存在じゃなくて、どんな形でもいいから参加意識が持てる。何かそういうオリンピックであってほしいなと。

 そうすると回収のスキームが必要じゃないですか。北海道のおばあちゃんでも、私も参加したいから近くのスーパーにTシャツを持っていくとか。聖火だけじゃなくて、リサイクルしたポリエステルでそれを使ってオリンピックの制服を作りましょうとか、そういう企画がたくさんある。もうすでにインフラはあるわけで、やろうと思えば実現できる。

 デロリアンはたくさんの人に我々のプロジェクト知ってもらうきっかけでした。次はオリンピックというどきどきわくわくする目標に向けて、また一気に回収拠点が増えて数千万人が集まってきて、平和な世界につながれば素晴らしいじゃないですか。

斎藤:技術が我々の日常に還元されていくような仕組みになっていくというわけですよね。

いつかは石油に追い付きたい

岩元:そうです。そうすればどんどんコストも下がっていきます。今、小売り系企業にも10年、20年をかけてどんどん負担を下げますよと言っています。リサイクルの量が増えて、石油と同じクオリティーのものが石油と同じ価格でできさえすれば、石油には絶対勝てますよね。

斎藤:国内であれば2000万人ぐらいがリサイクルに参加するというのが1つのラインなのですか。

岩元:量でいえば15万トンぐらい。15万トンぐらいのごみが、半径100キロぐらいのエリアで集まるようになれば採算では十分、石油に勝てます。日本にはごみが4億5000万トンもあるんですから、15万トンなんて知れてます。

斎藤:ということは、まだまだ回収拠点を設けなきゃいけないということでもありますね。

岩元:ただ、実はもうあるんですよ。自治体には基本的に1つ焼却場があって、150億円とか相当の予算がつぎ込まれている。ですから将来的にはそれを代替していくべきだろうと思います。ただ、プラントの場合は10年、20年様子を見ようといったリスクヘッジばかりで先に進みませんから、まず自分たちで集めた分を自分たちでリサイクルして、自分たちで作って自分たちで売ると、これで十分なんです。

 最後は分かってくれると思います。恐らく海外のほうが先に分かってくれて、そこが大きくなって日本は国が動くと、そんな順番かなと思っていますね。

斎藤:なんだか近い将来、本当に世界が変わる気がしてどきどきわくわくします。

日経トップリーダー/藤野太一

※掲載している情報は、記事執筆時点(2016年1月)のものです

執筆=斎藤 祐馬

※トーマツ ベンチャーサポートは、2017年9月1日より「デロイト トーマツ ベンチャーサポート」に社名変更しました。

【T】

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