ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
本社と支店で顧客情報を共有したいのですが、安全にデータ共有を行う方法はないでしょうか?
A.「VPN」を利用すれば安全にデータ共有を行うことができます
安全にデータ共有を行うにはセキュリティ対策がなされたパソコン同士で通信し、許可されたユーザーのみが利用できる信頼性の高いネットワーク環境が必要です。
許可されたユーザーのみが利用できるネットワークを「プライベートネットワーク」といいます。本社と支店の距離が離れている場合や、別々のビルを拠点にしている場合など、直接ネットワークを構築できない環境でプライベートネットワークを利用するには、次の2つの手段があります。
・VPN(バーチャルプライベートネットワーク)を構築する
・コストと時間をかけて物理的に局舎から各拠点までの専用線を敷設する
今回はVPNについてご紹介します。
■VPN(Virtual Private Network)
仮想的なプライベートネットワーク、仮想専用線とも呼ばれる
外部から干渉を受けないように安全なプライベートネットワークを仮想状態で構築・維持する技術のこと
VPNにはインターネット網を介して自分で構築する「インターネットVPN」や、提供事業者が独自のネットワーク上で構築した「閉域網」を利用する「IP-VPN」などがあります。
企業情報やお客さま情報を取り扱う企業では、第三者によるネットワークへの侵入・情報の改ざんや漏えいを防止するため、安全性と信頼性の高い通信が求められます。よりセキュリティレベルの高いIP-VPNへのニーズが高まっています。
なお、IP-VPNのセキュリティは閉域網内でのデータ通信のみの範囲に適用されます。使用するパソコンや周辺機器・通信機器がコンピューターウイルスに感染してしまった場合は、構築したVPNへの不正アクセスや、情報漏えいにもつながります。
パソコンや周辺機器・通信機器には、厳重なセキュリティ対策を行ってください。
また、VPNを実際に導入する際は、用途に合ったサービスを選ぶ必要があります。費用、セキュリティレベル、運用管理や保守・サポート体制、利用可能なデバイスへの対応など、どのような用途や規模で利用したいのかを踏まえてサービスを比較・検討しましょう。
すでに社内で専用システムを利用している場合は、システムを構築している事業者や、ご契約中の電気通信事業者・プロバイダーが提供するVPNサービスを利用できる場合がありますので、一度相談してみてはいかがでしょうか。
※この記事は2019年10月11日現在の情報です
【T】
困りごと解決ビジネス専科