ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載の第12回。茶髪を注意したら文句を言う、入社半年で挨拶をしなくなる場合の対処法です。
Q 会社で規定しているわけではありませんが「営業部なので茶髪はまずい」と何度か指摘しています。しかし、「僕らの周りでは当たり前なんですけど……」とブツブツ文句を言っています。
A 周りからどう見られているかが、自分の評価になると教えましょう。
「自分が茶髪にしたいからする」「会社のルールを破っているわけではない」「誰にも迷惑をかけていない」。ゆとり世代はこう考えています。ここには、自分を見ている上司や先輩、あるいは取引先の人々が茶髪である自分のことをどう見ているかという発想があまりありません。そして、ゆとり世代は規定や規律が最低限のルールで、このルールを守ればOKと思っています。ルールの上のモラルが抜けています。
集団の中での自分の相対的な位置というのを考える習慣がありませんから、目立っているという意識はないのです。しかし上司世代から見ると、周囲から浮き上がって、自分の好きなようにやっているようにしか見えません。
まず教えるべきことは「自分の評価は自分ではなく、周囲が決める」ということです。絶対評価の中では、以前の自分と比べてどのくらい向上したかを、自分自身である程度把握することができます。半面、他人が自分をどう見ているかを考えることはほとんどありません。
しかしビジネス社会では、「周りから与えられる評価が絶対」です。「茶髪でも、自分は清潔感があるから大丈夫」とゆとり世代は考えているかもしれませんが、「周囲はそう見ていないよ」という説明から始めましょう。
「取引先は、茶髪の君を見て、社会人としてのマナーがなっていないと思っているかもしれない」「親や先生は長い付き合いで、見た目と違ってまじめなことを知っているかもしれないが、仕事で会う人たちはそう思わない」など。
「周囲からどう見られているかが分からない」ところを修正しましょう。
ルールを守ることがすごいのではなく、どう見られているか。
Q 入社から半年くらいたって、新入社員が朝、挨拶をしてこなくなりました。もともと、挨拶をきちんとしている職場ではありませんが、新人にされないと、生意気に見えてきます。
A 「みんなしていないのに……」と不満を抱いています。仕事を教えてもらう立場の人間が取るべき態度を教えましょう。
新入社員研修で「職場での挨拶は仕事の基本。明るく、元気よく」と教わったゆとり世代は、仕事の現場に出てビックリしています。上司や先輩は「おう」とか「ああ」とか、明るくも元気よくもない挨拶しかしないからです。
挨拶は会社のルールだと理解している彼らは、「上司がしないなら、僕もしなくていいよね」と考えています。上司や先輩と自分の違いの部分は棚に上げて、「挨拶をする」というルールについては同等であることを求めているのです。
そもそも、なぜ新入社員に「挨拶は仕事の基本」と教えているのか、その理由から説明してあげましょう。
会社が新入社員に求めているのは、上司や先輩から仕事を教えてもらって、早く一人前になることです。仕事を教えてもらう立場の人間は、教える立場の人間に礼儀を持って接するべきです。無礼な部下に、誰が仕事を教えようと思うでしょうか?
ところがゆとり世代は「新入社員なんだから、仕事を教えてもらうのは当たり前」と、権利の方を主張しがちです。これが、上司や先輩のカンにさわるわけです。
「教えてもらう立場の人間が取るべき礼儀正しい態度」。この中に、挨拶も含まれているのです。相手の気持ちになって考えるのが苦手なゆとり世代ですが、「ろくに挨拶もしてこない相手に、何か教えてやろうという気持ちになるか?」と問いかければ、「なりません」と気付きます。
「相手がしないなら、自分もしない」というのは子どもの論理です。どんな態度の相手にでも、きちんと挨拶できるのがビジネスの基本だと教えましょう。
礼儀正しい部下だから、仕事を教えてもらうことができる。
執筆=柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
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ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A