ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ビジネスチャットは、従業員間のコミュニケーションを円滑にするためのツールとして多くの企業より注目を集めています。しかし、ビジネスチャットは提供企業が多く、細かな違いがあることから自社に最適のツールを選ぶのは難しいかもしれません。こうした課題を踏まえ本記事では、ビジネスチャットの導入状況や機能、導入する際の比較ポイントについて解説します。
目次
・ビジネスチャットは従業員間のコミュニケーションツール
・ビジネスチャットの導入率は約5割
・ビジネスチャットの機能
・ビジネスチャットの種類
・ビジネスチャットのメリット
・ビジネスチャットの注意点
・ビジネスチャットの比較ポイント
・ビジネスチャット選びに困ったら
・まとめ
働き方の多様化に伴い、ビジネスやコミュニケーションのあり方にも多くの変化が生じています。従業員がオフィスで業務を行うことはもはや当たり前のことではなくなり、さまざまな場所で業務を行うテレワーク・リモートワークも一般的になりました。
オフィスで業務を行う機会が減るということは、業務中に同僚と関わる機会の減少にもつながります。テレワーク・リモートワークを進める中で孤立感や疎外感を覚えると、日々の業務の効率が落ちる恐れもあります。そこで必要なのが、非対面であっても迅速なコミュニケーションです。こうした時に役立つのが、ビジネスに特化したチャットツール「ビジネスチャット」です。ビジネスチャットを利用すれば、非対面であっても、リアルタイムかつ手軽にコミュニケーションが図りやすくなります。
2022年にBiz Clipで行った調査では、勤務先でビジネスチャットを「導入している」と答えた人は47.9%で、「導入しておらず、予定もない」(35.9%)よりも高い数値となっていました。
従業員規模別に見たビジネスチャットの導入比率は、99人以下の企業では20.3%、1万人以上の企業では80.7%と、従業員規模が大きい企業ほどビジネスチャットを導入していることが分かりました。
関連記事:企業のビジネスチャット利用実態調査2022
https://www.bizclip.ntt-west.co.jp/articles/bcl00014-035.html
ビジネスチャットには、さまざまな機能が用意されています。ツールによって機能の有無は異なりますが、ここではよくある機能について解説します。
グループチャット機能
グループチャット機能は、目的・用途別にグループを作成し、登録したメンバー間でチャットできる機能です。グループチャット機能を使えば、メッセージを複数人へ同時に送信できます。
リアクション機能
ビジネスチャットは、リアクション機能とよばれる絵文字やスタンプなどでメッセージを送信できるものがあります。リアクション機能を利用すれば、文章を打ち込まずに、感謝や了承など、メッセージを読んだという反応を送信できます。誰がどのリアクションを返したのかも確認できるため、コミュニケーションも円滑になるでしょう。
ファイルの共有機能
ファイル共有機能があれば、業務で利用するさまざまな形式のファイルを、クラウドストレージや電子メールなどを利用せずに共有できます。
ビジネスチャットは、大きく分けるとクラウド型とオンプレミス型の2つがあります。
クラウド型
クラウド型のビジネスチャットは、インターネットに接続できる環境およびデバイスがあれば、場所を選ばずに利用でき、契約すればすぐに利用できます。導入・運用にかかるコストが後述のオンプレミス型より抑えやすい点がメリットですが、決められた範囲しか仕様のカスタマイズを行えません。
オンプレミス型
ビジネスチャットには、オンプレミス型のものもあります。オンプレミス型は自社サーバーで構築・運用するため、自社に適したカスタマイズが可能です。例えば社内ネットワークのみの限定利用にするなど、強固な情報セキュリティ対策も行えます。一方で、自社でサーバーを購入・運用する費用の発生や、導入までに時間がかかる点がクラウド型と異なります。
ビジネスチャットにはさまざまなメリットが存在しますが、ここでは3つに分けて紹介します。
メリット1:テンポの良いコミュニケーション
メールでやり取りをする場合、ビジネスの定型文やあいさつなどを書く必要がありますが、時間や手間がかかり、その間の業務は滞ります。
ビジネスチャットはリアルタイムでメッセージをやり取りするため、テンポの良いコミュニケーションが可能です。企業にもよりますが、ビジネスチャット上では定型文や堅苦しいあいさつを必要としないことが多いため、簡潔で明確な文章・絵文字でやり取りできます。外出先や自宅などさまざまな場所からメッセージが受送信できるため、従業員間のコミュニケーションの活性化も期待できるでしょう。
メリット2:会議に費やす時間の削減
社内会議によっては、情報共有のためだけに行われるものがあります。そうした会議をビジネスチャットに置き換えることで、社内会議を開かずに情報共有ができるようになります。会議に費やす時間や労力が減ることで業務に集中でき、生産性の向上も期待できます。
ビジネスチャットの中には、ビデオ通話機能や音声通話機能が搭載されているものもあります。ビデオ会議を行えば、自宅や外出先、オフィスなどさまざまな場所から参加することも可能です。資料や情報の共有・交換も迅速に行えるでしょう。
メリット3:通信の暗号化による情報セキュリティリスク対策
ビジネスチャットは、一般向けのチャットツールと比べると、通信の暗号化やIPアドレス制限といったような情報セキュリティ対策が充実しています。こうした高度な情報セキュリティ対策を利用することで、業務にかかわる重要な情報を守れるでしょう。
多くのメリットがあるビジネスチャットですが、注意点も存在します。
注意点1:コストの負担
有料のビジネスチャットは多彩な機能や充実したサポート体制が用意されているケースが多いですが、当然利用料を支払う必要があります。イニシャルコストあるいはランニングコストが発生することを忘れてはいけません。
一部、無料で利用できるビジネスチャットもありますが、機能が制限されていたり情報セキュリティ面が脆弱であったりするケースがあります。料金に見合った機能を有しているか、長期的な料金の支払いが可能かについて確認すべきでしょう。
注意点2:ツールに慣れる時間が必要
ビジネスチャットを導入しても、従業員が利用に慣れるまでには一定の時間がかかります。機能が豊富なビジネスチャットであれば、なおさらです。機能が過不足なく用意されているかを吟味してから導入し、従業員に適切な使い方を伝えることが重要です。
注意点3:無駄なコミュニケーションが増える恐れがある
ビジネスチャットによってコミュニケーションが簡便になる一方で、無駄なコミュニケーションが増える恐れもあります。メッセージをやり取りする中で、業務とは関係ない不要なメッセージが増えれば、仕事の効率が落ちてしまいます。
頻繁に届くビジネスチャットの通知に気を取られて、業務に集中できなくなる可能性もあります。通知が来たらすぐに返信しなければならない、というのもプレッシャーになりがちです。社内で利用する際のルールを明文化し、公私を区別すべきでしょう。
ビジネスチャットを導入する際は、使いやすさやコストパフォーマンス、既存システムとの連携や情報セキュリティ対策など、いくつかのポイントでサービスを比較すべきです。以下、検討すべきポイントを4つに分けて紹介します。
関連記事:ビジネスチャット。安全・手軽なコミュニケーション
https://www.bizclip.ntt-west.co.jp/articles/bcl00134-005.html
ポイント1:誰もが使いやすいか
前述のように、ビジネスチャットの使いやすさは重要なポイントです。便利な機能が多数搭載されていても、一部の従業員しか利用しないのであれば、意味がありません。多数の従業員が利用するビジネスチャットは、誰にとっても使いやすいものを選ぶ必要があります。複数のビジネスチャットを利用して、使い勝手を吟味しましょう。
ポイント2:コストパフォーマンスが良いか
ビジネスチャットの導入にあたり、コストパフォーマンスの確認は必須です。無料のプランは、有料のプランと比べて利用できる機能が少ないことが多く、情報セキュリティ対策が不十分な場合もあります。有料のビジネスチャットを利用する際、利用人数やデータ容量が多いほど、利用料金も高額になりがちです。長期的に利用した場合、どれほどの費用がかかるのか、利用人数が増えた場合のコストを試算し、予算の範囲内に収まるものを選びましょう。
ポイント3:既存システムと連携しやすいか
既存システムとの連携のしやすさも、ビジネスチャットを選ぶうえで重要なポイントです。営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)、勤怠管理システムなどを導入している場合、連携可能なビジネスチャットを探しましょう。
ポイント4:情報セキュリティは十分か
ビジネスチャットの情報セキュリティは、必ず確認しましょう。前述の通り、ビジネスチャットの情報セキュリティは、個人用途向けのチャットツールよりも高度であることが多いです。しかし、企業や扱う情報の種類・重要度によって、求められる情報セキュリティは異なります。ビジネスチャット経由で機密情報をやり取りする場合も考えられるため、自社の情報セキュリティ体制に最適なビジネスチャットを選ぶべきでしょう。具体的には、以下のような機能が挙げられます。
・通信の暗号化
・IPアドレス制限
・端末認証
・メッセージのログ管理
・アカウントロック機能
ビジネスチャットツールの特長や検討ポイントを紹介しましたが、「自社にどのビジネスチャットが最適なのか分からない」と考える人も多いでしょう。その場合は、NTT西日本が提供する「elgana」を選択する手があります。elganaはビジネスチャットに特化した内容となっており、業務でよく利用するテンプレートが用意されたタスク機能や、打ち合わせ日時の調整に役立つアンケート機能など多彩な機能が用意されています。情報セキュリティに関しても、利用端末の制限・管理やログ管理など充実しています。有料プランと比べて機能制限はあるものの、無料で利用できるプランがあり、お試し導入できる点も特長です。
ビジネスチャットは、従業員間のコミュニケーションに便利なツールです。会議の削減やコミュニケーションの円滑化などさまざまなメリットがあります。導入時には、使い勝手やコストパフォーマンス、情報セキュリティ対策の確認が必要です。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
※2023年11月より「elgana」の販売会社がNTTビジネスソリューションズ(株)から西日本電信電話株式会社に変更されましたため、記事および注釈を修正しました
執筆= NTT西日本
【MT】
覚えておきたいオフィス・ビジネス情報のキホン
審査 22-1286-1