ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
決算賞与の勧めとは、「決算月に、夏と冬の賞与以外に賞与を払える会社にしましょう」ということです。古田土会計の賞与の実態調査でも明らかなように、中小企業では約30%の会社が賞与を払えていません。
このような中小企業の実態を指摘していて、さらに賞与を払えと言うのかとお叱りを受けるかもしれません。しかし私の提案は、賞与は現状の金額のままで、利益計画以上の利益を出した場合に、オーバーした額の3分の1程度を、決算賞与として社員に支給してはどうかという提案です。
例えば、会社が年間で1000万円の利益計画を立てているとします。決算月に結果として1300万円の利益を出したら、100万円を決算賞与として支給するのです。社員10人の会社なら、1人当たり10万円になります。
会社は決算賞与を100万円払っても、経常利益は200万円増え、税金を30%とした場合、内部留保が140万円増えます。
社員が喜び、国も税金が増えるので喜び、会社も喜び三方よしです。
さらに社長には、賞与の事前確定届出というものを出しておいて、決算月に支払うことにしておきます。利益計画を達成したら社長にも満額の賞与を支払うことにすれば、全額が経費になります。逆に、利益計画が未達成ならば、社員にも社長にも支給はありません。
古田土会計では、計画との差異ではなく、利益の金額によって決算賞与の額を決めています。ここ8年間は、利益計画の経常利益と実際の経常利益との差はほとんどありませんが、金額に応じた決算賞与を毎年支給しています。決算賞与は、社員全員を集めた経営計画発表会で支給するのが効果的です。それも現金で社長が社員に直接手渡すほうが、社員は喜んでくれます。
人は現金なものですから、決算賞与をもらった年から、次の経営計画発表会を楽しみにしてくれます。それはもちろん社長の発表を聞くためではなく、奥さんに内緒のお金がもらえるからです。
私どものお客さまであるエイコーさんでは、2016年2月の経営計画発表会で決算賞与を小切手で渡しました。今まで小切手を手にしたことがなかった社員が多かったので、小切手を現金化するという、よい体験ができたと社員に好評でした。
古田土式未来会計図には、利益を出すための数字の使い方が会計を知らない一般社員、アルバイトでも分かるように表現されています。社員は計画と実績の差を毎月認識することによって、どうやったら計画を達成し、決算賞与をもらえるかを自分で考え、行動するようになります。社長が口うるさく言わなくても数字を勉強、活用することによって、会社の業績が良くなり、社員も成長します。
※本記事は、2017年に書籍として発刊されたものです
執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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