ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
顧問先2200社を抱える会計事務所を率いる公認会計士、古田土満氏が語る小さな企業の経営のコツ。その第17回は、決算前に検討会を実施することです。そこにおいて、今期の業績をチェックして決算を考えるだけでなく、来期の利益計画を立案することが大切だと、古田土氏はアドバイスします。
古田土会計では、決算月の月初や前月にお客さまに事務所まで来ていただいて、決算前検討会を実施しています。もちろん、所員は毎月お客さまを訪問して月次決算の説明や帳簿のチェックをしていますが、社長や幹部の方々に年1回は来所していただき、古田土会計の変化をその目で見てもらいたいと思っているからです。
そのため、お迎えする道具として、ウエルカムボードにお客さまの会社名を書き、「ようこそ決算前検討会」のパネルを出し、スタッフ全員が立って笑顔で挨拶して、お客さまに心地よくなっていただきます。
決算前検討会をする目的は、4つあります。
(1)銀行の格付けを良くする
格付けを良くするために決算前にできることは、総資産と有利子負債の圧縮です。具体的には、預金で借入金を返済する。手形を割り引いて借入金を返済する。これは決算後では手遅れです。
(2)節税
古田土会計では、決算対策チェックリストによって主に3カ月前から節税のための対策についてお客さまと打ち合わせをしています。決算前検討会は、節税の最終確認です。10カ月間の実績と2カ月間の予測で決算時の売上高・税引き前利益を予想し、節税案を提案し、節税対策を実行した後の利益をシミュレーションし、支払うべき税金を提示します。税額を事前にお知らせすることにより、お客さまに早い時期から資金の準備をしていただきます。
このときに保険の見直しもします。古田土会計の紹介で加入されたお客さまの保険の内容を確認します。保険は一般的に売りっ放しが多く、ほとんどフォローがなされていません。私たちはお客さまに安心していただくために、年1回は必ず保険会社から説明させていただいています。
(3)赤字で申告するのか、黒字にして申告するのかの確認
これは、粉飾しろというわけではありません。決算を予想したときに赤字が予想される場合、黒字申告を希望されるお客さまには黒字になる方法を提案します。例えば、保険の解約もその方法の1つです。会計処理方法の変更も考えられます。しかし、赤字額が大きい場合は不可能な場合が多いのが事実です。
(4)来期の利益計画をつくる
利益計画は、決算前に作成しなければ意味がありません。決算後では2カ月以上経過しているため、形だけの計画になってしまいます。利益計画で一番先に決めるのは、経常利益です。経常利益から逆算して売上高を計算します。その後にお客さまに販売計画をつくっていただきます。利益計画を立てるときに重要な資料となるのが、決算前検討会で作成した資料です。
決算前検討会で利益計画を一緒につくることによって、お客さまに費用の負担を一切かけることなく、お客さまの経営計画書が作成できるわけです。
世間一般では、会計事務所が指導して作成する場合、30万円くらい、フォローの予算・実績の管理に月々5万円くらいが相場です。古田土会計では全て無料です。多くのお客さまに経営計画書をつくっていただき、良い会社になってもらいたいという思いから、このような形にしています。
※本記事は、2017年に書籍として発刊されたものです
執筆=古田土 満
法政大学を卒業後、公認会計士試験に合格。監査法人にて会計監査を経験して、1983年に古田土公認会計士・税理士事務所を設立。財務分析、市場分析、資金繰りに至るまで、徹底した分析ツールによって企業の体質改善を実現。中小企業経営者の信頼を得る。
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