ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
労働人口減少による人手不足の今、企業は働き手が望む柔軟な働き方に対応し、人手を確保せざるを得ない。働き手の力を十分に発揮できる環境づくりも求められている。その動きを“地味”に阻害するものがある。タイムカードだ。社員の勤怠時間管理には長年、紙のタイムカードが使われてきた。しかし、働き方が多様化する中で、タイムレコーダーに紙を挿入して記録するやり方では対応し切れない状況が生まれている。
現在、勤怠時間をざっくりと管理している企業は要注意だ。働き方改革で重要な要素の1つが、働いた時間の正確な把握である。不正確な時間しか把握できなければ、経営として的確な対処がしにくい。また、働いた時間をきちんと管理して、正しく給与に反映させなければ、せっかく入社した人材がすぐに辞めてしまう可能性もある。
柔軟な働き方に対応して、勤怠時間の管理を正確にする。これが人手確保のために欠かせない方策となる。ただ、悩ましい点が1つある。柔軟な働き方を導入した結果、時短勤務やシフト勤務が増えれば、タイムカード集計による管理部門の社員の負荷が増える。正社員、契約社員、パートタイム社員、アルバイトが混在する中で、集計はさらに複雑になる。複数拠点を運営している企業なら、集計作業は膨大になる。紙のタイムカードを集計するために、管理部門の残業はいつまでたっても減らない。月末から月初めにかけて、いつも管理部門が残業を余儀なくされる。これでは、会社全体での働き方改革は実現しない。
勤怠管理への課題意識が高い代表例の1つが介護・福祉業界だ。介護施設もヘルパーを派遣する介護事業所も、慢性的な人手不足に悩まされている。介護施設の職員は日勤や夜勤がある。利用者の自宅を訪問するヘルパーは、主に外で働くので正確な労働時間の管理が難しい。一方で、事務職員の数は少ない。勤務時間の集計は大きな負担だ。できるだけ人手とコストをかけずに、勤怠時間の管理を行いたいと考えている。
保育士不足が大きな社会的問題になっている保育業界も同様だ。シフトでの勤務が当たり前の飲食業や長時間の電話対応業務を行うコールセンターも勤怠時間の管理に苦労している。管理を効率化、合理化したいというニーズは高い。
紙のタイムカードの限界。これに対する解決策はデジタル化だ。出勤・退勤時間が記入時からデータ化されれば、集計作業を自動化できる。シフト勤務であっても、パートタイムであっても、給与計算業務の負荷は大幅に削減される。出先の仕事でも、スマートフォンやタブレットから勤務時間を報告すれば、効率的に労働時間の把握ができる。
中小企業が働き方改革に取り組み、人手の確保と事業の成長を図るには、大きな戦略転換を図らなければならない。もちろん戦略転換も必要だが、身近な課題解決から改革に取り組めば、効率化できるだけでなく社員も喜ぶ。身近な紙のタイムカードの見直しは、業務効率化にとどまらない。働き方改革への第一歩になるだろう。
執筆=菊地原 博
【MT】
働き方再考