ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
経済産業省は、毎月月末の金曜日の終業時間を午後3時に早めるよう企業に呼びかける「プレミアムフライデー」の実施に向けて、2016年12月に協議会を設立した。最初のプレミアムフライデーは2017年2月24日となる。果たして全国的かつ継続的な取り組みになるのだろうか。
プレミアムフライデーを実施する狙いは大きく2つ。消費拡大と働き方改革だ。月末の金曜日は早めに仕事を切り上げ、夕方からショッピングや食事、週末に絡めた旅行などを楽しんでもらう。消費を喚起するためだ。そのために協議会を設置し、小売業ならセールの開催、飲食業や旅行業なら特別なサービスプランの提供といった対応を呼びかける。すでに、旅行会社やホテル、アミューズメントパークなどの一部は、特別プランを打ち出し集客を見込んでいる。
プレミアムフライデーは働き方改革にもつながる。早く仕事を切り上げるためには、効率的な働き方を心がけなくてはならない。プレミアムフライデーをきっかけに働き方を変えて、生産性を向上させる機会となる可能性がある。
プレミアムフライデーによる効果について、経済産業省は「個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、(1)充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる(2)地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる」という3つを挙げている。
プレミアムフライデーは、政府が経団連などと連携して検討してきた構想だ。広く普及させるために、経済産業省が博報堂に委託する形で「プレミアムフライデー事務局」も置かれている。ただ、企業の反応は鈍い。旅行サービスのDeNAトラベルが2017年1月中旬に行った調査によると、「導入済み」は0.8%、「導入予定」は1.4%にとどまり、「導入する予定がない」企業が55%という結果が出ている(「分からない」は39.5%)。
一方、「勤め先がプレミアムフライデーを導入したらどう思うか」については、「とても嬉しい」が43.6%、「やや嬉しい」が23.6%と、肯定的に捉える人が3分の2を超えた。もっとも、「業務量は変わらない」「派遣なのでその分給料が減る」などの理由で、導入を否定的に捉えている人も15.7%いる。
金曜日は、1週間でたまった仕事を片づけるために残業をする人も少なくないのが現状だ。月末となれば、経理関係をはじめ、繁忙期の部署も多い。「仕事量が変わらなければ、金曜日に残業ができない分、ほかの日にしわ寄せがいくのでは」という懸念が残るのだろう。また、残業を禁止すると、残業代が減るために嫌がる社員もいるだろう。
とはいえ、週休2日制が導入された際にも、「月~金曜日に土曜日のしわ寄せがいくのでは」との懸念の声があった。しかしその後、週休2日制が普及していく中で、日本人の生活パターンはかなり変わった。週末は体を休めるだけでなく、楽しむ時間にも充てるライフスタイルが定着しつつある。プレミアムフライデーにもライフスタイルを変える効果があるかもしれない。
企業がプレミアムフライデーを導入して、その理念である「生活の豊かさ」や「幸せ」を社員に実感してもらうには、業務効率を高める仕組みづくりが欠かせない。例えば、生活習慣の見直しを促して朝の時間を活用する、在宅勤務(テレワーク)を推進する、ICTの活用で情報交換の効率化を図る、テレビ会議を活用して出張を削減するなど、さまざまな方策が考えられる。プレミアムフライデーの導入を契機に、社内の意識改革とシステム整備に着手する企業が増えれば、企業および日本の労働生産性にプラスの効果が見込めそうだ。
執筆=鯰 美紀
【MT】
働き方再考