ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載は今回の第17回で最終回です。「上司が無能だといってやる気を失う」、「こんな会社だと思わなかったと繰り返す」ケースの対処法です。
ゆとり世代は、環境依存型です。上司が厳しいとやる気を失い、上司が優しいとそれに甘えて努力を怠り、上司が無能でも「ついてない」とやる気を失います。
確かに企業には、上からの質問をすぐ部下に振ったり、自分の苦手なパソコンの操作を若い部下に何度も聞いて仕事を中断させたりといった〝できない〞上司もいるでしょう。新入社員からすれば、配属される前に職場に対して高まっていた期待値と、実際の現場のギャップに、いわゆるモチベーションクライシスを起こしているのです。
本来は「現場には有能から無能まで、さまざまな上司がいる」ことを研修で教えておかなければならないのですが、それをしている企業はほとんどありません。ですから、新入社員を現場へ配属した後に、こうした問題がよく起きています。
まずは環境の悪さに影響されない(甘えない)気持ちが持てるよう、仕向けてください。「本来なら上司がやる分まで、仕事を経験できるチャンス」「反面教師として、何が会社の中でダメなのかを学べる」などの言葉がいいでしょう。
有能で教え上手な上司でなければ自分を鍛えることができない、というゆとり世代の常識は誤りです。自分が置かれた環境をどう生かして自分の(仕事の)筋肉を鍛えていくか。それを考えるのは自分自身であり、腐って何もしないままでいれば、損をするのは結局、自分自身であると理解させましょう。
学生は、就職活動で会社を選ぶときに、その会社の良いところにほれて「入ろう」と決意します。ガイダンスでいろいろ会社のことを説明されても、悪いことは耳に残らず、良いところしか覚えていません。
いざ入社すると、その期待が外れて「こんなはずじゃなかったのに」と思う人は多いようです。これは、ゆとり教育とは何の関係もありません。上司世代の方々の中にも、こうした経験をされた方はいるのではないでしょうか?
ただ、ゆとり世代は、その会社を選んだという自分の責任を棚に上げ、「会社がダメだ」と判断して辞めてしまいます。自分の責任に気付いていませんから、理想の会社に巡り合おうと転職し、また失望することを繰り返します。
その新人に「辞めてもらいたくない」という前提付きの話になりますが、まずは「選んだ自分にも責任がある」と考えさせることです。文句を言うよりも、そんな会社とどう付き合っていくかを考える方が前向きな生き方だと教えましょう。
もう1つ伝えるべきなのは、(新人にとっての)今の不幸な状況が、未来永劫(えいごう)続くわけではないということです。会社は生き物であり、経済環境によって変化していきます。また、社員自身も年齢や仕事内容によって会社を見る目が変わるでしょう。
このことを理解せず、安易に転職すれば同じ事の繰り返しになるということが分かれば、ゆとり世代の文句の内容が変わり、仕事への取り組み方が変わってくるものと思います。
執筆=柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
【T】
ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A