ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A(第15回) 結果が出ていない新人の言い訳……どうする?

コミュニケーション

公開日:2017.06.14

 ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載の第15回。「成果が出てないのに『そのうち取り返します』と反省が見えない」、「派手な服装をしていながら『見た目で判断しないで』と主張する」ケースの対処法です。

Q 今年配属された部下にいくつか仕事を任せましたが、なかなか成果が出ません。ところが、つい先日「そのうち大きな仕事で取り返しますよ」と言っているのを聞いて驚きました。

A 「うまくいかないこと」を受け入れるのが苦手です。目の前のうまくいかないことと向き合わせましょう。

 「そのうち取り返しますよ」と言うのは、目の前のうまくいかないことから目をそらしたいという一面と、「自分は(仕事が)できるはずだ」という根拠のない自信とが組み合わさって出てくる言葉です。

 特にゆとり世代は失敗することに慣れていないので、それをなかなか受け入れることができません。悪い場合は上司や先輩のせいにしたり、環境のせいにしたりします。そこまでいかなくても、目をそらして次に進みたい、この案件はなかったことにしたい、という気持ちの表れなのです。

 また普通なら、「この仕事ができなかった。次は大丈夫かな」と不安を持つはずですが、「自分はできる」と過信していますから、今回失敗したのはたまたま不運で、次は成功すると考えています。

 「ピンチの次はチャンスさ」という前向きの思考はある意味、ゆとり世代のいいところでもあるのですが、この考え方を「ピンチこそチャンスなんだ」と変えさせてください。ピンチになったのは、「なぜピンチになったのかを真剣に考え、反省し、次はきちんと成果を出せるようになるためのチャンス」だと考えさせるのです。

 目の前の失敗から目をそらさず、失敗は失敗として受け止め反省し、分析して次につなげる。この「自責サイクル」を回せるようになれば、放っておいても仕事ができるようになっていきます。今こそ、冷静に仕事を見つめ直すチャンスなんだということを教えてください。

【対処法のポイント】
反省し、分析し、次につなげる「自責サイクル」を回せるようにする。

Q 「見た目で判断しないで、中身を見てください」――今年の新人の口癖です。茶髪で派手な服装を、言葉でごまかしているようにしか思えません。

A 認めてほしい欲求の表れです。「個性とは何か」と「周囲からの評価が大切」なことを教えましょう。

 「中身を見て」というゆとり世代に悪気はありません。自分をよく知ってもらいたいという欲求の表れです。

 また「自分のことは自分で決める」世代ですから、自分の好きな髪型、ファッションをします。そのことで周囲がちょっと嫌な顔をしても、「迷惑をかけているわけでもないのだから、自分は悪くない。周囲の方がおかしい」と考えています。

 この場合、教えるべきことは2つあります。1つ目は「個性とは何か」ということです。いみじくも本人が言うように、個性とは人の中身です。中身でこそ個性を発揮すべきであって、誰にでもまねのできる服装や髪型は、どんなに奇抜にしても個性を出しているとはいえないのです。これが、前提の話になります。

 2つ目が重要な話で、「なぜ中身を見てもらえないのか」ということです。仕事で目覚ましい成果を出しているとか、毎朝早く来て、身の回りをきちんと掃除しているとか、人間としての中身の良さに気付いてもらえるようなことをしていないから、見た目で判断されてしまうのです。

 つまり、見た目で判断されるのは、判断される自分自身に原因があるということを認識させましょう。大切なのは「周囲からどう見られているか」です。それが見た目(の派手さ)に集まるのではなく、人間としての中身を見てもらえるような努力を、自分自身でしなければならないと教えましょう。

【対処法のポイント】
見た目で判断されてしまうのは、自分自身に問題がある。期待を上回る社員には、必ず次の仕事が来る。

日経トップリーダー/柘植智幸(じんざい社

執筆=柘植 智幸(じんざい社)

1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。

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