ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
コミュニケーションの形は急速に、そして大きく変化している。これまで当たり前だった「会社で同僚と毎日顔を合わせる」「客先に出向く」といったコミュニケーションが減少しつつある。しかし、オフィスでの雑談やちょっとした確認は大事だ。
そんなときに役立つのがビジネスチャットサービスだ。1対1だけでなく、部署単位のグループでもリアルタイムに近いコミュニケーションが取れる。LINEなどの一般向けサービスと同様の機能を備え、業務上の情報を取り扱えるように使い勝手やセキュリティを強化したものだ。
NTT西日本グループは、2020年4月にビジネスチャットサービス「elgana(エルガナ)」の提供を始めた。Biz Clip編集部では、elganaを実際に試してその使用感をレポートする。
簡単にelganaの紹介をしておこう。elganaはNTT西日本が提供するサービスだ。これまでにNTTグループは総力を挙げ、安全で使いやすいビジネスチャットについての実証実験を行っている。新サービスとはいうものの、NTTグループ公式チャットアプリとして、すでに約62万ID(2021年3月23日時点)以上の導入実績がある。
ビジネスチャットとして利用する際には、パソコンのWebブラウザーからのアクセス、スマートフォン(以下、スマホ)向けのアプリ(Android、iOS)を利用したアクセスが可能だ。オフィスや在宅でパソコンの前にいるときはパソコンで、外出中などはスマホから、手軽にコミュニケーションが取れる。ビジネスチャットだけに、セキュリティにも力を入れる。例えば、利用者は企業が管理し、登録したメンバーとだけしかコミュニケーションができない。一般向けのSNSのように、間違って重要情報を部外者に送るリスクをなくせる。
elganaは費用面でも使いやすい。初期費用は無料で、月額料金もIDごとに330円(税込み)だ。初めての契約の場合は、月額料金を3カ月無料にするトライアル期間も用意している。実際にelganaを使ったビジネスの世界をのぞいてみよう。
※利用にはインターネット環境が必要
※トライアル期間終了後は、月額費用がかかる
elganaの画面。LINEなどと同じ対話形式
無料のアプリとは異なり、ダウンロードしてすぐに使い始めるというわけにはいかない。事前にサービスの申し込みやユーザー登録をしなければならない。といっても、申し込みはWebサイトから簡単にできる。通常、申し込みから1週間ほどで管理者向けに「承諾・設定完了通知書」が届く。この情報に従って、管理システムにログインして初期設定を行う。
elganaはWebサイトから手軽に申し込める(2023年11月1日にelganaはサイトリニューアルを実施。以下の記載においては記事執筆時点のユーザーインターフェースを基に記述している)
初期設定といっても、十数人程度の従業員のユーザー登録なら、管理システムの「ユーザー」→「新規登録」画面を使って、手入力していっても大丈夫なほど。ログインIDやパスワードの設定(自動生成もできるので安心。ユーザーのログイン後に変更可能)、氏名、メールアドレス、所属する組織などを入力すれば登録が完了する。
elganaのユーザー登録画面。分かりやすいユーザーインターフェースで入力も容易だ
登録したユーザーには電子メールでアカウント作成を知らせる連絡が届く
管理者側でユーザー登録が済むと、各ユーザーにはアカウント作成を知らせる電子メールが届く。管理者が初期設定としてしなければならないのはここまで。この程度の作業で済むので、中小規模の企業で専任のIT担当者がいないような場合でも、少しパソコン操作に慣れた人が対応すればすぐにelganaの利用を始められそうだ。
ユーザー側は、届いたアカウント作成のメールの情報を使っての設定が利用の第一歩になる。
ログイン端末がパソコンならば、Webブラウザーで指定されたURLにアクセスする。スマホの場合は、Google PlayやApple Storeからモバイル版アプリをダウンロードして起動する。
いずれの場合もelgana上で企業ごとの契約を区別する「スペースID」と、各自の「ログインID」「パスワード」を入力する欄が表示され、それぞれの情報を入力するとサービス画面が開く。
パソコンの画面では、左に「トーク一覧」、中央にメッセージスペースがあり、右からは「連絡先一覧」が開く。連絡先一覧には、ユーザーとして登録されたメンバーだけが表示されるので、安心してメッセージをやり取りできる。
elganaのWebブラウザー版にパソコンでアクセスした初期画面
文字を使ってチャットがスムーズに行える。メールと違って無駄なあいさつや署名がなく、やり取りの密度が高まる
スマホでは、多くの人が慣れ親しんだSNSのチャットと同じような使い勝手でビジネスチャットができる。自分のメッセージが右から、他の人のメッセージが左から表示される。
写真やイラストなどを登録すればアイコン表示も可能だ。通知により見逃しを減らし、相手の既読状況が分かるあたりも、SNSと同様だ。elganaには多様なスタンプも用意される。ビジネス用特有の堅苦しさを感じさせずに、“柔らか”なコミュニケーションが取れる印象だ。スマホからはすぐに写真を撮影して送れる。現場の状況を共有するようなときにも役立つだろう。
3人以上でグループトークもできる。部署やプロジェクト単位でグループを作っておけば、スムーズな情報共有やアイデア出しに効果的だろう。登録された従業員などのメンバー間だけのコミュニケーションなので、うっかりミスで外部に情報が漏れてしまうことがない。
注文があるとしたらグループトークのときに、どのメッセージに対してのリプライなのかを明示する手段が現在では提供されていない点。大勢が加わったグループでチャットをしているとき、メッセージと返信の関係が分かりにくくなることがありそうなので、誰宛ての返信かを明記するような工夫をするとよい。
Android版で個人間のトーク(左)、iOS版でグループトーク(右)をしているところ。ほとんどの人が違和感なくすぐに使えるインターフェース
elganaはビジネスチャットとして磨かれてから登場したサービスだけに、日本の企業文化での使い勝手もよく考えられている。連絡先は、登録時の部署の階層構造を反映して自分の「所属部署」、会社全体を見通せる「組織」から一覧できる。その上で、自分がよく連絡する相手は「マイコンタクト」に登録すれば、すぐにアクセスできるように作られている。昔のように、紙の内線番号表で相手の番号を探す手間をかけずに、すぐに目的の人とコミュニケーションが取れるわけだ。
連絡先を「組織」(組織全体)、「所属組織」で部署の階層構造に合わせて表示できて便利(左)。よくアクセスする人は「マイコンタクト」に(右)
elganaを試してみて面白いと思ったのが、スタンプのバリエーション。一般向けアプリのスタンプは、ビジネスではちょっと使いにくい。elganaではキャラクターもコメントも含めて、ビジネスのコミュニケーションで「くすっ」と笑えるもので“使える”。「頭出し」「リスケします」「お仕事終了です。」「サポートします」「よきにはからえ」などなど。なかなかにかわいいイラストとともに、ビジネスの潤滑油になるようなスタンプがズラリと並ぶ。
ビジネスの癒やしになるようなスタンプが豊富なelgana
文字のコミュニケーションは、どうしても対面に比べて「雰囲気」が伝わりにくい。下手をすると堅苦しいやり取りになる。リモートワークや外出先のメンバーとの連絡をチャットにして、ギクシャクしてしまったら本末転倒だ。elganaならば手軽な上に、スタンプで少しの癒やしを挟みながら、ビジネスのコミュニケーションを円滑にできそうだ。
※「Android」はGoogle LLCの商標または登録商標です
※「iOS」はCisco Systems, Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標であり、ライセンスに基づき使用されています
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
※2023年11月より「elgana」の販売会社がNTTビジネスソリューションズ(株)から西日本電信電話株式会社に変更されましたため、記事および注釈を修正しました
執筆=岩元 直久
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