ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、これから一層テレワーク化を加速させる企業もあるだろう。テレワークを先行して実施した企業から聞こえるのがネットワークの問題だ。
これまで社外から会社のネットワークにリモートアクセスするのは、営業担当者など一部の社員であり、特に問題ないケースが多かった。それでは昨今のテレワーク時においては何がネットワークの問題となるのだろうか。
社外からアクセスする従業員が少ないときには問題にならなくても、多くの従業員がテレワークを行うと、勤務開始時に一斉に社内ネットワークにアクセスすることになる。そうすると、機器のパフォーマンスが低下してつながりにくい。問題の原因はネットワーク機器のパフォーマンス不足だ。そこで急きょ、社内のネットワーク設備を増強し、テレワークによる通信量の増大に対応するケースは多い。
テレワークの利用拡大に伴い、企業ネットワークの再整備が必要な場合もある。企業ネットワークには、社内(拠点内)のネットワークであるLAN(ローカルエリアネットワーク)と、社外の営業拠点や従業員の自宅のパソコンなどを社内ネットワークに接続するWAN(ワイドエリアネットワーク)の2つがある。
テレワークでオンライン会議ツールを利用して社内と自宅などをつなぎ、ミーティングを行うのも一般的になってきた。自宅から直接インターネットへの接続を許可しない場合、オンライン会議を行う際にも社内ネットワーク経由でインターネットへ出ることになる。
もし、社内LANを構成するスイッチやルーターなどのネットワーク機器に障害が発生すれば、社内で仕事をする従業員だけでなくテレワークにも支障を来す。障害が発生している間は、顧客・取引先からのメール確認やクラウドサービスの利用、オンライン会議なども行えず、ビジネスが止まってしまう。
※WANを経由して社内LANに接続するイメージ。拠点や自宅などから社内LANに接続するにはさまざまな方法がある
企業ネットワークの要となる機器がルーターだ。拠点間の通信やインターネット接続などのWANで利用される。ルーターは大きく分けて企業向けと家庭向けがあるが、ビジネス利用なら企業向けルーターを利用したい。
企業向けルーターは、大規模ネットワーク用から中小規模ネットワーク用までタイプがある。中小規模の企業向けルーターの場合、インターネット接続のほか、仮想的な閉域網を設け、安全に通信が行えるVPN機能を備えるタイプが一般的だ。
企業向けルーターを導入する際、購入とレンタルの2つの方法がある。専任のIT部門がある企業は購入して自社で設定・運用してもよいが、IT部門のない企業やIT担当を兼任する企業の場合、専門知識が必要なルーターの管理が難しい場合もある。そこで、ルーターの設定や運用、機器のレンタルなど含め、外部の専門家にアウトソーシングする方法がある。
ルーターが止まれば拠点間やインターネット接続、クラウドサービスの利用にも支障を来すことになる。テレワークを推進するためにも、企業ネットワークの見直しは欠かせないといえるだろう。
執筆=山崎 俊明
【MT】
会社の体質改善法