会社の体質改善法(第11回) 人事異動や部署異動を円滑に。クラウドストレージ活用のススメ

働き方改革 デジタル化経営全般

公開日:2024.03.01

 春は人事異動の季節でもある。新入社員が入社してくる会社もあるだろう。人が動くと情報システム部門や総務部門などへの問い合わせも増える。テレワークやハイブリッドワークという働き方の変化もある。こうした状況で情報システム部門や総務部門などの負荷を減らすために頼りになるのが、クラウドストレージやビジネスチャットといったデジタルツールの有効活用だ。では、どのように活用すれば課題解決につながるのだろうか。

問い合わせの軽減に効果があるクラウドストレージの活用

 人事異動で他部署に異動すると、仕事の中身が変わり、覚えることも多い。そういう従業員にとって頼みの綱となるのがマニュアルの存在だ。引き継ぎや異動に備えてマニュアルを作成しているケースは多いだろう。しかし、実際には自分が探しているマニュアルがどこにあるのかわからずに苦労する場合も少なくない。

 この問題を解消するツールとして役に立つのがクラウドストレージの活用だ。作成されたマニュアルをPDFファイルなどに変換し、系統立てて整理してクラウドストレージのフォルダーに格納しておけば、どこからでもアクセスして必要なマニュアルを容易に探し出すことができて、情報システム部門や総務部門の問い合わせ対応の負荷を軽減できる。フォルダー構成は用途や組織に分類するのが基本だが、情報システム部門や総務部門が従業員向けにマニュアルを格納する場合は、まずフォルダーの構成や名前の付け方のルールを決めておき、それを通知するのが良いだろう。その上で困っている人がマニュアルを見つけやすいように目的別に分類しておきたい。

 当然、マニュアルを作成してフォルダーに格納する側もこれらのルールを守ることが求められる。従業員がフォルダーを作成する際の承認フローを社内で確認するなど、クラウドストレージの運用ルールを定めておくと混乱が避けられる。

 近年のクラウドストレージにはさまざまな便利機能が装備されている。例えば、オンプレミスのファイルサーバーからのデータ転送機能やファイルのプレビュー機能が提供されていたり、社内共有、個人用、外部との共有用など利用目的に応じたフォルダーが用意されていたりするものもある。しかも、クラウドストレージはクラウド事業者が責任を持って運用しているので、自然災害が発生した際の対策や、セキュリティも強化されている。便利なだけではなく、事業継続性が高まるのも大きなメリットだ。

ビジネスチャットを活用した手軽なコミュニケーション

 クラウドストレージと合わせて活用したいのが、ビジネスチャットだ。手軽なコミュニケーション手段として普及しているチャットを使うことで、新入社員などでも気軽に問い合わせができるようになり、トークルームのチャットの履歴自体がQ&Aの役目を果たすので、問い合わせ自体を減らす効果も期待できる。

 ただ、パーソナルユースのチャットをビジネスで使うのは、プライバシー保護やセキュリティ確保という面からお勧めできない。情報漏えいやプライバシー侵害などのリスクもある。しかし、企業で利用することを前提としたビジネスチャットであれば、ビジネスの効率化やセキュリティ強化につながる多様な機能が提供されている。

 ビジネスチャットでは利用者を従業員に限定することができたり、コミュニケーションのログが管理できたりする。ログは必要な時に確認できるので、セキュリティ面でも安心だ。管理者権限もさまざまな設定方法が選択でき、やり取り可能な端末の制限や、アクセス権限を設定することも可能だ。トークルームを作成して情報を共有したい従業員に一括送信したり、アンケートをとる機能が提供されていたりする。既読者の確認機能やアンケートの回収管理機能が提供されているものもある。また、ファイルを送信するのではなく、クラウドストレージのURLを貼り付けることでファイル共有も可能なサービスもある。

 今時の新入社員であればチャットツールはお手のものだ。気軽に使えて従業員同士の距離感を縮められるビジネスチャットは、新入社員に早く会社になじんでもらう意味でも効果があるはずだ。

執筆=高橋 秀典

【MT】

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